受け継いだ、彼女
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「彼女を守りきったなら、俺は彼女と結婚する。」
「……徐倫がいいと言うなら、いいんじゃない?」
なに、この子。懲罰房まで案内してくれるというから一緒に来たが、突然の徐倫と結婚する宣言。それも本人の許可は得てないと見た。正直なんと返答していいか分からない。綺麗な顔をしていると思ったが、この人と関わるのはなんか、面倒くさそう。よく見たらすんごいファッションセンスだし。必要以上に関わるのはやめておこう。そう心に決めた。典明も同じように思っていたらしく、アナスイが私に近寄る度に尽くガードした。私を守るその姿はさながら騎士のよう。本当にかっこいい。好き。結婚して!
とはいえ、彼のスタンド能力は使える。ダイバーダウン。与えた衝撃を任意のタイミングで発動できる。それに、応用が利きそうで私好みだ。…あくまで、スタンド能力のみだが。
「!なに、あれ…!」
向かう先の建物に向かって、燃え盛る物体が空から降っているのが見える。夜に見たなら流れ星かと見間違ったかもしれない。しかしそれは、日が昇った今も光っているように見え、まるで…隕石かのように見える。まさか、そんなわけないよね…?
「案内ありがとう、アナスイ!私は先に行く!!」
万が一隕石だとして…そんなの、反則じゃないだろうか?ドッ、と地面を蹴って、屋根の上へとひとっ飛び。その隕石らしきものがパリン!と天窓を突き破っていくのを見送って下を見ると、徐倫が看守に絞め技を食らっているところであった。このままでは、徐倫に直撃してしまうだろう。
「徐倫ーッ!!」
バリン!と天窓を突き破り、徐倫に絞め技をかける看守に向かってかかと落としを一発。徐倫は既にボロボロだ。しかし、看守の方もボロボロ。どう見たって骨も折れている。だというのにそれでも立ち上がり、なおも攻撃をしようと向かってくる。その様子はゾンビを彷彿とさせ、少しばかり不気味だ。しかし人間は人間。ただ今は、痛みを忘れているだけだ。
「お前の筋肉…!美しい…美しいぞ〜!!こんなに美しい筋肉は、未だかつて見た事がない!!素晴らしい…!!」
なに、このテンション。アドレナリンが出ているとかそんな次元じゃない。骨を折られて笑っているなんて、狂気じみている。普通ならば、気を失っていてもおかしくはないはずの怪我なのだ。こうなった生き物は、強い。
「なまえ!なんでここに…!」
「徐倫が心配でね…来ちゃった。大丈夫?…じゃ、なさそうね。コイツは私に任せて。徐倫はその糸で止血して、少し休んでて。」
私の筋肉に異常な反応を見せるあたり、コイツはパワータイプ。そして恐らくは隕石を降らせる能力。それだけ分かれば良い。パワーにはパワーをぶつければ良いのだから。私にはうってつけの敵だ。完膚なきまでに、叩きのめしてやる…!
