1部 DIOとの出会いから出立まで
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昨日の不可解な、不思議な現象は、あのエジプトでの夜のようにまるで夢を見ていたかのように実に現実味のない出来事だった。
(でも……。)
ここ最近私の周りで不可解なことが立て続けに起きている。それもエジプトの一件から立て続けに、だ。
DIOと対峙していた時間も夢のようであったが、贈られた矢は確かに私の元へあったのだし、それのせいで傷を負い、倒れ、さらに矢がなくなるという不可解な事が起こっているのだ。
この一連の出来事はDIOが起点となって起こっている。
私の身に何が起こっているのはさっぱり分からないが、これらの事柄は全て繋がっている。それだけは分かる。
もう、承太郎に全て話そう。
何を言ってるのか分からないとは思うが、承太郎ならきっと信じてくれるだろう。
そう思って覚悟を決めていたのに、昨日は承太郎が家に帰ってこなかった。
昨日の夜はさすがの聖子さんも承太郎を心配し、不安そうな表情を浮かべていた。
何時になっても帰ってこない承太郎を心配して、夜通し聖子さんは玄関で待っていた。
朝方、私が起きても相変わらず玄関にいたので、驚いて「あとは私が変わります!帰ってきたら起こしますから寝てて下さい!!」と半ば無理やり寝室へ連れて行き寝かせたのだ。
それから5時間。未だに承太郎は帰ってきていない。
時計を見るともう昼の12時を過ぎている。
そろそろ聖子さんは起きてくるだろうか。お昼ご飯を準備しなくては、と立ち上がった時、空条家の電話が鳴り響いた。
大きい音で聖子さんを起こしてしまう、と思い咄嗟に走って電話を取ってしまった。
居候とはいえ人のうちの電話を取ってしまった。一瞬迷ったがもしかしたら承太郎からの電話かもしれない、と考え、意を決して口を開いた。
「は、はい。空条です。」
人様の名前を名乗る罪悪感で、少し心臓がドキドキと音を立てる。
若干緊張して向こうの言葉を待っていると、電話の向こうから現実に引き戻すような言葉が発された。
「もしもし。○○警察署の者ですが。」
「えっ?」
警察署、と言ったか?今。承太郎が喧嘩でもしたのだろうか?と思ったが、どうやらそういう訳ではないらしい。
空条家の電話に出た女性という事で私を承太郎の母だと思ったのだろう。警察の人はそのまま話を続けていった。
「承太郎が拘置所に!?どういう…い、いや。と、とにかくすぐ行きます!15分後には着きますから!!」
私が話を聞いても聖子さんに正しく伝えられる自信がない。とりあえず聖子さんを起こして直ぐに出発しなくては…!