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▽4部以降生存院
眩しい朝日が私の身体を目覚めさせようと瞼に突き刺さる。それにもしかしたら今朝は雪が降ったのかもしれないという程の、空気の冷たさ。だというのに珍しく布団は肩まで掛かっているし、なんだか温かい。そう、主に背中側が。
そうと分かればその温かさの方へ身体を寄せると、温かい何かに当たって、それに、なんだか重い。…えっ?……いやいやまさか、そんなわけ。
もう少しこの気持ちよさに身を委ねていたかったが、そんな事をしても何も変わらない、という事は分かる。それに嫌な予感がいっぱいで、眠気なんて一瞬で醒めた。恐る恐る瞼を開けると誰かの腕が私の下にあって、あぁ、やっぱりな、と現実を目の当たりにし、絶望した。
この腕は、誰の腕だろうか…。20代も後半に差しかかろうというところで情けないが、記憶が飛んでいる。昨日は部署の飲み会があったはずだが、まさか同じ会社の人と…!?いや、知らない人だった方が気まずすぎるか。うーん、どっちもどっち。比較的一番マシなのはつい先日別れたばかりの元彼だが、その線はもうない。だって元彼は、こんなに男らしい、逞しい腕なんかじゃなかった。
その場で動けずに目覚めた時のまま固まっていると、とうとう背後の誰かが動き出して両腕で抱きしめられた。首元でスゥ…フゥ…、という吐息が聞こえてきてまるで恋人同士の朝のよう。一体、誰なんだ。
「……なまえ…、起きてるのかい…?」
ビクッ、反射的に体が跳ねた。
まさか、まさか…この声は…!少しいつもよりも掠れて色っぽい雰囲気を漂わせているこの声は…!女性社員の憧れの的、花京院典明先輩のものではなかろうか…!?
「は、はい……少し前に…。…んッ!」
喉が痛い。掠れている。それに今喉に力を入れて気づいたが、体もめちゃめちゃ痛い。それが何を意味するかなんて、考えなくても分かる。これ、最後までやっちゃってるやつだ!
「大丈夫かい?…はい、水。ゆっくり飲んで。」
一瞬離れる温もり。その隙に入ってきた空気はやっぱり刺すように冷たくて、服を着ていない現実を突きつけられた。
そして後ろから差し出されたペットボトルを受け取るのに、背を向けたままでいるわけにはいかない。もう覚悟を決めて、現実を受け入れなければ…!!
「今日は寒いな…。今、暖房をつけるから。」
痛む身体を無理やり起こして恐る恐る振り返ると、部屋の中を歩き回る花京院先輩。…やっぱりだ。個人的には嬉しいような、申し訳ないような。
「本当に寒い。僕ももう一度、布団に入れてくれ。」
「わ…!」
バサッと音を立てて、冷たい空気を布団の中に取り込んで、花京院さんがお布団へと戻ってきた。どうしよう。昨日の記憶がないなんて、とてもじゃないが言い出せない。下着は履いていたとはいえ花京院さんも上半身は裸だったし、どこをどう見ても現実を突きつけられて、もう、終わった。
「…なまえ。」
「は、はい…!」
まっすぐこちらを見つめる、花京院さんの瞳。一線を越えてしまったとはいえ、昨日の記憶がない私にしてみれば花京院さんは変わらず私の職場の先輩なわけで…距離感を測り兼ねる。
「もしかしてなんだが…昨日の記憶がないなんて事はないよな?」
「えっ、いや、そんな事は…!」
咄嗟に口から出たのは否定の言葉で。尚もまっすぐな視線を見つめ返すことなんてできなくて、結局「すみません…最後の方は、覚えてないです……」と意味もなくまた嘘を重ねた。ただでさえ整った顔が、すぐ目の前にあるのが悪い。
「へぇ…そうかい。まぁありえない話でもないし、信じるよ。」
