さまざまなキス




「夢、そろそろ行くわ…」

悠仁は夢の部屋の玄関で靴を履いている。振り向くと夢が寂しそうな顔をしていた。

「夢～そんな顔されたら俺行けないよー」

「ごめん…いつもより期間長いから…」

「終わったら飛んで帰ってくる」

悠仁は夢を優しく両手で包み込み抱きしめた。

「うん」

「頑張って、のちゅーして」

「えっ私から？」

悠仁が目をつぶると夢に顔を近づける。

夢が背伸びをして、両腕を悠仁の首に抱き着くと悠仁はぐっと引っ張られ夢の唇が重なる。
いつもなら軽く触れるくらいなのにと悠仁は驚くがそのまま受け入れる。

少し離れてまた唇が重なる。二人とも呼吸のタイミングがつかめず息が上がってくる。

「んっ、夢、ちょ、ちょっとストップストップ」

「はぁ、ご、ごめん私もちょっと苦しかった」

2人でくすくす笑うとおでこを悠仁がぴったりとくっつける。

「夢、好き、大ーぃ好き　帰ってきたらまた今みたなちゅーして」

「頑張りましたの…ちゅー？」

「うん、頑張りましたのちゅー」

夢がもじもじしながらもうなずいた。

「約束な　じゃ、お返しに俺からまた連絡するのちゅー」

夢の両頬を包み込みそっとキスをする。

「他にはないかなー」

「悠仁くん遅れちゃうよ？」

「じゃあラストにいってきますのちゅーだけ」

2人は笑うとまた優しく唇を重ねた。







さまざまなキス　―　END