1年目
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「俺は大学に行ってくるが…くれぐれも無理はするんじゃあねーぜ。」
早いものでもう9月。承太郎についてアメリカへやってきて8ヶ月が経った。9月という事はこちらの大学へ承太郎が入学するという事で…過保護過ぎるほどに過保護な承太郎とやっと離れられるのは嬉しいが、少しだけ…ほんの少しだけ不安だ。しかしその私の不安を察知した承太郎はあろう事か聖子さんを呼び寄せていて、朝起きたらリビングに聖子さんの姿があったので驚いて、しばらく開いた口が塞がらなかった。
「何でも言ってね、なまえちゃん。」
「えぇ〜〜、本当に嬉しい…!聖子さんがいてくれるだけで、元気になるかも!」
「あら、嬉しいわぁ〜!」
久しぶりの聖子さんに、思わず勝手に笑顔になってしまう。だって私、聖子さん大好きだし。そんな私を見る典明は優しい顔でこちらを見ているし、もう本当に幸せ!
「やれやれだぜ…。何かあったらすぐに連絡しろ。じゃあな。」
聖子さんよりも承太郎の方がお母さんなのではないかと、本気で思った。私を心配する承太郎と、「大抵の事は何とかなるわよ〜」とドッシリ構えている聖子さんがいつもとは真逆で、少し面白く思った。
「イギー!元気だった?見て見て。お腹、もうこんなに大きいの!」
聖子さんに着いてやってきたイギーは見慣れない義足を着けていて、少し動きがぎこちなかったが体は元気そうだ。スンスンと私の匂いを嗅いでからお腹に頭を擦りつけてくれて、嬉しい気持ちでいっぱいだ。
「聖子さん…、私、典明の事大好きだけど、みんなの事も好き。聖子さんもイギーも承太郎も、ジョセフさんもポルナレフも、みんな。」
「良かったわね。私も、なまえちゃんの事大好きよ!」
「えへへ…嬉しい…。あのね、典明のお母さんも、大好き。」
「あら、少し嫉妬しちゃうわ。」
「ふふふ。」
ここぞとばかりに、ソファに座る聖子さんの膝に頭をもたげて甘えた。こんな事、空条邸に住んでいた間にもした事はない。だけど…これは、癖になりそうだ。
「聖子さん、いつまでこっちにいてくれるの?」
「そうねぇ…。だいたい、この子が産まれてから1ヶ月くらいかしら。」
「えっ…!?そんなに…!?」
「えぇ。それに、産後の経過が良ければ、そのまま一緒になまえちゃんも日本に帰れる予定よ。」
「あ…、そうなんだ…。承太郎から、何も聞いてなかったから…。」
「まぁ、そうなの。ふふ、ごめんなさいね。」
今、聖子さんは承太郎の事がかわいくて仕方ないと思っているんだろうなと感じ取れる。私も、聖子さんみたいなお母さんになれるだろうか。
「あら、典明くん。」
「ホリィさん…、ご無沙汰してます。」
「ご無沙汰してます、って。」
「ふふ、そんなに畏まらなくても良いのよ。」
「…なまえ。君と、お腹の子をよろしくって、伝えてくれるかい?」
「!…うん。」
あぁ、典明のこういうところ、本当に好きだな。
いつだって私の事を、一番大事にしてくれる。聖子さんに伝えると「もちろんよ」と笑顔を浮かべて、温かい空気に包まれた。幸せ。
聖子さんが来てから、悪夢をみる回数は格段に減った。日中聖子さんとおしゃべりをして、気分転換ができているおかげだろう。そのおかげか悪阻も比較的落ち着いて、食べる量も増えた。聖子さん様様である。
しかし頻度が減ったからといって全く悪夢をみなくなったわけでもなく、承太郎の部屋で泣いているところを初めて聖子さんに見られた時はとても心配させてしまった。…そもそも、一緒に寝ている事すら言っていなかったので焦ってしまったがその点に関しては「仲が良いのね」の一言で済まされてしまったので、聖子さんはやっぱり聖子さんだった。
「聖子さん。私ね、承太郎や聖子さんと出会えて本当に良かった。幸せです、私。」
「嬉しい事を言ってくれるのね。私もよ。典明くんもね。」
「はい。ふふ、承太郎に出会えてなかったら典明にも出会えなかったから、感謝してます。」
「…僕も、承太郎には感謝している。」
典明の優しい笑顔を見せられて胸がきゅう、と締め付けられて、典明を抱きしめられない代わりに聖子さんを抱きしめた。聖子さんは華奢な女性なので力加減を抑えたが、本当ならもっと強く抱きしめたかった。
本当に数ヶ月ぶりに、穏やかで幸せな空気だけが流れる毎日だ。
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