"ありえない話でもない"って、あぁ…うーん。そんなに激しかったのかと頭が痛くなってきた。元々花京院さんは大人の余裕がある人だと思ってたけど、こんな事になっても冷静でいられるなんて、少し意外かもしれない。私はもう起きてからずっと、混乱しているというのに。
「あの、えぇと、花京院さん?」
「なんだい?」
「えと…、その、…今回の事は、お互い忘れましょう。」
「……なぜ?」
「なぜ、って……。また職場で会うのに、気まずいじゃないですか。」
「…君……。」
ス、と僅かに細められた瞳。少し険しいその顔に思わず身構えたがそんなものはこれっぽっちも意味を成さず、ガシッという効果音がつきそうな勢いで腕を掴まれた。そして目の前に迫る不機嫌そうな花京院さんは「君、やっぱり昨日の事覚えてないだろ」と一言。確信めいた言い方に、眉間に寄った皺を見てしまっては、言い訳も何もあったもんじゃない。
「君は覚えてなくても、僕は覚えてる。…君の身体も、もしかしたら覚えてるかもしれないな?」
「ひゃ、…!」
強い力で布団に押し付けられて、視界に移るのは花京院さんと、天井だけになった。おまけにぬる、と花京院さんの舌が肩を滑って、変な声が出た。
「か、花京院さん…!」
「…昨日は、僕を必要としてくれただろ?起きたらやっぱり要らないなんて、君は案外、酷い奴だな。」
「…ご、ごめんなさい…。」
「昨日みたいに、泣きながら、僕を必要としてくれ。」
泣きながら?私は、昨日泣いただろうか?覚えてない。思い出せない。だけど重なった唇や、口の中を動き回る花京院さんの長い舌はなんとなくだが覚えがある…ような気がする。変な感じがする。頬や首に花京院さんの髪の毛が当たって擽ったくて…気持ちいい。
「っはぁ…、花京院、さ……。」
「ん…、かわいい……。」
「あっ…、待っ…!」
「キスだけで、もう濡れてるね…。やっぱり、身体は僕を覚えてるだろう?」
こんなの、おかしい。割れ目を優しく撫でられただけなのに勝手に声が漏れるし、身体も反応してしまう。私に触れる花京院さんの手つきも、声も、表情も、全部が優しくて気持ちよくて、何が何だか分からなくて、怖い。
「花京院さん…ッ、…こわい…こわい、です…!」
「うん…。でも、気持ちいいだろう?大丈夫。すぐに怖さなんて忘れるよ。」
「んんっ…!」
また蕩けるようなキスをしながら、秘部を細くて長い指で弄られて。この快感を昨日も受けたのは、花京院さんが言うように本当に身体が覚えているみたいだ。
「ん、…っ、んん…!ッは…、や、花京院さん、待って…!」
「ふふ…待たないよ。君がイクとこ、見せて。」
「や、あっ…!やだやだ…っ、あ…!!」
花京院さんに見られながら、ビクビクと身体を痙攣させてイッてしまって、羞恥から顔に熱が集まるのが分かった。やだ、もう普通に仕事で顔を合わせるなんて、できない…!ふるふると震える手で顔を隠そうとしたが、それすらも腕を取られて叶わなかった。
「や…、やだ…。見ないでください…。」
「ダメだ。こんなにかわいいんだから、僕にもっと、よく見せてくれ…。…うん、君の泣き顔、かわいいね…。」
「やめ、…やめてください…!」
「違うだろう?君が泣いてるのは、気持ちいいからだ。気持ちよすぎて怖いのだと、昨日自分で言ってただろう?」
そんな、事…、覚えてない。だけど嫌だという言葉は出てくるのに、花京院さんを押し退ける腕には力がない。
「大丈夫。本当に嫌だったら噛み付いたっていい。…と言っても、昨日の君は結局受け入れていたけどな。…ほら、おいで。」
どうしたらいいのか、私には分からない。だけど花京院さんの優しい顔を見て、優しい声を聞いて、身体は完全に言う事を聞かなくなってしまった。昨日受け入れた私の知らない快感を、身体はどうしても、忘れられずにいるらしい。
