動かない
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なまえ…。…好きだ…愛してる…。」
いつもと変わらぬ日常の中で突然露伴は私を捕まえて、今まで聞いた事もない熱烈な愛の告白を口にした。
それもあの岸辺露伴が、体を震わせ目からは涙を流しながら、時折言葉を選びながら言葉を紡ぐので、私は黙ってその愛の告白を聞く事しか出来なかった。
「誰かを愛おしいと感じたのは、君が初めてだ。僕にそれを教えてくれたのは、なまえ…君なんだよ。…だから、もう一度、僕と結婚してくれ。やり直させてくれ…。今度はちゃんと、守るから…。」
「………。」
これは、夢だろうか?
別に露伴に愛されている実感が無かった訳ではない。露伴は素直じゃないなりに、私にだけは少しだけではあったが、表情や態度で愛を伝えてくれていた。それで充分だった。
だけどどうだろう。
こうしてストレートに愛の言葉を囁かれて、文字通り桁違いの愛を感じられた気がする。
いや、気がする、なんてもんじゃない。抱きしめた腕越しに露伴が震えていて、必死に私に伝えようとしているのが肌で感じられる。
こんなの、嬉しくないわけがない。それも、今まで感じた事がないという程に。
ポタポタと、上から露伴の涙が降ってくる。
その瞳は何かを後悔しているような、縋るような必死さを含んでいる。
だから私は、露伴を安心させるように笑顔を浮かべた。
「ふふ…露伴に何があったかは分からないけど、私は露伴が嫌って言っても、離れないから。だからね……喜んで、お受けします。」
断るなんて、そもそも露伴からのこの愛の告白がなくてもこの私がするわけないが。
「婚前に決めた決まり事は…全部ナシだ。これからは一緒に、夫婦になっていこうな。」
「……ふふ、うん。」
ぎゅっと抱き締め返してくれて、露伴の匂いに包まれる。そんなわけはないのに、なぜだかひどく懐かしいような感覚がした。
「もう絶対に、君を離さないからな、なまえ。」
言われなくても絶対に、私が離さないから。
ね、露伴。
A successful marriage requires falling in love many times, always with the same person.
(結婚を成功させるには、同じ人と何度も恋に落ちる必要がある)