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ランチはいかかが
今日は五条に会わなくて済むと思うと七海の足取りも少し軽くなる。
午後はフリー、家で貯まっていた本をゆっくり読んで…と帰ったらすることを考えていると後ろから声をかけられた。
「七海さんこんにちは」
呼び止められた声の方へ目線を落とすが想像していたより下にその人の顔があった。
「夢さん、こんにちは 虎杖くん達は?」
「悠仁くん達…今日泊まりで任務なんです」
そうかこの子は家入さんのところにいて任務には行ってないのかと七海は思い出した。
「そうでしたか」
こうも歳が離れていると何を話していいかと考える。
「夢さん、お昼は済まされましたか?」
「いいえ、まだ…今から何か食べようかなって思って」
「そうでしたか。私も今から食べに出かけますが…一緒にいかがですか?」
七海の言葉に夢が固まっている。
悠仁なら喜んでついてくるので同じ勢いで声をかけてしまったが、相手が夢だったことに七海が慌てて言い換える。
「失礼、女性に軽々しく声をかけるものではないですね」
「あ、いや、私でいいんですか?ぜひ七海さんとランチしたいです」
夢が優しく微笑むので、七海は悠仁が夢に好意を持つ気持ちが少しわかる気がした。
七海が駐車場まで来ると助手席のドアを開けた。
「七海さん、車なんですね」
「今日は直帰なので…後ろに座りますか?」
「助手席でいいです あ、いや助手席がいいです」
ころころと変わる夢の表情に七海が少し笑顔をみせた。
出発すると夢が外を眺めてぽそっとつぶやいた。
「前悠仁くんがいなかったとき、七海さん怪我してて家入さんのとこきましたよね 私しかいなくて応急処置だけして…覚えてますか?」
「ええ、あの時は助かりました」
「そのとき七海さん、笑顔でお礼言ってくれたって悠仁くんに話したら、悠仁くん、ナナミンが笑うの想像できない!って言ってたんですけど、さっきも七海さん笑顔だったし 悠仁くんの気のせいですよね」
「虎杖くんといても笑う要素があまりないので…夢さんがおかしいとかそう言う意味ではありませんよ」
夢がハンドルを持って少し慌てる七海にくすくすと笑った。
カフェにつくと、店のドアを開けて、夢を先へ通した。
「あ、ありがとうございます ドア押さえててもらったの初めてかも」
「…それは虎杖くんに注意しないといけませんね」
「え!悠仁くんとそんなにご飯行ったことないし…ファミレスとかだと自動ドアなので…あの」
そういうことですか、と七海がいうとまた少し笑顔をみせる。
席に座ると店員がちらちらと七海を見ている。誰がオーダーを聞きに行くかで揉めているようだった。
「夢さん、決まりましたか?」
「うーん、このサンドイッチおいしそうだけど…パスタも捨てがたい…」
「ここのサンドイッチおすすめですよ」
夢がそれで、と答えるので七海が手を上げて店員を呼ぶ。
「ご注文お伺いします」
「このプレート2つとコーヒーを…夢さん飲み物は?」
「紅茶をお願いします」
店員が嬉しそうにキッチンへ戻っていく。
「七海さん、ちょっと質問しても…いいですか?」
この聞き方は悠仁と同じだなと思いながら、どうぞ、と言う。
「七海さん、悠仁くんと一緒に任務行くことありますよね、そういう時って何食べるんですか? 悠仁くん何が好きですか?」
「そうですね 休憩以外でまずこういうカフェには行きませんね 虎杖くん量を欲しがりますから」
夢がうなずきながら運ばれてきた紅茶を口にした。
「必ず食べたいものを聞くとラーメンと言いますけど、そこは我慢してもらって定食屋さんが多いですかね 和食が好きなようです」
やっぱり和食なんだ…と夢は心の中でメモを取る。
「あとは…炭酸類ですかね…和食に炭酸飲料は合うのかわかりませんが」
炭酸…悠仁の部屋の冷蔵庫にコーラが確かにあったことを思い出す。
「夢さんはランチはいつもどうされてるんですか?」
