【2】これからの関係
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悠仁は久しぶりの夢とのデートにそわそわしていた。
今日こそは!といつも気を引き締めて向かうが、いつも楽しい時間を過ごしてまた寮に帰って来て夢の可愛いバイバイを見送って…。
今日こそ、今日こそ、キスを!と自分に言い聞かせた。
新しいパーカーにピカピカに磨いたスニーカーを履いてドアを開けた。
すると恵が隣から顔を出してきた。
「虎杖」
悠仁はニヤァと不気味な笑みを浮かべる。
「伏黒ぉ~おはよう!いい天気だな。」
昨日夢が悠仁に付き添ってくれていたからか少しでも元気になっているようで恵は安心する。
「なんで夢と一緒じゃないんだ?デートなんだろ?」
悠仁はよくぞ聞いてくれたと恵の肩に両手を置く。
「夢がな、いつも寮から一緒にでかけるから、デートで待ち合わせしてみたいって言うんだぜ?……フフフッ」
悠仁はその時の夢を思い出してニヤニヤが止まらない。
「頼むからもう出掛けてくれ」
「行ってくるぜー伏黒ー!」
スキップしながら寮を出ていく悠仁を恵は呆れながら見送ると、夢がいなかったら悠仁はどうなっていたかと考えた。
一方夢は待ち合わせ場所でそわそわと悠仁が来るのを待っていた。
昨日は悠仁が眠るまでそばに付き添っていたので夢は寝不足だった。
でも悠仁との久しぶりのデートとなれば眠気を全く感じない。
呪術高専から一番近い駅でデートの待ち合わせをしたいと言ったときも悠仁は快く了解してくれた。
俺も夢とデートの待ち合わせやってみたい!と笑顔で答えてくれた彼の顔を思い出して夢は赤くなる顔を手で覆った。
すると待ち合わせ場所に猛スピードで悠仁が走ってきた。
夢!ごめん!待ったか?とお決まりの台詞を言うと夢もお決まりの今着たところだよ、と返した。
悠仁は天を見上げ声を最小限にして かわいい と声を震わせた。
夢はベビーピンクのセットアップで髪留めを付けている。
「今日の恰好もかわいいな」と悠仁は夢をまじまじと見た。
夢は照れながらもありがとうと返事をする。
悠仁が行こうか、と歩き始めるとはっとして夢の隣に戻ると手を出した。
夢は答えるようにそっと手を差し出すと悠仁はやさしく握り返した。
まだ手を繋いだのもまだ数回だろうか、2人ともぎこちない。
「悠仁くんの……」
夢が言いかけると悠仁が足を止めた。夢はあわてて言い直す。
二人っきりの時は呼び捨てにする、と約束していたのだ。
「ゆ、ゆ、ゆうじ……」
また夢の顔がぽーっと赤くなると悠仁も握っていた手が熱くなるのを感じた。
「えへへ、呼び捨てだと恥ずかしいけど嬉しいな。夢どうした?」
「ゆ、悠仁…の手、前より大きい気がする…身長も伸びたんじゃない?」
「やっぱ俺身長伸びてるよな?最近寝てると体みしみししてるきがするんだよなー手は嫌でも任務で使うから…ゴツゴツしててやだよな」
繋いだ手を見る悠仁に夢は首を横に降る。
「…私、悠仁の手好きだよ」
悠仁は名前をさらりと言われたのも手が好きだと言われたのも全てが愛おしくて嬉しさで顔が緩む。
夢がずっと行きたがっていた上野の動物園へやってきた。
「まずパンダがみたいな」
パンダが好きな夢のリクエストで真っ先にパンダのとことへと向かった。
空調設備が整ったガラス張りの部屋でパンダは座ってぼーっとしている。
「いつもパンダ先輩みてるから変な感じだな」
「ほんと…会話ができるのに慣れちゃってるから不思議だね」
夢はどうにか中のパンダに気づいてもらえないかと一生懸命手を振る。
「あ!こっち来る!か、可愛い…ふわふわだ…触ってみたい…」
目を輝かせる夢だったがパンダをみて悠仁はあのことを思い出した。
