キスユー




「夢おはよ」

部屋へやってくると悠仁は夢を抱きしめて頬と唇にキスを贈る

「今日も好き」

私も、と答えいつもの台詞を交すと朝食を共にする






昼、ちょっとした瞬間教室で二人っきりになったとき

目線が合うと悠仁が椅子を近くまで動かして

夢の頬に手を添えるとそっと唇を重ねる

「…すき」

まだ鼻がぶつかりそうな距離でそう言うとお互い微笑む






任務から帰ると誰よりも早く校内に入っていく
廊下を歩く夢をみつけ後ろから声をかけて抱きしめる

「ただいま夢」

おかえりと言われると誰もいないことを確認して両手を包み込みただいまのキスをする

誰かくるかもよ、と言われる前にもう一度






「夢」

部屋でテレビを見ていると隣に座っているのに手を広げもっと近くへと呼ばれる

それに答えると優しく包み込まれ悠仁が床に横になる

悠仁の上で耳を胸に当てると悠仁の鼓動が聞こえる

「夢、キスして」

顔を上げると悠仁はニコッと笑っている

悠仁の胸板から体を起こし、目をつぶる彼のまぶたにそっとキスをする

「んーそこはハズレ」

次は頬にすると

「おしい、けどハズレー」と言われる

悠仁は目をつぶったまま自分の口に指さすので少し間を置いていつもより長くキスをしてそっと離れる

「正解」そう言われると逆のポジションになり悠仁が上から見下ろしてくる

「夢はどこが正解？」

照れながら自分の唇に指さすと悠仁が顔を近づけて優しく唇を重ねると音を立てて離す

「正解かな？」

黙っていると、もう一回と言ってまた優しいキスが下りてくる

「大正解くるまでやめないよ」




キスユー　―　END