5000打記念
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
▽時間軸3.1太郎くらい
「…、…承太郎…?…もしかして、私…。」
「……あぁ、悪い…。」
「…謝らなくていいよ。私の、せいだから。」
目を開いて、数秒。私は全てを理解した。
窓から差し込む朝日は、今日の天気が晴れである事を告げている。
だというのに部屋の中は暗く、湿っぽい空気で満たされ、響く声も暗く淀んでいる。
昨日、お酒を飲みながら泣いたのを覚えている。それを承太郎が、苦しそうに眉間に皺を寄せて慰めてくれていた事も。
その後の記憶はないけど、私達の今の状況を見れば、何があったかなんて簡単に予想できる。
なんて情けないんだろう。
なんだか全部が嫌になって、承太郎に背を向けて布団の中で膝を抱えた。頭まで布団をかければ、真っ暗闇だ。
(花京院、くん。ごめんなさい…。)
その名を心に思い浮かべるだけで、胸が詰まって息ができなくなる。だけど、思い浮かべずにはいられない。忘れちゃいけないんだ。
『なまえさん。こんな時に言うのは狡いかもしれないんだが、実は、僕は君の事が好きなんだ。…本当は言わないつもりだったんだけど、死んでから"言えばよかった"と後悔するのは嫌だと気づいたんだ。…ごめんね。』
花京院くんがDIOと対峙する前に言った言葉が、1年経った今でも鮮明に思い出せる。
それなのに、とても綺麗だと思った最後の笑顔だけが思い出せない。忘れたくないと、思っているのに。
「…なまえ。やめろ、こっちを見ろ。」
バサ、と音を立てて、布団を剥ぎ取られる。明るいところは、嫌だ。自分の汚いところが、晒されるから。
「やだ…。やめて、…こんなの、見られたくない…!」
花京院くんには、見せられない。
「分かった、分かったから。…なまえ。テメーは生きてる。だから、俺を見ろ。」
「…は…、承太郎…。」
苦しい。苦しいんだよ、承太郎。花京院くんのいない世界を見るのは。
花京院くんはあの時私の事を好きだと言ってくれたけど、こんな私を見てもまだ、好きだと言ってくれるだろうか。死んだように生きて、承太郎にまで迷惑をかけている私を。
昨日は、彼の命日だった。だから承太郎と日本へ帰って彼のお墓に手を合わせたけど、そこには…いや…どこにも、花京院くんはいなかった。
「承太郎…、私、もう無理だよ……。」
「…無理じゃねぇ。俺がいる。」
「だって私…ッ、…承太郎にも花京院くんにも、酷い事してる…!」
「俺は、それでもいい。テメーが生きていれば、なんでも。」
承太郎は優しい。優しすぎるくらいに。その優しさが、私の中の罪悪感を大きくする。
だけど仮初の温もりをくれたのも、承太郎だった。今だってぎゅう、と強く抱きしめてくれて、触れ合った素肌から承太郎の熱が伝わってきて酷く安心している。安心して、涙が止まらない。
「承太郎……ごめんなさい。…花京院くんに、会いたい…っ……!!」
花京院くんが私の事を嫌いでもいいから、ただ生きてさえいてくれたらいいのに。ただそれだけなのに。
「なまえ…ッ……!」
承太郎の苦しそうな声と、力いっぱい抱きしめる腕の強さを感じて昨日の記憶が徐々に蘇ってくる。
死ねば花京院くんに会えるかもしれないと言いながらも、承太郎と肌を重ねて生きている事を実感し安心していた、私の矛盾している行動も、
承太郎が私を好きだと言いながらも苦しそうに私を抱いた事も。
「私……、ダメだ。…最低だ。……花京院くんも、こんな、今のわたしを見て、好きでいてくれてるわけがない…!承太郎だって……!なんで…、なんで私なの…?」
「……花京院が、テメーを大事に想ってるからだ。」
「…っ、今は、違うかもしれないじゃない…!…うぅん、絶対違う。…今の私を花京院くんが見たら、絶対に幻滅する。」
「テメーが…花京院に想われていたテメーが、そんな事言うんじゃあねぇ!」
「……綺麗事、言わないでよ…。こんな…こんな私…、私だって、大っ嫌い……。」
「…悪い…、悪い、なまえ……。」
本当、嫌い。大っ嫌い。私なんて、消えて無くなってしまえば良いのに。
花京院くんじゃなくて私が、死ねばよかったのに。
花京院くん。花京院くん、花京院くん、花京院くん。