「夢ってスマホの画面パンダの待ち受けにしてるじゃん」
夢はうん、とうなずくと悠仁は自分のスマホ画面を見せた。
「あ、一緒に撮った写真…」
「俺はこの夢の顔みると元気が出るんだ。なんで夢はパンダなのかな…って」
悠仁は小さい男だと思われたかなと夢を見るとそわそわしている。
「私は…スマホ開く度に悠仁くんの顔みちゃうと……悠仁くんに会いたくなっちゃうから……パンダの待ち受け画面にしてるの」
悠仁は夢の答えに、昨日考え込んでた自分が馬鹿馬鹿しく思うと同時に夢の可愛さに胸がぎゅっと苦しくなる。
「そ、そか…」
悠仁は赤くなる顔を見られないようにと夢の手をとって別のエリアへと移動した。
お昼を食べ、町でウィンドウショッピングを楽しんだ二人。
もうすぐ楽しい一日が終わってしまう。悠仁は今日の目標を思い出し、緊張が走る。
どうしたの?と心配そうに悠仁の顔を覗き込んだ。
「夢、丘の上の公園までいかないか?夕日落ちるとこ綺麗だから」
「悠仁がいつもランニングしてるとこだよね、うん、行ってみたい」
夢が笑顔で答えるので二人は丘へと向かった。
しばらくすると高台の見晴らしがいい公園へやってきた。公園と言っても遊具もないのであまり人はこない場所だった。悠仁はいつも呪術高専からこの丘までのランニングをしているので馴染みの場所だ。
「こんな公園あったんだね」
夢は風を顔に受けながら丘を見下ろした。心地よい風が二人に吹いている。
「悠仁?さっきから喋らないけど…どうかしたの?」
「あのさ、夢」
夢が不思議そう横に立った悠仁を見ると、夢の正面を向いて悠仁は夢の両手を繋いだ。
悠仁が夢を真っ直ぐ見つめると、初めに会った時と同じできらきらしていて変わらない。
違うのは今は思いが通じ合い、大切な彼女であるということだけだった。
悠仁が少し屈むと顔がゆっくり近づくので夢がそっと目を閉じると優しく、唇が重なる。
夕日が二人を包み込み長い影を作った。
悠仁がゆっくりと離れて目を開けると、夢も目を開ける。夢の目に自分が写っているのがわかる。夢の長いまつ毛、風で優しくなびく髪、全てが愛おしい。
夢を引き寄せ優しく包み込んだ。
「夢、大好き」
悠仁の胸に顔をすり寄せると悠仁の心臓の音が早く鳴るのが聞こえる。
「私も悠仁のこと大好きだよ」
それを聞いた悠仁の腕に力が入る。
二人は手をつなぎゆっくりと丘を下り寮へと向かった。
特に言葉は交わすことはなかったが、ふとした瞬間お互いを見つめ微笑んだ。
夢の部屋までたどり着いたがなかなか手が離せない。
「悠仁…お茶でも飲んでく?」
悠仁は「おう」と一言返事をすると二人で夢の部屋へ入っていった。
悠仁は俺やるよ、と一緒にキッチンに立ち氷をグラスに入れると夢はアイスティーを注いだ。
二人で座ると悠仁が口を開いた。
「夢」
夢はアイスティーをテーブルに置いて悠仁を見ると真剣な顔をしていた。
「さっき、あの…いきなりしてごめん。びっくりしたよな」
「え、あ…ううん…びっくりしたけどそれ以上に嬉しかったよ」
夢は素直にさっきのキスを思い出すように悠仁を優しい目で見た。
そうか、と笑顔を返すと隣の夢の肩に腕を回してしばらく二人でテレビを見つめた。
しばらくぼーっとテレビを見ていると悠仁の腹がぐぅと鳴る。
「…わるい。腹減ってきたかも」
夢はくすくすと笑うと悠仁が立ち上がった。
「カレー作ったら伏黒と釘崎も食うかな?」
「みんなで食べれたらいいね。二人にラインしてみる」
すぐさま 食べます 同上 と立て続けに返事が来た。
「じゃ決まりだな。俺んとこで作るか」
悠仁が玄関で靴を履くのを夢はじっと待っていた。
「着替えたら手伝いに行くね」
「着替えるの?」
「これ悠仁とのデート用だから」と恥ずかしそうに言うと悠仁はたまらず夢の顎をやさしく持ち上げるとそっと唇を重ねた。