「君は僕に、溺れてしまえばいい。」
眩しい朝日が私の身体を目覚めさせようと瞼に突き刺さる。それにもしかしたら今朝は雪が降ったのかもしれないという程の、空気の冷たさ。だというのに珍しく布団は肩まで掛かっているし、なんだか温かい。そう、主に背中側が。
そうと分かればその温かさの方へ身体を寄せると、温かい何かに当たって、それに、なんだか重い。…えっ?……いやいやまさか、そんなわけ。
もう少しこの気持ちよさに身を委ねていたかったが、そんな事をしても何も変わらない、という事は分かる。それに嫌な予感がいっぱいで、眠気なんて一瞬で醒めた。恐る恐る瞼を開けると誰かの腕が私の下にあって、あぁ、やっぱりな、と現実を目の当たりにし、絶望した。
この腕は、誰の腕だろうか…。20代も後半に差しかかろうというところで情けないが、記憶が飛んでいる。昨日は部署の飲み会があったはずだが、まさか同じ会社の人と…!?いや、知らない人だった方が気まずすぎるか。うーん、どっちもどっち。比較的一番マシなのはつい先日別れたばかりの元彼だが、その線はもうない。だって元彼は、こんなに男らしい、逞しい腕なんかじゃなかった。
その場で動けずに目覚めた時のまま固まっていると、とうとう背後の誰かが動き出して両腕で抱きしめられた。首元でスゥ…フゥ…、という吐息が聞こえてきてまるで恋人同士の朝のよう。一体、誰なんだ。
「……なまえ…、起きてるのかい…?」
ビクッ、反射的に体が跳ねた。
まさか、まさか…この声は…!少しいつもよりも掠れて色っぽい雰囲気を漂わせているこの声は…!女性社員の憧れの的、花京院典明先輩のものではなかろうか…!?
「は、はい……少し前に…。…んッ!」
喉が痛い。掠れている。それに今喉に力を入れて気づいたが、体もめちゃめちゃ痛い。それが何を意味するかなんて、考えなくても分かる。これ、最後までやっちゃってるやつだ!
「大丈夫かい?…はい、水。ゆっくり飲んで。」
一瞬離れる温もり。その隙に入ってきた空気はやっぱり刺すように冷たくて、服を着ていない現実を突きつけられた。
そして後ろから差し出されたペットボトルを受け取るのに、背を向けたままでいるわけにはいかない。もう覚悟を決めて、現実を受け入れなければ…!!
「今日は寒いな…。今、暖房をつけるから。」
痛む身体を無理やり起こして恐る恐る振り返ると、部屋の中を歩き回る花京院先輩。…やっぱりだ。個人的には嬉しいような、申し訳ないような。
「本当に寒い。僕ももう一度、布団に入れてくれ。」
「わ…!」
バサッと音を立てて、冷たい空気を布団の中に取り込んで、花京院さんがお布団へと戻ってきた。どうしよう。昨日の記憶がないなんて、とてもじゃないが言い出せない。下着は履いていたとはいえ花京院さんも上半身は裸だったし、どこをどう見ても現実を突きつけられて、もう、終わった。
「…なまえ。」
「は、はい…!」
まっすぐこちらを見つめる、花京院さんの瞳。一線を越えてしまったとはいえ、昨日の記憶がない私にしてみれば花京院さんは変わらず私の職場の先輩なわけで…距離感を測り兼ねる。
「もしかしてなんだが…昨日の記憶がないなんて事はないよな?」
「えっ、いや、そんな事は…!」
咄嗟に口から出たのは否定の言葉で。尚もまっすぐな視線を見つめ返すことなんてできなくて、結局「すみません…最後の方は、覚えてないです……」と意味もなくまた嘘を重ねた。ただでさえ整った顔が、すぐ目の前にあるのが悪い。
「へぇ…そうかい。まぁありえない話でもないし、信じるよ。」
