2部 出国からインド上陸まで
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「なまえ。」
承太郎の声に呼ばれて目を覚ます。なぜ起こされたのか。寝ぼけ眼で承太郎を見ると「スタンドだ。クワガタムシの。」
承太郎が前方を見据えて言った。クワガタのスタンドだって?と首を少し伸ばして前を見ると、本当だ。超デカいけど、クワガタが飛んでいる。きもい。
「なまえさん、こっちへ。危ないから、体制を低くしているんだ。」
逆隣の花京院くんが私の手を引いて窓側の席へ誘導してくれた。戦うな、という事か。
「なまえさん。相手の能力が分かるまで動くんじゃあない。君の力が必要になったらお願いする。分かったね?」
花京院くんが、私の肩に手を置く。説得が上手だ。そう言われては無理に戦闘に参加する気は起きない。
「はい。」素直に頷き、座席の前にしゃがみ込むと、それを確認した彼は「やっぱりいい子だね。」と状況に似つかわしくない笑みを浮かべた。
対して承太郎は「花京院の言うことなら素直に聞くのか。」と残念なものを見るような目をしている。
失礼なやつ。女の子を見る目じゃない。
敵のクワガタのスタンドは、承太郎のスタープラチナでも捉えられないスピードを持ち、尚且つ乗客の中にスタンド使いがおり、挙句の果てにはこのスタンド使いは飛行機事故に見せかけて今まで多くの乗客を殺害してきたのだとアブドゥルさんは言う。
飛行機事故に見せかけて、だと?
最悪の場合、この飛行機も落ちるということになる。
最悪の事態を想像し、悪寒がした。待って、私、泳げない…!
マジシャンズレッドとスタープラチナも飛行機での戦闘には向いていないという事で花京院くんが単身で戦うというが、大丈夫だろうか。
「エメラルドスプラッシュ!」とハイエロファントグリーンが技を繰り出すが、何度やっても1発も当たらない。ついには花京院くんは、タワーオブグレーの攻撃を受けて倒れてしまった。
心配で思わず立ち上がるが、すぐさま「動くな!」と制止する声がかかる。視線が交差する。
何か作戦があって、しかも勝算があるのかも……。
私は彼を信じ、もう一度座席の角で姿勢を低くした。
その後は一瞬だった。ハイエロファントのエメラルドスプラッシュを囮にして、触脚でトドメを刺したのだ。
なるほど。花京院くんのハイエロファントはパワー型ではないけれど、それを頭脳でカバーしているのだ。かなり頭が良いのだろう。
本体が倒れたことを確認して、私は立ち上がり、彼の側に駆け寄った。
「お疲れ様。」
そう言って今度は自分のハンカチを出し、血が出ている彼の額に当てた。
「なまえさん!ハンカチが汚れる。」
そう言いながら私の腕を掴むが、もう遅い。
それに、「ハンカチって、汚れるものじゃないの?」と言うと、観念したように手を離した。