「じゃ待ってる」と片手を上げてニコッと笑う悠仁は自分の部屋へと帰って行った。
ドアがしまると夢は力が抜けそのまま座りこんでしまう。
「今のはずるいよ…」
悠仁は自分の部屋のドアを閉めるとこちらも座り込んでいた。
「危ない。あれ以上部屋にいたらどうにかなってた」
デート用だから…と言った夢の顔を思い出してジタバタする。
ドンドンドン!と悠仁の部屋のドアがたたかれる。
「釘崎だろー?手離せないから入ってくれ」
なんで私ってわかるのよ、と野薔薇が靴を脱ごうとすると夢の靴が置いてあった。
「野薔薇ちゃん!」
皿を用意していた夢が顔を出した。
「夢ちゃーん!って夢ちゃんが作ってくれたカレーじゃないの」
キッチンでは悠仁がせっせと鍋を混ぜている。
「文句言うやつの分はないぞ」
そんな会話をしていると恵も入ってきた。
「おー伏黒ーおつー」
「夢、これ土産」
恵は綺麗なカップのゼリーを夢に渡した。
「わ、綺麗!おいしそうだね。ありがとう」
わいわいと4人で悠仁お手製のカレーを前に同時に「いただきます」と手を合わせ食べ始めた。
「虎杖の凄い量…ゴリラかよ」
ゴリラはカレー食わないんじゃないか?と恵が冷静につっこむ。
例えよ、例えと野薔薇が言うので夢が横でクスクスと笑う。
「夢ちゃん、今日どこ行ったの?」
「動物園行ってきて本物のパンダ久しぶりに見てきた…かわいかった…」
そういえばパンダが好きだったけ、という他愛もない話をして恵の持ってきたゼリーもあっという間に平らげた。
「じゃ私はそろそろ戻るわーごちそうさま夢ちゃん」
「俺も戻るわ。夢ごちそうさま」
「ねえ、お、俺は?」と悠仁が泣きそうな顔をする。
二人は笑うと虎杖もサンキューと言って出て行った。
悠仁と夢は二人を見送り、悠仁が食器を洗い始めた。
「悠仁くんが全部作ってくれたんだから、私が洗い物するよ」
いーの、いーのと悠仁がテキパキと洗い物を片付けていく。
夢がテーブルを拭いて、座って待っていると、悠仁が後ろから夢にそっと抱き着いた。
「悠仁…くん?」
振り向くと悠仁がじっと夢の目を見つめる。夢を正面に向かせ優しく抱き寄せた。
「悪い、もう少しいてほしいけど、今日これ以上夢といたらなにするかわかんないから、今日はこれにて解散」
頭を優しくなでられると夢も照れながらもうなずいて、自分の部屋へ戻った。
しばらくすると悠仁のスマホが鳴った。
悠仁、今日も凄く楽しかったよ。ありがとう。おやすみなさい。
俺もすげー楽しかった!また出かけような。おやすみ夢。
送信を押すと、もう一度悠仁はスマホを打ち始めた。
夢、大好き
今日こそは!といつも気を引き締めて向かうが、いつも楽しい時間を過ごしてまた寮に帰って来て夢の可愛いバイバイを見送って…。
今日こそ、今日こそ、キスを!と自分に言い聞かせた。
新しいパーカーにピカピカに磨いたスニーカーを履いてドアを開けた。
すると恵が隣から顔を出してきた。
「虎杖」
悠仁はニヤァと不気味な笑みを浮かべる。
「伏黒ぉ~おはよう!いい天気だな。」
昨日夢が悠仁に付き添ってくれていたからか少しでも元気になっているようで恵は安心する。
「なんで夢と一緒じゃないんだ?デートなんだろ?」
悠仁はよくぞ聞いてくれたと恵の肩に両手を置く。
「夢がな、いつも寮から一緒にでかけるから、デートで待ち合わせしてみたいって言うんだぜ?……フフフッ」
悠仁はその時の夢を思い出してニヤニヤが止まらない。
「頼むからもう出掛けてくれ」
「行ってくるぜー伏黒ー!」
スキップしながら寮を出ていく悠仁を恵は呆れながら見送ると、夢がいなかったら悠仁はどうなっていたかと考えた。
一方夢は待ち合わせ場所でそわそわと悠仁が来るのを待っていた。