「みんなと別行動なのでめったにないですけど一緒に食べれるときはファミレス行ったり…家入先生とお弁当買ってきて食べたり…でも先生忙しいので、ほとんど自分の部屋で作って一人で食べてます 今日もそのつもりでした」
「自炊されてるんですか」
「はい、朝とお昼はだいたい」
「朝も?」
「朝は悠仁くんと…あ!え!あれです!一緒に食べてるだけです!」
顔が真っ赤になる夢の前にランチプレートが運ばれてきた。
「わ!かわいい…写真撮ってもいいですか?」
スマホで何枚も写真をとるとうれしそうにいただきますを言いサンドイッチを口にする。
「わぁおいしい」
「それはよかったです 先ほどの朝ごはん、虎杖くんと食べてるんですか?」
「うぐっ!……は、はい お互い同じ時間に食べてるので一緒に食べようって悠仁くんが言ってくれてどちらかの部屋で食べてます」
七海はそんなに仲がいいのに、悠仁からいつもくる初々しい質問が嘘のように思えた。
「毎日ですか?」
夢は顔を赤くしたままうなずいた。
「七海さん、内緒にしておいてください…」
「内緒…やましいことがあるわけではないのに内緒にする理由は?」
「野薔薇ちゃ…釘崎さんとかからかってきて、悠仁くんがもう一緒に食べたくないって言われたら寂しいので…」
これは悠仁に気持ちをはっきりするように一度言った方がよさそうだなと七海はサンドイッチを頬張った。
二人はカフェを出ると、夢がごちそうになってよかったんですか?と尋ねる。
「夢さんは学生です 大人の私が払って当たり前です」
「ありがとうございます ごちそうさまです」
車に戻ると夢はまた送り返してもらわなくてはいけないことに気づいた。
「七海さん直帰って言ってたのでごめんなさい、また高専まで送ってもらって…」
「気にしなでください あの坂を夢さん一人で歩かせるわけにもいきません」
「ありがとうございます あの、七海さん、また悠仁くんのことでなにかあったら話きいてくれますか?」
「構いませんよ 私も夢さんと話せて楽しかったです」
「ありがとうございます 七海さん お疲れ様です」
夢が手を振り七海の運転する車を見送った。
おまけ―
任務が終わった野薔薇は宿泊先の旅館で新田とマッサージ機に身をゆだねていた。
「 あぁ~高専にもマッサージ機ほしぃぃ 」
「 ほんとっスね~ 」
ピコンと野薔薇のスマホが鳴る。
「 あ!夢ちゃんだ! 」
マッサージ機を止めて送られてきたメッセージと写真を確認する。
野薔薇ちゃん、お疲れ様!
今度ここのランチ行こう!
今日サンドイッチ食べたんだけど
凄くおいしかったよ
写真においしそうなサンドイッチプレートが映っているが、野薔薇が気になったのは正面に座っているであろう人物の見切れてる手だった。
「新田ちゃん、これどう思う」
新田がマッサージチェアを停止させ、拡大された写真をじっとみる。
「男の手っスね」
「だよね…五条先生だったとしたら無理やり顔突っ込んで写ってくるだろうし…」
誰だ?と二人がスマホの画面をじーっと眺める。
「新田さん、明日って何時チェックアウトでしたっけ?」
野薔薇が驚いて振り向くと浴衣を着た伏黒が立っていた。
「び、びっくりした…伏黒かよ」
「なに見てるんだ?」
野薔薇が夢から送られてきたと写真を見せ、気になる箇所を拡大した。
「男の手だな」
「だよねぇー」
「これ虎杖知らないよな? アイツ今から帰るとか言いかねないぞ」
「え、なんで虎杖さんにバレたらまずいんっス?」
そうか、新田は二人の微妙な関係を知らないのか、と野薔薇が説明する。
「あぁーそれはマズイっスね」
「なにがマズイの?」
悠仁がペタペタと浴衣とスリッパ姿で現れた。
「あ、明日は9時チェックアウトなんでよろしくっス!!」
新田ちゃん逃げた!と野薔薇が恵と顔を合わせる。
後で夢から知るよりいま二人から言った方がいいかと目を合わせる。
「虎杖、ちょっと座れ」
なんだよと言いながら伏黒の隣に座った。
「夢ちゃんからお昼食べた写真が送られてきた」
「お、おう そうなんだ……なに?写真がどうかした?どれ?」
野薔薇が一息置くと写真を見せて、一部拡大する。
「あ、ナナミンじゃん」
ん?
