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▽アラサー花京院さんと後輩
「あ。」
私と、目の前にいる花京院さん。つい数秒前まで私達を隔てていたドアは今、開け放たれている。というか、私がついさっき開けた。
「あ」と声を出したのは、私と花京院さんどちらだっただろうか。もしかしたらどちらも発したかもしれない。たった一音。それが発されたあとに続く言葉はなく、無言のまま数秒が過ぎた。
そう、気まずいのだ。包み隠さず言うと、社内でも指折りのイケメンである花京院さんのお着替えシーンに偶然にも遭遇してしまったのだ。所謂ラッキースケベ。
これまで「花京院さんの顔はめっちゃタイプだけど細すぎてなぁ…」なんて社内の女子達と話していた私、めっちゃ馬鹿。お前の目は節穴か。めちゃめちゃいい身体してるじゃん。はい、タイプー。はい、好きー。まさかこんなにあっさり恋に落ちるなんて。びっくり。
「花京院さん…彼女います?」
「え?…いや、しばらくいないけど…。」
「じゃあ気になっている人とかは。」
「…いないよ。」
良し、最低ラインはクリア!
私が心の中で拳を握っている間に、花京院さんはもそもそと服の着替えを終えられてしまった。あぁ…もう少し見ていたかった。
「花京院さん。私花京院さんがめちゃくちゃタイプなんですけど、花京院さん的には私ってアリですか?ナシですか?」
「……、…君、見かけによらず肉食なんだな。」
「よく言われます。花京院さんは、見かけ通り草食ですか?」
もしも花京院さんも肉食だったら、私としては尚嬉しい。けど、もしかしたら花京院さんはお淑やかでかわいらしい女の子がタイプかもしれない。そう思ったら勢いでアタックを仕掛けた事に後悔の念が押し寄せてきた。やばい、どうしよう。花京院さんにビッチだと思われてたらもう、合わせる顔がない。
だけどそんな私の心配とは裏腹に、花京院さんは未だかつてない近い距離で静かに微笑みを浮かべていて心臓がうるさく音を立て始めた。本当、顔面偏差値が高すぎる。
「…多分、君の喜ぶ方…だと思うけど。」
「!」
えぇぇ…花京院さん、女の子にはこんな感じなんだ…!!フ…と笑いゆっくりと体を離す間も瞳は挑発的に私に向けられていて、もうあの、好きです!!!
「か、花京院さん!私、花京院さんに猛アタックしてもいいですか…!」
持っていたファイル類をぎゅう、と抱きしめて、外に聞こえるんじゃないかってレベルの声量で問いかける。もはや告白と言っていいのではないかというセリフである。
既にこちらに背を向けて引き戸に指をかけていた花京院さんは顔だけこちらを振り返り「お好きにどうぞ。…僕も君の事が少し、気になってきたしね」と一言だけ告げて、去っていってしまった。何それかっこいい。
今まで知らなかった花京院さんの一面が、私のタイプどころかどストライクすぎるんですが!!!
唐突に始まった恋の行き着く先は、どこなのか。今はまだ、誰も知らない。
「あ。」
私と、目の前にいる花京院さん。つい数秒前まで私達を隔てていたドアは今、開け放たれている。というか、私がついさっき開けた。
「あ」と声を出したのは、私と花京院さんどちらだっただろうか。もしかしたらどちらも発したかもしれない。たった一音。それが発されたあとに続く言葉はなく、無言のまま数秒が過ぎた。
そう、気まずいのだ。包み隠さず言うと、社内でも指折りのイケメンである花京院さんのお着替えシーンに偶然にも遭遇してしまったのだ。所謂ラッキースケベ。
これまで「花京院さんの顔はめっちゃタイプだけど細すぎてなぁ…」なんて社内の女子達と話していた私、めっちゃ馬鹿。お前の目は節穴か。めちゃめちゃいい身体してるじゃん。はい、タイプー。はい、好きー。まさかこんなにあっさり恋に落ちるなんて。びっくり。
「花京院さん…彼女います?」
「え?…いや、しばらくいないけど…。」
「じゃあ気になっている人とかは。」
「…いないよ。」
良し、最低ラインはクリア!
私が心の中で拳を握っている間に、花京院さんはもそもそと服の着替えを終えられてしまった。あぁ…もう少し見ていたかった。
「花京院さん。私花京院さんがめちゃくちゃタイプなんですけど、花京院さん的には私ってアリですか?ナシですか?」
「……、…君、見かけによらず肉食なんだな。」
「よく言われます。花京院さんは、見かけ通り草食ですか?」
もしも花京院さんも肉食だったら、私としては尚嬉しい。けど、もしかしたら花京院さんはお淑やかでかわいらしい女の子がタイプかもしれない。そう思ったら勢いでアタックを仕掛けた事に後悔の念が押し寄せてきた。やばい、どうしよう。花京院さんにビッチだと思われてたらもう、合わせる顔がない。
だけどそんな私の心配とは裏腹に、花京院さんは未だかつてない近い距離で静かに微笑みを浮かべていて心臓がうるさく音を立て始めた。本当、顔面偏差値が高すぎる。
「…多分、君の喜ぶ方…だと思うけど。」
「!」
えぇぇ…花京院さん、女の子にはこんな感じなんだ…!!フ…と笑いゆっくりと体を離す間も瞳は挑発的に私に向けられていて、もうあの、好きです!!!
「か、花京院さん!私、花京院さんに猛アタックしてもいいですか…!」
持っていたファイル類をぎゅう、と抱きしめて、外に聞こえるんじゃないかってレベルの声量で問いかける。もはや告白と言っていいのではないかというセリフである。
既にこちらに背を向けて引き戸に指をかけていた花京院さんは顔だけこちらを振り返り「お好きにどうぞ。…僕も君の事が少し、気になってきたしね」と一言だけ告げて、去っていってしまった。何それかっこいい。
今まで知らなかった花京院さんの一面が、私のタイプどころかどストライクすぎるんですが!!!
唐突に始まった恋の行き着く先は、どこなのか。今はまだ、誰も知らない。
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