夢でもいいから、もう一度あなたの笑顔を見せて。そうしたらもう、絶対に忘れないから。
「…、…承太郎…?…もしかして、私…。」
「……あぁ、悪い…。」
「…謝らなくていいよ。私の、せいだから。」
目を開いて、数秒。私は全てを理解した。
窓から差し込む朝日は、今日の天気が晴れである事を告げている。
だというのに部屋の中は暗く、湿っぽい空気で満たされ、響く声も暗く淀んでいる。
昨日、お酒を飲みながら泣いたのを覚えている。それを承太郎が、苦しそうに眉間に皺を寄せて慰めてくれていた事も。
その後の記憶はないけど、私達の今の状況を見れば、何があったかなんて簡単に予想できる。
なんて情けないんだろう。
なんだか全部が嫌になって、承太郎に背を向けて布団の中で膝を抱えた。頭まで布団をかければ、真っ暗闇だ。
(花京院、くん。ごめんなさい…。)
その名を心に思い浮かべるだけで、胸が詰まって息ができなくなる。だけど、思い浮かべずにはいられない。忘れちゃいけないんだ。
『なまえさん。こんな時に言うのは狡いかもしれないんだが、実は、僕は君の事が好きなんだ。…本当は言わないつもりだったんだけど、死んでから"言えばよかった"と後悔するのは嫌だと気づいたんだ。…ごめんね。』
花京院くんがDIOと対峙する前に言った言葉が、1年経った今でも鮮明に思い出せる。
それなのに、とても綺麗だと思った最後の笑顔だけが思い出せない。忘れたくないと、思っているのに。
「…なまえ。やめろ、こっちを見ろ。」
バサ、と音を立てて、布団を剥ぎ取られる。明るいところは、嫌だ。自分の汚いところが、晒されるから。
「やだ…。やめて、…こんなの、見られたくない…!」
花京院くんには、見せられない。
「分かった、分かったから。…なまえ。テメーは生きてる。だから、俺を見ろ。」
「…は…、承太郎…。」
苦しい。苦しいんだよ、承太郎。花京院くんのいない世界を見るのは。
花京院くんはあの時私の事を好きだと言ってくれたけど、こんな私を見てもまだ、好きだと言ってくれるだろうか。死んだように生きて、承太郎にまで迷惑をかけている私を。
昨日は、彼の命日だった。だから承太郎と日本へ帰って彼のお墓に手を合わせたけど、そこには…いや…どこにも、花京院くんはいなかった。
「承太郎…、私、もう無理だよ……。」
「…無理じゃねぇ。俺がいる。」
「だって私…ッ、…承太郎にも花京院くんにも、酷い事してる…!」
「俺は、それでもいい。テメーが生きていれば、なんでも。」
承太郎は優しい。優しすぎるくらいに。その優しさが、私の中の罪悪感を大きくする。
だけど仮初の温もりをくれたのも、承太郎だった。今だってぎゅう、と強く抱きしめてくれて、触れ合った素肌から承太郎の熱が伝わってきて酷く安心している。安心して、涙が止まらない。
「承太郎……ごめんなさい。…花京院くんに、会いたい…っ……!!」
花京院くんが私の事を嫌いでもいいから、ただ生きてさえいてくれたらいいのに。ただそれだけなのに。
「なまえ…ッ……!」
承太郎の苦しそうな声と、力いっぱい抱きしめる腕の強さを感じて昨日の記憶が徐々に蘇ってくる。
死ねば花京院くんに会えるかもしれないと言いながらも、承太郎と肌を重ねて生きている事を実感し安心していた、私の矛盾している行動も、
承太郎が私を好きだと言いながらも苦しそうに私を抱いた事も。
「私……、ダメだ。…最低だ。……花京院くんも、こんな、今のわたしを見て、好きでいてくれてるわけがない…!承太郎だって……!なんで…、なんで私なの…?」
「……花京院が、テメーを大事に想ってるからだ。」
「…っ、今は、違うかもしれないじゃない…!…うぅん、絶対違う。…今の私を花京院くんが見たら、絶対に幻滅する。」
「テメーが…花京院に想われていたテメーが、そんな事言うんじゃあねぇ!」
「……綺麗事、言わないでよ…。こんな…こんな私…、私だって、大っ嫌い……。」
「…悪い…、悪い、なまえ……。」
本当、嫌い。大っ嫌い。私なんて、消えて無くなってしまえば良いのに。
花京院くんじゃなくて私が、死ねばよかったのに。
花京院くん。花京院くん、花京院くん、花京院くん。
夢でもいいから、もう一度あなたの笑顔を見せて。そうしたらもう、絶対に忘れないから。
4/4ページ