最終任務 パッショーネのボスを倒せ
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「トリッシュ…!」
「なまえ!なんだか久しぶりね!」
無事に式典を終えアバッキオの案内で外へとやってきて、やがて「行きつけなんだ」というレストランへとたどり着いた。そこで待っていたのはまさに言葉の通り久しぶりに姿を見た気がするトリッシュで、お互いがお互いの無事を喜んだ。
「じゃあ、積もる話もあるだろうから」とこの場を去ろうとするアバッキオを「このお店のおすすめを教えてよ、アバッキオ」と引き止め、典明と、当たり前のように着いてきた露伴も含め5人でテーブルへとついた。
「トリッシュ…本当に、無事で良かった。死にかけたって聞いて、倒れるところだったんだから。」
「なまえだって、ボロボロだったじゃない。全身から血を吹き出して倒れるから、絶対に死んだと思ったわ。よく生きてたわね。」
「まぁ、頑丈さが取り柄だからね。」
「それで…そちらは?」
「あぁ、無理言って同席して、すまないな。岸辺露伴だ。」
そう言って握手を交わす、露伴とトリッシュ。なんとも不思議な組み合わせだ。
「岸辺露伴…なまえのネイルアートをした人ね?」
「まぁ、そうだな。気を抜くとすぐに歩き回ろうとするから、大変だったよ。」
「でも、さすが岸辺露伴ね。とても繊細で、綺麗だわ。ねぇ、私にもしてくれない?」
「あぁ、別に構わないぜ。君はなまえさんと違って、大人しく座っていられそうだしな。」
「…意外と仲良しね、2人とも…。」
なんだか、少し焦る。この感覚は何なのだろうと考えたが、該当するものは浮かんでこない。うーん…と考えていると視線を感じ、見ると典明が微笑ましいものを見るかのように優しい笑顔で、突然の綺麗な笑顔に椅子から転げ落ちそうになった。
「…急になんだよ、なまえさん。喋ってもいないのにうるさいな。」
「ろ、露伴…!典明が…!典明が綺麗すぎて…!」
「はは、… なまえは本当にかわいいと思ってね。露伴、なまえは今、君にヤキモチを妬いているぞ。君がトリッシュに優しくするから、焦ってるみたいだ。」
「!」
典明?
私の、自分でも分からない感情を的確な表現にしてくれるのはありがたいが、それを今ここで言わなくても良くないか?と言いたくなった。だって、露伴が私の恋人である事は、この2人には言っていないのだから。
「どういう事だ?アンタの恋人は、花京院さんだろ?」
「えと、典明は夫で…。」
「じゃあ岸辺露伴にヤキモチって、なぜ?」
「それは、えぇと…露伴の事も、好きだから…。」
「!?…二股って事か…?堂々と?」
「えぇと……、…返す言葉もございません…。」
あぁ…居た堪れない…。2人とも、きっと私を軽蔑するだろう。私達がなんと言おうと、外から見た私達の関係はそういうもの、なのだから。
「待ってくれ、2人とも。なまえに失望しないでくれ。これはね、僕達3人で話し合った結論なんだ。」
「……まぁ、そういう事だ。」
典明も露伴もフォローを入れてくれるが、2人は納得してくれるだろうか。せっかくいい関係を築けてきている2人だから、これからも仲良くできたら良いのだが…。
そもそも典明は、なぜここでこの話を出したのだろうか。
「僕となまえは、元々愛し合っていたんだ。今年10歳になる息子もいる。」
「10歳…!?ウソ…。」
「でも、僕は既に死んでいる。僕の死を受け入れられなかったなまえの事を、僕だけでは救ってあげる事はできなかったんだ。」
「……。」
「僕は、花京院さんを愛するなまえさんが好きだ。それは虚勢なんかじゃあなく、心からそう思っている。」
「僕はなまえが、一番に僕を愛してくれれば構わない。露伴には、僕ができない愛し方でなまえを愛し、支えて欲しいと思っている。…案外、それで僕らは上手くいっているんだ。」
「……アンタらがいいなら、別に何だって良いが…。…わざわざ今、その話をしたのは何故だ。」
そう。私はそれが聞きたかった。今までむやみに話したりはしてこなかった事実。なんならジョルノにだって話していないのに。
全員の視線を受けた典明は一度目を伏せ、やがて意を決したように口を開いた。
「それは僕が、君らを気に入ったからだ。僕らがこうして支え合っている事を、受け入れてほしかったから。…それに、受け入れてくれると思った…。」
「典明…。」
ニコ、と浮かべた笑顔は、相変わらず美しい。
「…私は、なまえが幸せなら、何だっていいわ。」
「トリッシュ…!」
「…あなた達が納得してるなら、口は出せないじゃない?」
「…そうだな…。外部がとやかく言う事じゃあない。」
「アバッキオ…!…2人とも…、ありがとう…!」
もう、2人とも大好き…!!
「そうだ。この際だから今言うわ。なまえ、養子の件だけど。」
「!うん。」
「私、やっぱりあなたの養子にはならないわ。ボスが死んだ今、必要ない気がして。」
「…そう。…そうだね。」
トリッシュが決めたのなら、とやかく言う事ではない。少しばかり、寂しいが。
「なまえさん…。誰彼構わず養子にしようとするなよな。」
「失礼な。誰彼構わず言ってるわけないじゃない。」
たった1週間足らずの付き合いだったが、私は本当にトリッシュを養子にしても良いと思っていた。初流乃の時だって、断られはしたが本気だった。
「トリッシュ…元気でね。たまには連絡してね。日本にも、遊びに来て。露伴の家だけど、おもてなしはするわ。」
「おい。」
「アバッキオも、ジョルノをお願いね。あの子はまだ子供だから、アバッキオから見たら未熟かもしれないけど…。成長したらきっと、ボスの座に相応しい人になるから。」
パッショーネは生まれ変わった。それも、きっといい方へ。新生パッショーネ。ジョルノはそこの、ボスになる。