3部 インドからエジプト上陸まで
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すごい。それしか言葉が出てこない。
これが、活気というものか。
駅を出ると、ものすごい量の人に囲まれた。
前を見ても横を見ても、後ろを見ても人。
人、人、人。
うっかりしているとはぐれてしまいそうな人の波に、私は承太郎と花京院くんを両腕で引き寄せた。
一方的に、だが、ガッチリと2人の腕を組んで離さない。
「おい。歩きにくい。」と承太郎が眉間に皺を寄せるが「酷い!かわいいなまえちゃんが人波に流されてはぐれちゃっていいの!?」と喚いたらため息をついて黙った。そのため息はなにに対するため息なのか問いたい。
花京院くんはというと、少しだけ驚いたようだが今は優しく手を添えてくれている。この2人の差よ…!!
「と、とりあえずレストランへ行こう!」
ジョセフさんの提案に、私は何度も頷く。
せっかく異国の地に来ているので、各国の料理を沢山食べたい。この旅での食事は、私の中でかなり大事なメンタルケアに繋がっているのだ。
「はぁ、落ち着く〜。」
近くのレストランに入り、とりあえずチャイティーを飲み下す。先程はあまりの活気に気圧されたが、案外いい国だ。
ポルナレフが御手洗に行くと席を立ち上がる。
先に食事を始めていて良いというので私達はその言葉通り、インドでの食事を楽しんだ。
「スタンド!」
そう言って戻ってきたポルナレフが、店内を見渡したのち、店を飛び出して行った。何かあったのかと立ち上がろうとしたが、「なまえさん、僕らが見てくるから。食事を続けて。」と花京院くんに言われたのでありがたく再度腰を降ろした。
突如1人にされて驚くほどのスピードで、驚くほどの量を食べる女を見る周りの目がちょっと痛いが、ポルナレフが先程「スタンド」と口にしたのだ。このまま戦闘になるかもしれないので、食べられる時に食べておかなくては。
そう思って食事を続けていたが、重々しい空気を携えて、みんなが戻ってきた。あれ?戦闘は起こらなかったのだろうか?それに、
「ポルナレフは?」
みんな帰ってきたのに、ポルナレフがいない。どういう事か。
「ポルナレフは1人で行っちまった。」と、承太郎はそれだけ言って食事に戻った。みんなも無言で食事を始めたので、それ以上聞くのははばかられた。
私もみんなに倣って、意識を食事に集中した。
花京院くんに事情を聞くと、ポルナレフが探していた両腕とも右手の男が現れたらしく、彼は1人で行ってしまったらしい。
「そう…。」
ポルナレフは元々、1人で行動するタイプだ。
例の男の事も、自分1人で倒したいのだろうが。
さすがに、心配である。
「明日、みんなで探しに行こう。」
いつもポルナレフに冷たい態度をとっているが、花京院くんも心配なのだろう。私は彼の言葉に「そうだね。」と返した。
彼は、夜になっても戻っては来なかった。