第3の任務 ポルナレフを探せ
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「ねぇ…つかぬ事をお伺いしてもいいかな?」
「…こっちも色々と聞きたい事があるんだが…アンタの腹は、一体どうなってるんだ?」
さすがはイタリア。さすが美食の国。出てくる料理全てが美味しい。もちろん、ワインも例に漏れず、だ。
「私の話?そんなに気になる?ただ人よりちょっと消化が早いだけよ。」
「ちょっと…、ちょっとねぇ…?」
「なーに、その顔。」
話しかけてきたのはミスタの方なのに、返答を聞いて納得いかないといった表情を浮かべるなんて…ちょっと失礼じゃないだろうか?
「人よりちょっと消化が早くて、人よりちょっと力が強いって?」
「そうだよ。」
「それで、花京院さんは一体どうしてこんなに幸せそうなんだ?」
「そんなの、私がかわいくて仕方ないからよ。当たり前でしょ?ね、典明。」
「ふふ、そうだな。初流乃も、そうだよな?」
「ふふ…はい。かわいらしいですね。」
「……。」
とうとうミスタは、口を噤んだ。納得して口を閉ざしたわけではないのは明白だが、今はそんな事より、聞きたい事がある。
「それで、聞きたい事があるんだけどね。」
ワインを一口含んで、ナプキンで口を拭う。
今まできちんと話していなかった話をしようと、一呼吸置いてから口を開いた。
「人を探してるって言ってたの、覚えてる?私達は、その人を探すためにわざわざ、日本から来たの。」
「…それが俺達と行動を共にする理由か?」
核心をついた質問を投げかけるのは、アバッキオ。この中では最年長らしく、他の子達よりも落ち着いているのが目立つ。
「そう。初流乃がみんなをとても信頼しているようだから、みんなになら、話してもいいかなって思って。」
「…スタンド関連、ですか?」
「さすが初流乃。察しがいいね。今回私は、SPW財団員として動いてる。探している人は財団員ではないんだけど、協力者でね…。パッショーネの内部に潜入してスタンドの矢の調査をしていたらしいんだけど…それがボスにバレて以降、行方が分からないの…。」
「…本当、世話の焼ける奴だな。」
「…ふふっ。みんなは、そういう話聞いた事ない?」
「……いや…。」
…ダメか。まぁダメ元だったし別に構わないが…正直、手がかりが何もないよりは聞いた事あるかも…?ぐらいでも反応があればいいなと思っていた。しかし…いや、大丈夫だ。
ブチャラティ達は、ボスを倒そうと…ボスに近づこうとしているのだ。ボスにたどり着ければ、きっとポルナレフの情報のひとつくらいは出てくるはず。だってポルナレフに関しての報告が、ボスに行ってないはずがないのだから。
「おかわり。」
「おいおいおい…マジかよ!!」
次の行き先が決まるまでは、ここを動かないだろう。なら出発時間まで、ゆっくり食事を楽しもう。
「今はパッショーネの幹部と、行動を共にしてるの。」
「……一体何をどうしたら、そういう事になるんだ。」
そういえば承太郎への連絡を忘れていたと、食事の合間にみんなから少し離れ電話をかけた。電話の向こうは今にもため息を吐きそうな雰囲気だが、何か文句でもあるのだろうか。
「…といっても、組織を裏切ったから今は追われる身なんだけどね。」
「……はぁ…。」
出た。まさかとは思うが、私が何かやらかして追われる身になったとでも思っているのだろうか。心外だ。本当に、失礼な奴。
「でも好都合でしょ?いずれはボスに行き着く。ボスのスタンド能力が明らかになれば、きっと追い詰められるし、そうしたら、ポルナレフの居場所も聞き出せる。」
「その肝心の、敵のスタンド能力が問題なんじゃあねぇのか?」
「それはそうだけど…私には典明がいるし。」
「……そうだな。テメーが無茶しそうな時は、ちゃんと止めてくれるだろうな。」
「…ねぇ、私の事、暴れ馬か何かだと思ってない?また帰ったら、殴り合いの喧嘩、する?」
「しねぇ。…やれやれだぜ…。何か進展があれば、また連絡しろ。じゃあな。」
ブツッと乱雑な音を立てて、通話が途切れた。本当、かわいくない。何年も言っているが、本当の本当に、典明を見習った方がいい。
「で、ブチャラティ。これからどうするんだ。」
みんなの元へと戻ると今後の動きについて相談を始めたところのようで、私も仲間に加わった。そこで口を開いたブチャラティの言葉に、一同言葉を失う事となった。
「ボスのスタンドは明らかに時間を消し去り、そしてその中をボスだけが自由に動いていた。…無敵だ。どう考えても、何者だろうと、あのスタンドの前ではその攻撃は無駄となる。」
「!」
時間を、消し去る…だって?また、時間を操作する能力。私や典明の単純なスタンド能力と違って、時間を操作する能力はかなり厄介だ。まず、こちらから向こうに、干渉ができない。DIOを倒した時も吉良吉影を倒した時も、承太郎のスタープラチナがいたから何とかなったようなもの。しかし今回は、そのスタープラチナを持つ承太郎はいない。消し去る、というものがどういうものなのかは定かではないが、厄介なのはブチャラティの話しぶりからありありと伝わってくる。…本当、面倒くさい事になった。
「ただし…ボスの正体を突き止めた時は別だ!ボスの素顔さえ知る事ができれば、本体を暗殺できるかもしれないからな。そのために、何とかして正体を…知らねばならない。」
…ブチャラティは、こんな人だっただろうか?大して彼の事は知らないが、こんなに感情を表に出すような人ではなかった気がする。もしかしてトリッシュと教会に行った時に何か…心境の変化などがあったのだろうか。それに……初流乃のブチャラティを見つめる表情だって気になる。何か思うところがあるような、そんな顔をしている。…気がする。
典明も同じように感じたようで、初流乃に視線を向けていて……その横顔が、とても綺麗だった。本当、素敵。典明の顔を眺めていると何もかも全て忘れてしまうのは、私の悪い癖かもしれない。