6.ヒトの証の赤い水
「うっわぁ、すっげ―美味そう」
鮮やかな紅の果実が実っているその光景に、ガイは感嘆の声を上げた。一つもぎ取って口に放り込めば、甘酸っぱい味が口内に広がる。
「うめぇ」
言葉にしてその味を評するガイに、隣でその様子を見ていたマヤは嬉しそうに笑った。
「でしょ、でしょ? この果実、そのままでも美味しいけど、お酒とかジャムにしても美味しいんだよ」
「いいな、果実酒っ!! 作ってあそこに置いておこうぜ」
「うん」
あそこと指示語で告げた場所が秘密基地だと分かったマヤは提案に大きく頷く。その反応にガイは予め用意してきた布を広げた。
「ここに要るだけ採ろうぜ」
「分かった」
「よ―し」
それじゃあ早速、と言って腕まくりをしたガイは果実の実る茂みに手を入れる。そこでマヤは思い出したように小さく声を上げた。
「あ、ガイ。この木の枝には刺があるから――」
怪我しないように気を付けてねと続く言葉は、ガイの絶叫に掻き消された。
鮮やかな紅の果実が実っているその光景に、ガイは感嘆の声を上げた。一つもぎ取って口に放り込めば、甘酸っぱい味が口内に広がる。
「うめぇ」
言葉にしてその味を評するガイに、隣でその様子を見ていたマヤは嬉しそうに笑った。
「でしょ、でしょ? この果実、そのままでも美味しいけど、お酒とかジャムにしても美味しいんだよ」
「いいな、果実酒っ!! 作ってあそこに置いておこうぜ」
「うん」
あそこと指示語で告げた場所が秘密基地だと分かったマヤは提案に大きく頷く。その反応にガイは予め用意してきた布を広げた。
「ここに要るだけ採ろうぜ」
「分かった」
「よ―し」
それじゃあ早速、と言って腕まくりをしたガイは果実の実る茂みに手を入れる。そこでマヤは思い出したように小さく声を上げた。
「あ、ガイ。この木の枝には刺があるから――」
怪我しないように気を付けてねと続く言葉は、ガイの絶叫に掻き消された。
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