1周年記念
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「なまえちゃん、明日デートしよ。」
「うん、いいよ〜。」
「よっしゃ!なぁ、明日は俺の選んだ服着てくれねぇ?」
「えー、ヤダ。仗助の選ぶ服、私の好みじゃないんだもん。」
「ガビーン!」
東方仗助。私の彼氏。可愛い私とはタイプの違ういわゆるオラついた感じのイケメンだけど、反応がいちいち可愛い。犬みたい。私はそれが可愛くて可愛くて、もう本当に大好き。たまにこうして、私の着る服に口を出すところを除いては、だけど。
「あっ、露伴先生!」
「ゲッ、露伴!」
こういう時に効くのは、やっぱり露伴先生で。ちょうどカフェ・ドゥ・マゴの傍を通りかかったところを呼び止める。
「なんだ、君達はここ以外行く所がないのか」と文句を言いながらもこちらに歩み寄ってくる露伴先生も、何気に素直じゃないところが可愛い。推せる。
「そんな事よりせんせー。仗助がまた私の服に文句を言ってくるんです。」
「はぁ!?文句は言ってねーって!たまには違う服も着ねーかなって思ってだな。」
「はぁ…、この話、そろそろ聞き飽きたんだが?他はないのか、他は。」
「そうじゃなくて。何回言っても諦めないんですよ、仗助は。」
そう、仗助が私にいつもと違う系統の服を勧めてくるのは、なにもこれが初めてじゃない。私には私の理想があるのに。
「しつこい男は嫌われるぜ、仗助。」
「うるせーなァ!ニヤニヤすんな!」
「仗助。私はこの格好が好きで、自分では一番可愛いと思ってるんだけど…変、かな…?」
テーブルに肘をついて、両手で頬杖をついて、眉を下げて首を傾けて。こうすると仗助は絶対に慌てふためいて「可愛いに決まってんだろ!」と言ってくれる。そう、それでいいのに。
「そう。私はこれが可愛いの。こういう私が、一番好き。好きだから、いいでしょ?」
「…うぅ…。本当…可愛いんだよなぁ…。」
「はぁ、アホらし。付き合ってられん。じゃあな。」
「ありがとー露伴先生〜!」
可愛いは正義!だからね。
「うわ、めっちゃイケメン…。隣の子、彼女…?やば。」
聞こえてるよ、そこの君ら。
約束のデートはもちろん、バッチリ髪の毛を巻いて、一番お気に入りのワンピースにお気に入りのアクセサリーを着けて、卸したてのパンプスを履いて、気合十分。最近で一番可愛い。
「やば」って言葉はきっと、あまりに可愛すぎて「やばいくらい可愛い」って意味として捉えておくから。
「なまえちゃん、なんか飲む?あそこの空いてる席座ろーぜ。」
「ありがと。」
私が新しい靴を履いてきた時はいつもこう。足が痛くなる前に座れるようにこまめに休憩を挟んでくれて、その気遣いが嬉しい。意外とスマートなのが、可愛くないけど。
「いやぁ…俺、彼女を待たせてるんで。」
困ったような仗助の声が聞こえてスマホから視線を上げると、ちょうど仗助がナンパされているところで。これももう、見慣れた光景だけど。
仕方なく席を立ちつかつかと歩み寄ると仗助含むみんなの視線がこちらに集まってきて、ちょうど良かったと口を開いた。
「人の彼氏にちょっかい出してんじゃねーぞ、ブス。」
「ちょっ、なまえちゃん!」
「だって、私の方が可愛いし。事実でしょ。」
「それはそーだけどよ。」
「はぁ!?」
「やべっ。」
この状況で墓穴を掘るなんて、仗助本当に可愛い。思わず笑いが込み上げてくる。
「そりゃ仗助は確かにイケメンだもんね。それに強くて優しくて可愛くて、みんな欲しくなっちゃうよね。」
「はは…、そこまで褒められると、さすがにちっと照れるかも。」
「でもね、仗助は私が可愛くて可愛くて仕方ないの。どうしても仗助が欲しかったら、私よりも可愛くなって出直してきてね、ブス。」
「可愛くてごめんねぇ。」
語尾にハートも忘れずに。
「なまえちゃん…ちょーっとお口が悪いっスよ。」
「可愛いから許されるでしょ?」
「はぁ〜……うん、俺は許す。」
「おねぇさん、おねぇさん。」
「うん?」
スカートの裾をツンツンと控えめに引っ張る力。見ると幼稚園児くらいの女の子で、何やら小声で、私に何かを伝えようとしているようだった。
「なぁに?」としゃがんで目線を合わせると私に倣って仗助も隣にしゃがみこんで、女の子の次の言葉を待った。
「おねぇさんは、もしかしてプ○キュアなの?可愛い服を着てるし、いま、悪いやつをやっつけてたよね?」
「…あぁ、なるほどね?」
純粋だ。純粋で、とても可愛い。よく見たら女の子の服はプ○キュアが描かれているし、プ○キュアの事が大好きなのかもしれない。
「そうだよ。…ナイショだよ。しー。」
「やっぱり…!がんばってね!!」
少し遅れてやってきた、女の子の母親らしき人がすみません、と謝罪をしつつ、女の子を連れていく。その子の口からは大きな声で「ナイショ!」と聞こえてきたので、秘密は守られそうだ。
「なまえちゃんの気が強いとこ、俺、好きだよ。」
「あと、可愛いところもね。」
可愛いは、鎧で、武器だ。
自分の味方は自分でありたい
一番大切にしてあげたい
理不尽な我慢はさせたくない
"それが私"
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可愛くてごめん -HoneyWorks