1部 DIOとの出会いから出立まで
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あの後着替え終わった頃に、承太郎は私のパジャマを洗濯機に放り込んで戻ってきた。
改めてお水をもらい飲み干すと再度「大丈夫か?」と聞いてきたので「とりあえず大丈夫。」と不安の残る答え方をしてしまった。
最低な夢だったし承太郎にも話したかったが、DIOの事をまだ話していないのだ。
今回の夢の話をするとなるとエジプトでの出来事を全て話さなくてはいけない。
その話を始めるときっと、恐らく、絶対に、朝になってしまうのだ。
私と違って承太郎は普通に学校に行っている。
話すと長くなると言うと朝までコースでも構わないとこの男は言うだろう。
そしてそのまま学校に行くだろう事は安易に予想できる。承太郎はこう見えてものすごく優しいし、ものすごく真面目なのだ。
私がそれを予想して「とりあえず大丈夫。」と言ったのを、承太郎も分かっているだろう。
その証拠に、数秒私を見つめたあとため息混じりに「…そうか。」と視線を逸らした。
「眠れそうか?」
布団を直している間に、承太郎が聞いてきた。
心なしか目が優しい。承太郎も眠いのだろう。
「うん。落ち着いたらまた眠くなってきた。」
ちょっと気をつかってそう答えると、承太郎は布団の横へ移動してきた。
「?」
そのまま去っていくと思っていたので承太郎を見つめた。自分も眠いだろうに、部屋に戻らないのだろうか?
「テメーが寝るまで見張っておく。また魘されたらまたテメーを起こしに来なきゃなんねえからな。」
自分で言ってて照れくさくなったのか、途中で視線を外した。本当に優しいヤツ。
「ありがとう。」
もう夢で感じた酷い感情はなくなり、今は逆にじんわりとした温かさを胸に感じている。
家族以外に、私を心配してくれている人がいる。
いや、聖子さんと承太郎は、既に私の家族なのかもしれない。
2人の心が真っ直ぐで温かいから、私は安心してここに帰って来られる、安心してここで眠れるのだと再確認できた。
ここにいるぞと主張するように、承太郎の手はしばらくなまえの手を握っていた。
DIOなんかより、承太郎の方が優しいんだから。私の心の不安を、いつも温かく溶かしてくれるんだ。私の心の拠り所はDIOなんかじゃない。空条家の、聖子さん、承太郎なんだから。もう私の夢に、心に、入り込もうとするな!
やがてなまえの寝息を確認した承太郎は、ゆっくりと立ち上がり部屋を後にしたのであった。