あの人ごと、私を愛して
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「テメーが好きだ、なまえ。」
尊敬する彼からの「好きだ」という好意を表す言葉は、私にとって何よりも残酷な言葉だった。
「……何、言ってるの…?冗談は、やめてよ…承太郎らしくもない…。」
「冗談なんかじゃあねぇ。俺はずっと「…なら…、余計にやめて。…ごめん、そういうの、今は本当に無理だから。」
つい1ヶ月前までは普通に笑いあえてたはずなのに、今は気を遣う事さえ、笑う事さえできやしない。今目の前で繰り広げられている会話は、ちゃんと会話になっているだろうか。それくらい現実味がなくて、夢でも見ているかのようだった。
「テメーが花京院の事を好きなのは知っていた。…花京院が、テメーを好きだった事もな。」
「っ…、やめて。承太郎の口から、そんな事聞きたくない…!」
私の好きな人は、1ヶ月前に死んだ。殺された。目の前で。DIOに。
あの時のあの場面は、毎日のように夢に見る。きっともう、忘れる事はないのだろうと思う。
「承太郎とは…一緒にいられない…。」
走り出した私を、承太郎は追いかける事もせずただ黙って見送った。後ろを振り返って確認したわけじゃないから本当にそうなのかは分からないけど…追いかけてこないという事は、きっとそうなのだ。
「花京院くん…っ!!」
花京院くんさえ生きていてくれたなら。
花京院くんが私と承太郎を繋いでくれたに違いない。
だけど花京院くんはいなくて、私と承太郎の繋がりは絶たれた。
だってそうでもしなきゃ、私はきっと死んでしまうから。
あの人のいない世界でも生きようと思えるのは、あの人が私に「生きて」と言ったからだ。
だから私は、生きる。
夢や希望なんてないかもしれないけど、あの人が生きてと言ったから、私は生きるしかない。
生きている間は、私も彼をずっと覚えていられるから。
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