"ありえない話でもない"って、あぁ…うーん。そんなに激しかったのかと頭が痛くなってきた。元々花京院さんは大人の余裕がある人だと思ってたけど、こんな事になっても冷静でいられるなんて、少し意外かもしれない。私はもう起きてからずっと、混乱しているというのに。
「あの、えぇと、花京院さん?」
「なんだい?」
「えと…、その、…今回の事は、お互い忘れましょう。」
「……なぜ?」
「なぜ、って……。また職場で会うのに、気まずいじゃないですか。」
「…君……。」
ス、と僅かに細められた瞳。少し険しいその顔に思わず身構えたがそんなものはこれっぽっちも意味を成さず、ガシッという効果音がつきそうな勢いで腕を掴まれた。そして目の前に迫る不機嫌そうな花京院さんは「君、やっぱり昨日の事覚えてないだろ」と一言。確信めいた言い方に、眉間に寄った皺を見てしまっては、言い訳も何もあったもんじゃない。
「君は覚えてなくても、僕は覚えてる。…君の身体も、もしかしたら覚えてるかもしれないな?」
「ひゃ、…!」
強い力で布団に押し付けられて、視界に移るのは花京院さんと、天井だけになった。おまけにぬる、と花京院さんの舌が肩を滑って、変な声が出た。
「か、花京院さん…!」
「…昨日は、僕を必要としてくれただろ?起きたらやっぱり要らないなんて、君は案外、酷い奴だな。」
「…ご、ごめんなさい…。」
「昨日みたいに、泣きながら、僕を必要としてくれ。」
泣きながら?私は、昨日泣いただろうか?覚えてない。思い出せない。だけど重なった唇や、口の中を動き回る花京院さんの長い舌はなんとなくだが覚えがある…ような気がする。変な感じがする。頬や首に花京院さんの髪の毛が当たって擽ったくて…気持ちいい。
「っはぁ…、花京院、さ……。」
「ん…、かわいい……。」
「あっ…、待っ…!」
「キスだけで、もう濡れてるね…。やっぱり、身体は僕を覚えてるだろう?」
こんなの、おかしい。割れ目を優しく撫でられただけなのに勝手に声が漏れるし、身体も反応してしまう。私に触れる花京院さんの手つきも、声も、表情も、全部が優しくて気持ちよくて、何が何だか分からなくて、怖い。
「花京院さん…ッ、…こわい…こわい、です…!」
「うん…。でも、気持ちいいだろう?大丈夫。すぐに怖さなんて忘れるよ。」
「んんっ…!」
また蕩けるようなキスをしながら、秘部を細くて長い指で弄られて。この快感を昨日も受けたのは、花京院さんが言うように本当に身体が覚えているみたいだ。
「ん、…っ、んん…!ッは…、や、花京院さん、待って…!」
「ふふ…待たないよ。君がイクとこ、見せて。」
「や、あっ…!やだやだ…っ、あ…!!」
花京院さんに見られながら、ビクビクと身体を痙攣させてイッてしまって、羞恥から顔に熱が集まるのが分かった。やだ、もう普通に仕事で顔を合わせるなんて、できない…!ふるふると震える手で顔を隠そうとしたが、それすらも腕を取られて叶わなかった。
「や…、やだ…。見ないでください…。」
「ダメだ。こんなにかわいいんだから、僕にもっと、よく見せてくれ…。…うん、君の泣き顔、かわいいね…。」
「やめ、…やめてください…!」
「違うだろう?君が泣いてるのは、気持ちいいからだ。気持ちよすぎて怖いのだと、昨日自分で言ってただろう?」
そんな、事…、覚えてない。だけど嫌だという言葉は出てくるのに、花京院さんを押し退ける腕には力がない。
「大丈夫。本当に嫌だったら噛み付いたっていい。…と言っても、昨日の君は結局受け入れていたけどな。…ほら、おいで。」
どうしたらいいのか、私には分からない。だけど花京院さんの優しい顔を見て、優しい声を聞いて、身体は完全に言う事を聞かなくなってしまった。昨日受け入れた私の知らない快感を、身体はどうしても、忘れられずにいるらしい。
「君は僕に、溺れてしまえばいい。」