10.貴方の色に染まりましょう
不意に肩にかかった重みに、シンはハープを奏でていた手を止めた。
「ユダ?」
どうかしたのかと己の肩にもたれるようにしている相手の名を呼ぶが返答はない。
見ると空色の瞳は閉ざされていた。
どうやら傍らで演奏を聴いているうちに睡魔に襲われたらしい。
「……疲れていたのなら、そう言ってくださればよかったのに」
そうしてくれれば日を改めるくらいのことはしただろう。けれど口にしたところで、心配するなと微笑むに決まっている。シンは小さく溜め息をこぼし、もたれるようにして眠るユダを見つめた。
その耳に演奏を始める前にユダから告げられた言葉がよみがえる。
『お前の心が真っ白な気がしたんだ』
何故リボンの色に白を選んだのかと、問いかけた自分にユダが告げた答え。
それはとても彼らしいと思った。
「ユダ?」
どうかしたのかと己の肩にもたれるようにしている相手の名を呼ぶが返答はない。
見ると空色の瞳は閉ざされていた。
どうやら傍らで演奏を聴いているうちに睡魔に襲われたらしい。
「……疲れていたのなら、そう言ってくださればよかったのに」
そうしてくれれば日を改めるくらいのことはしただろう。けれど口にしたところで、心配するなと微笑むに決まっている。シンは小さく溜め息をこぼし、もたれるようにして眠るユダを見つめた。
その耳に演奏を始める前にユダから告げられた言葉がよみがえる。
『お前の心が真っ白な気がしたんだ』
何故リボンの色に白を選んだのかと、問いかけた自分にユダが告げた答え。
それはとても彼らしいと思った。
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