「ここ時間つぶすのにナナミンと行ったと思う あ、そうだよ テーブルがおもしろい形だったから覚えてる 夢ナナミンと昼食ったんだな」
二人は立ち上がり部屋へと戻って行った。
「え!?なに!?それだけ?」
ランチはいかかが ― END
今日は五条に会わなくて済むと思うと七海の足取りも少し軽くなる。
午後はフリー、家で貯まっていた本をゆっくり読んで…と帰ったらすることを考えていると後ろから声をかけられた。
「七海さんこんにちは」
呼び止められた声の方へ目線を落とすが想像していたより下にその人の顔があった。
「夢さん、こんにちは 虎杖くん達は?」
「悠仁くん達…今日泊まりで任務なんです」
そうかこの子は家入さんのところにいて任務には行ってないのかと七海は思い出した。
「そうでしたか」
こうも歳が離れていると何を話していいかと考える。
「夢さん、お昼は済まされましたか?」
「いいえ、まだ…今から何か食べようかなって思って」
「そうでしたか。私も今から食べに出かけますが…一緒にいかがですか?」
七海の言葉に夢が固まっている。
悠仁なら喜んでついてくるので同じ勢いで声をかけてしまったが、相手が夢だったことに七海が慌てて言い換える。
「失礼、女性に軽々しく声をかけるものではないですね」
「あ、いや、私でいいんですか?ぜひ七海さんとランチしたいです」
夢が優しく微笑むので、七海は悠仁が夢に好意を持つ気持ちが少しわかる気がした。
七海が駐車場まで来ると助手席のドアを開けた。
「七海さん、車なんですね」
「今日は直帰なので…後ろに座りますか?」
「助手席でいいです あ、いや助手席がいいです」
ころころと変わる夢の表情に七海が少し笑顔をみせた。
出発すると夢が外を眺めてぽそっとつぶやいた。
「前悠仁くんがいなかったとき、七海さん怪我してて家入さんのとこきましたよね 私しかいなくて応急処置だけして…覚えてますか?」
「ええ、あの時は助かりました」
「そのとき七海さん、笑顔でお礼言ってくれたって悠仁くんに話したら、悠仁くん、ナナミンが笑うの想像できない!って言ってたんですけど、さっきも七海さん笑顔だったし 悠仁くんの気のせいですよね」
「虎杖くんといても笑う要素があまりないので…夢さんがおかしいとかそう言う意味ではありませんよ」
夢がハンドルを持って少し慌てる七海にくすくすと笑った。
カフェにつくと、店のドアを開けて、夢を先へ通した。
「あ、ありがとうございます ドア押さえててもらったの初めてかも」
「…それは虎杖くんに注意しないといけませんね」
「え!悠仁くんとそんなにご飯行ったことないし…ファミレスとかだと自動ドアなので…あの」
そういうことですか、と七海がいうとまた少し笑顔をみせる。
席に座ると店員がちらちらと七海を見ている。誰がオーダーを聞きに行くかで揉めているようだった。
「夢さん、決まりましたか?」
「うーん、このサンドイッチおいしそうだけど…パスタも捨てがたい…」
「ここのサンドイッチおすすめですよ」
夢がそれで、と答えるので七海が手を上げて店員を呼ぶ。
「ご注文お伺いします」
「このプレート2つとコーヒーを…夢さん飲み物は?」
「紅茶をお願いします」
店員が嬉しそうにキッチンへ戻っていく。
「七海さん、ちょっと質問しても…いいですか?」
この聞き方は悠仁と同じだなと思いながら、どうぞ、と言う。
「七海さん、悠仁くんと一緒に任務行くことありますよね、そういう時って何食べるんですか? 悠仁くん何が好きですか?」
「そうですね 休憩以外でまずこういうカフェには行きませんね 虎杖くん量を欲しがりますから」
夢がうなずきながら運ばれてきた紅茶を口にした。
「必ず食べたいものを聞くとラーメンと言いますけど、そこは我慢してもらって定食屋さんが多いですかね 和食が好きなようです」
やっぱり和食なんだ…と夢は心の中でメモを取る。
「あとは…炭酸類ですかね…和食に炭酸飲料は合うのかわかりませんが」
炭酸…悠仁の部屋の冷蔵庫にコーラが確かにあったことを思い出す。
「夢さんはランチはいつもどうされてるんですか?」
「みんなと別行動なのでめったにないですけど一緒に食べれるときはファミレス行ったり…家入先生とお弁当買ってきて食べたり…でも先生忙しいので、ほとんど自分の部屋で作って一人で食べてます 今日もそのつもりでした」
