3部 インドからエジプト上陸まで
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次の日起きると、アブドゥルさんが1人でポルナレフを探しに行ってしまった、と大騒ぎになっていた。
同室の花京院くんは「なまえさんは食事をしてから合流して。」と言い先に出ていってしまった。私の足にはハイエロファントの触手が巻き付いている。
こんな時に…!と、私は私の体質を恨んだ。
朝食をかき込んで急いで外へ出て、花京院くんを探して走る。
もう、意外と遠くまで行ってしまっている。
やっと姿を捉えた時、花京院くんの姿よりも倒れているアブドゥルさんに意識を持っていかれた。
なんだ、この状況は。
「アブドゥルさん!」
駆け寄って脈を確認すると、弱っているがまだ生きている。
「おや〜?もしかして、お前がなまえか?確かに、こりゃべっぴんさんだなァ。」
呑気な声が聞こえてくるが、構っている暇はない。
私はハンカチを取り出して、一先ずアブドゥルさんの額の傷を止血した。
花京院くんは一旦退くことを提案しているが、ポルナレフは自分の仇を前に、葛藤しているようだった。
とりあえず、ここでは人目に付いてしまう。と、アブドゥルさんの上半身を起こして少し後悔した。
この血の量…額の傷な訳が無いとは思っていたが、致命傷は背中だったか…!
だが仕方がない。そのままアブドゥルさんを抱き上げ、(さすがにだいぶ気合いがいった。)脇道へと連れていくと、タイミング良くジョセフさんと承太郎がやってきた所だった。
「ちょうどよかった!アブドゥルさん、背中に大怪我が…」と現状私が知っていることを伝えていると、突然、足をものすごい力で引っ張られた。
「えっ!?ハイエロファント!!?」
一瞬敵に掴まれたかと焦ったが、見るとハイエロファントの触手だった。
そういえば、朝分かれた時に足に巻きついていたのだったと思い出す。
ハイエロファントだと分かると、なんだ花京院か、という風に、承太郎はもう気にしていないようだ。
ハイエロファントに引っ張られて行くと、なぜかトラックの荷台に降ろされた。運転しているのは、花京院くんだった。
「なまえさん、ごめん。突然引っ張ってしまって。」
開いた窓から花京院くんの声が聞こえてきた。
「大丈夫!アブドゥルさんは承太郎に任せてきたよ。ちょうど通りがかって…。」というと「承太郎がいたのかい!?承太郎がいるなら、なまえさんを置いてくれば良かった…。」と後悔しているようだ。
「それで、敵は?」
私はまだ、敵の能力を知らないのでそう尋ねた。
J・ガイルの説明をするポルナレフは先ほどはなかった傷が増えていて少し驚いたが、なるほど。結構厄介な敵のようだ。
「ッ!なまえさん!」
突然、花京院くんが私の名前を呼んだかと思うと、私は荷台から吹き飛ばされた。いや、またハイエロファントが私を掴んで、トラックから遠くへと移動させられたのだ。
直後、トラックはブレーキ音を響かせて横転した。
「花京院くん!ポルナレフ!」
受け身を取り、すぐに走り出す。車から這い出てきた2人を確認したが、なんとか無事なようだ。
とりあえず、3人で岩陰へと隠れた。
「花京院くん、無茶しないで。」
咄嗟に避難させてくれたのはありがたいが、花京院くん自身が怪我をしてしまっている。私はそれが情けなく感じてしまった。花京院くんの胸に手を置いて、無茶しないで、とお願いするが…花京院くんは申し訳なさそうに笑っている。
「ごめんなまえさん。でも、なまえさんが怪我をしてしまったら、僕はきっと、自分を許せない。今のは咄嗟に体が動いたんだけど…多分、また同じ状況になったら同じ事をすると思う。」
そう言いながら、胸に置かれた私の手を取った。
こういう人なのだ。こういう男なのだ。花京院典明という男は。
何を言っても無駄なのだと分かり、思わずため息が出る。
「おい。この状況で2人の世界に入るのはやめてくれねーか?」
ポルナレフの一言で現実に引き戻され、どちらともなく手を離した。
そうだ、とにかく今は、J・ガイルをなんとかしなくては。
「それなんだけど…。私のスタンドで、掴めるんじゃないかな?」
そう言うと、花京院くんはハッとした表情を見せた。
「なるほど、確かに。タイミングさえ分かれば…。」
と花京院くんは顎に指を当てて思案している。
ポルナレフはどういう事かと首を傾げているので、ザックリとだが私のスタンドの説明をしてあげると、どういう事か少し分かったようだった。
「ねーねー、大丈夫ー?」
この場に似合わない子供の声に、一斉に視線を向ける。恐らく、これはマズイ!
視界の端で、車のバンパーが光ったのが見えた。
光の速さで、移動している…!!
そして今、この子供の、瞳の中に…!
子供と向き合うポルナレフ。まだ、いい案が浮かばないが…一か八か、掴んでみるか?と思っているとポルナレフが子供に向かって砂をかけた。なるほど、強制的に自分の瞳に…。
そして、移動するスタンドを、「切った!!」
遠くの方から悲鳴が上がった。
「あっちだ!」
ポルナレフが一足先に走り出したのを見、私達も後へと続いた。
仕組みが分かれば、あとは考えて、対抗するだけだ!