「典明、徐倫をお願いね。」
「うん。…ふふ、僕のなまえ、戦う時はとてもかっこいいんだ。一緒に見ようね、徐倫。」
典明がそういうのなら、かっこ悪いところは見せられないな。最近自分の意思とは関係なく鍛えられた筋肉。ちゃんと使えるのかこの敵で、確かめさせてもらおう。
「なまえ…、あなた本当に、何者なの…?」
隕石の敵は、そう時間をかけずとも倒す事ができた。パワーは私の勝ち。それも圧倒的に。そして隕石は、スタンド能力で体を透過させれば避けるまでもなく私の勝ち。私の敵ではない。つまり私は、無傷だ。それで私が何者か、だっけ。
「私は…そうだなぁ…。典明のかわいい奥さんで、Tenmeiを描く画家で、子供服のデザイナーで、SPW財団の財団員。あ、あと、イタリアのとあるギャングのボスの、お母さん。」
「は…、はぁ…?」
「…ねぇ典明。やっぱり最後のは言わない方がいいかな?」
「はは、事実なんだから、言ってもいいんじゃあないか?」
「信じられないわ…。どう見ても普通の、女の子なのに…。」
この反応には、もう慣れた。いつどこに行っても、そう言われるから。最近は肩書きが増えてしまって、困ったものだ。
「それはそうと徐倫、止血は済んだ?念の為、治癒の波紋を流すね。」
とりあえずは、一旦戦況は落ち着いた。傷の回復はできる時にやっておかなければとその場で徐倫の傷口に手を翳す。糸で無理やり止血したようだが、やはり隕石を食らった箇所は損傷が酷い。
「うっ…!…なに、これ…。温かくて、気持ちいい…。」
「良かった…ジョルノはあんまり、効きが良くなかったから…。やっぱり、純粋なジョースターの血統は効きが良いのね。」
徐倫に送る波紋エネルギーは、砂漠に水が染み込んでいくかのように、治癒の波紋が流れて行くのが分かる。ジョルノはフィルターを通しているかのように分散していくような感じがしていたのだが、きっと血統が関係しているのだろう。
「徐倫…あなたは骨を探しにここに来たと聞いたわ。骨は今、どこにあるか分かる?」
「!…それなら、さっきそこにいた小柄な男が持ち去っていくのを見たわ…。」
「そう…。徐倫。危険を犯してまで、探しに来てくれてありがとう。…典明、探してくれる?」
「お安い御用だ。」
さて…次は。どうやらこのバトルロイヤルで、頂点に君臨する必要があるみたいだ。既に敵は残り2人。倒して回る手間が省けた。
「ワシの名はケンゾー。年齢78歳。健康の秘訣は、睡眠8時間半と毎朝一杯の尿療法。肝心なのは続ける事。知っているかの?尿療法。ウヒヒヒヒ…!」
「……随分長い挨拶ね。お礼に、私も返してあげる。私は花京院なまえ。39歳。健康の秘訣は波紋の呼吸と、毎日いっぱいの典明からの愛。肝心なのは、私も愛をいっぱい返す事。それで大体の事は何とかなる。…ね、典明?」
「ふっ…、ッあはは!君もそう思ってくれていたなんて、嬉しいよ。」
「えぇ…、笑うとこ…?」
典明が楽しそうで嬉しそうなら、何だっていいが。
「結論から言おう。この囚人どもは溺れたのじゃ。ワシが溺れさせたから体がブヨブヨに膨らんでいる。そしてワシの最初の敵は、まだお前ではないようじゃ。」
トン、とケンゾーは構えを取りながら近くの死体を足で小突く。そうするとその死体は衝撃により一部が破裂し、中から何かが飛び出した。あれは確か──FF…フーファイターズと言っただろうか?ここに来る時にアナスイと共にいた、恐らく徐倫の仲間。どういう原理かは聞いていないが、死体の中にひっそりと潜り込んでいたようだ。
ドンドンドンッ!
そのFFの指から弾丸のようなものが発射し、敵の方へと向かっていく。…が、無数に転がる死体がそれを阻止した。よく見えなかったが、ケンゾーが何かをしたようだ。
コツ…コツ…コツ…
不意に響き渡る足音。典明のハイエロファントが反応しないのを鑑みるに、どうやら敵ではないらしい。ならばきっと、足音の正体はアナスイだ。だから、放っておいてもいいだろう。
「徐倫!このジジイは、あたしに任せろ!」
「え…、ごめん待ってFF。私さっきコイツに自己紹介しちゃったのよ。それがムダになるなんて恥ずかしいから、今回は私に譲ってくれない?」
「ふ…。…僕のなまえがすまない。お詫びに、なまえの戦いぶりを見て勉強すると良い。」
もう…典明ってばみんなの前で"僕の"だなんて…!好き!