「自炊されてるんですか」
「はい、朝とお昼はだいたい」
「朝も?」
「朝は悠仁くんと…あ!え!あれです!一緒に食べてるだけです!」
顔が真っ赤になる夢の前にランチプレートが運ばれてきた。
「わ!かわいい…写真撮ってもいいですか?」
スマホで何枚も写真をとるとうれしそうにいただきますを言いサンドイッチを口にする。
「わぁおいしい」
「それはよかったです 先ほどの朝ごはん、虎杖くんと食べてるんですか?」
「うぐっ!……は、はい お互い同じ時間に食べてるので一緒に食べようって悠仁くんが言ってくれてどちらかの部屋で食べてます」
七海はそんなに仲がいいのに、悠仁からいつもくる初々しい質問が嘘のように思えた。
「毎日ですか?」
夢は顔を赤くしたままうなずいた。
「七海さん、内緒にしておいてください…」
「内緒…やましいことがあるわけではないのに内緒にする理由は?」
「野薔薇ちゃ…釘崎さんとかからかってきて、悠仁くんがもう一緒に食べたくないって言われたら寂しいので…」
これは悠仁に気持ちをはっきりするように一度言った方がよさそうだなと七海はサンドイッチを頬張った。
二人はカフェを出ると、夢がごちそうになってよかったんですか?と尋ねる。
「夢さんは学生です 大人の私が払って当たり前です」
「ありがとうございます ごちそうさまです」
車に戻ると夢はまた送り返してもらわなくてはいけないことに気づいた。
「七海さん直帰って言ってたのでごめんなさい、また高専まで送ってもらって…」
「気にしなでください あの坂を夢さん一人で歩かせるわけにもいきません」
「ありがとうございます あの、七海さん、また悠仁くんのことでなにかあったら話きいてくれますか?」
「構いませんよ 私も夢さんと話せて楽しかったです」
「ありがとうございます 七海さん お疲れ様です」
夢が手を振り七海の運転する車を見送った。
おまけ―
任務が終わった野薔薇は宿泊先の旅館で新田とマッサージ機に身をゆだねていた。
「 あぁ~高専にもマッサージ機ほしぃぃ 」
「 ほんとっスね~ 」
ピコンと野薔薇のスマホが鳴る。
「 あ!夢ちゃんだ! 」
マッサージ機を止めて送られてきたメッセージと写真を確認する。
野薔薇ちゃん、お疲れ様!
今度ここのランチ行こう!
今日サンドイッチ食べたんだけど
凄くおいしかったよ
写真においしそうなサンドイッチプレートが映っているが、野薔薇が気になったのは正面に座っているであろう人物の見切れてる手だった。
「新田ちゃん、これどう思う」
新田がマッサージチェアを停止させ、拡大された写真をじっとみる。
「男の手っスね」
「だよね…五条先生だったとしたら無理やり顔突っ込んで写ってくるだろうし…」
誰だ?と二人がスマホの画面をじーっと眺める。
「新田さん、明日って何時チェックアウトでしたっけ?」
野薔薇が驚いて振り向くと浴衣を着た伏黒が立っていた。
「び、びっくりした…伏黒かよ」
「なに見てるんだ?」
野薔薇が夢から送られてきたと写真を見せ、気になる箇所を拡大した。
「男の手だな」
「だよねぇー」
「これ虎杖知らないよな? アイツ今から帰るとか言いかねないぞ」
「え、なんで虎杖さんにバレたらまずいんっス?」
そうか、新田は二人の微妙な関係を知らないのか、と野薔薇が説明する。
「あぁーそれはマズイっスね」
「なにがマズイの?」
悠仁がペタペタと浴衣とスリッパ姿で現れた。
「あ、明日は9時チェックアウトなんでよろしくっス!!」
新田ちゃん逃げた!と野薔薇が恵と顔を合わせる。
後で夢から知るよりいま二人から言った方がいいかと目を合わせる。
「虎杖、ちょっと座れ」
なんだよと言いながら伏黒の隣に座った。
「夢ちゃんからお昼食べた写真が送られてきた」
「お、おう そうなんだ……なに?写真がどうかした?どれ?」
野薔薇が一息置くと写真を見せて、一部拡大する。
「あ、ナナミンじゃん」
ん?
「ここ時間つぶすのにナナミンと行ったと思う あ、そうだよ テーブルがおもしろい形だったから覚えてる 夢ナナミンと昼食ったんだな」
二人は立ち上がり部屋へと戻って行った。
「え!?なに!?それだけ?」
ランチはいかかが ― END