2部 出国からインド上陸まで
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「花京院くん。ありがとう。助かったよ、本当に。」
私達は今、ボートに揺られている。
溺れないよう花京院くんに助けてもらいながらボートまで行き、先にボートに乗っていた承太郎に引き上げてもらおうと手を引っ張ってもらうと、承太郎は「重い。」と眉を潜めた。
「はぁ?普通それ言う?」と胸倉を掴んで、あわや乱闘騒ぎになるかと思われたが「承太郎、君…デリカシーというものを身につけた方がいい。」と花京院くんがため息をついているのを見て喧嘩する気が失せた。
先ほど飛行機が落ちたばかりでここは海上、ボートの上。
周りのみんなに迷惑をかけるのは申し訳ないし、「なまえさん、どうぞ。」と花京院くんがハンカチを敷いてくれていたので、大人しく従うことにした。
「承太郎。後で覚えててよ。」と宣言すると、承太郎は帽子の鍔を引き下げて視線を逸らした。絶対、後で一発殴ってやる!
あの後直ぐに救助のヘリコプターが来て、我々は香港への上陸を余儀なくされた。念の為に病院で診察を受けたが、みな特に大きな怪我はなく1時間ほどで帰された。病院を出る時に、承太郎にしっかり一発お見舞いして「次言ったら、これじゃ済まないからね。」と言ったら苦い顔を浮かべていた。承太郎のこんな顔を見れるのは珍しいので私は満足した。
「なまえさんも、お腹が空いてるだろう?」と聞いてきた花京院くん達は、お粥の話をしているようだ。そう言われてみればお腹がすいている事に気づいた。飛行機で途中で起こされているし、疲れている。
「何か食べたい…けど。」お粥で私のこの空腹が満たされるだろうか?否、無理な話だ。
彼らも私の歯切れの悪さに事情を察していると、電話をしていたジョセフさんが戻ってきて、これからレストランへ行くと言う。助かった!ここから近いのだというそのレストランへ、私達は(主に私が、だが。)フラフラになりながらも足を進めたのだった。