昨日は悠仁が眠るまでそばに付き添っていたので夢は寝不足だった。
でも悠仁との久しぶりのデートとなれば眠気を全く感じない。
呪術高専から一番近い駅でデートの待ち合わせをしたいと言ったときも悠仁は快く了解してくれた。
俺も夢とデートの待ち合わせやってみたい!と笑顔で答えてくれた彼の顔を思い出して夢は赤くなる顔を手で覆った。
すると待ち合わせ場所に猛スピードで悠仁が走ってきた。
夢!ごめん!待ったか?とお決まりの台詞を言うと夢もお決まりの今着たところだよ、と返した。
悠仁は天を見上げ声を最小限にして かわいい と声を震わせた。
夢はベビーピンクのセットアップで髪留めを付けている。
「今日の恰好もかわいいな」と悠仁は夢をまじまじと見た。
夢は照れながらもありがとうと返事をする。
悠仁が行こうか、と歩き始めるとはっとして夢の隣に戻ると手を出した。
夢は答えるようにそっと手を差し出すと悠仁はやさしく握り返した。
まだ手を繋いだのもまだ数回だろうか、2人ともぎこちない。
「悠仁くんの……」
夢が言いかけると悠仁が足を止めた。夢はあわてて言い直す。
二人っきりの時は呼び捨てにする、と約束していたのだ。
「ゆ、ゆ、ゆうじ……」
また夢の顔がぽーっと赤くなると悠仁も握っていた手が熱くなるのを感じた。
「えへへ、呼び捨てだと恥ずかしいけど嬉しいな。夢どうした?」
「ゆ、悠仁…の手、前より大きい気がする…身長も伸びたんじゃない?」
「やっぱ俺身長伸びてるよな?最近寝てると体みしみししてるきがするんだよなー手は嫌でも任務で使うから…ゴツゴツしててやだよな」
繋いだ手を見る悠仁に夢は首を横に降る。
「…私、悠仁の手好きだよ」
悠仁は名前をさらりと言われたのも手が好きだと言われたのも全てが愛おしくて嬉しさで顔が緩む。
夢がずっと行きたがっていた上野の動物園へやってきた。
「まずパンダがみたいな」
パンダが好きな夢のリクエストで真っ先にパンダのとことへと向かった。
空調設備が整ったガラス張りの部屋でパンダは座ってぼーっとしている。
「いつもパンダ先輩みてるから変な感じだな」
「ほんと…会話ができるのに慣れちゃってるから不思議だね」
夢はどうにか中のパンダに気づいてもらえないかと一生懸命手を振る。
「あ!こっち来る!か、可愛い…ふわふわだ…触ってみたい…」
目を輝かせる夢だったがパンダをみて悠仁はあのことを思い出した。
「夢ってスマホの画面パンダの待ち受けにしてるじゃん」
夢はうん、とうなずくと悠仁は自分のスマホ画面を見せた。
「あ、一緒に撮った写真…」
「俺はこの夢の顔みると元気が出るんだ。なんで夢はパンダなのかな…って」
悠仁は小さい男だと思われたかなと夢を見るとそわそわしている。
「私は…スマホ開く度に悠仁くんの顔みちゃうと……悠仁くんに会いたくなっちゃうから……パンダの待ち受け画面にしてるの」
悠仁は夢の答えに、昨日考え込んでた自分が馬鹿馬鹿しく思うと同時に夢の可愛さに胸がぎゅっと苦しくなる。
「そ、そか…」
悠仁は赤くなる顔を見られないようにと夢の手をとって別のエリアへと移動した。
お昼を食べ、町でウィンドウショッピングを楽しんだ二人。
もうすぐ楽しい一日が終わってしまう。悠仁は今日の目標を思い出し、緊張が走る。
どうしたの?と心配そうに悠仁の顔を覗き込んだ。
「夢、丘の上の公園までいかないか?夕日落ちるとこ綺麗だから」
「悠仁がいつもランニングしてるとこだよね、うん、行ってみたい」
夢が笑顔で答えるので二人は丘へと向かった。
しばらくすると高台の見晴らしがいい公園へやってきた。公園と言っても遊具もないのであまり人はこない場所だった。悠仁はいつも呪術高専からこの丘までのランニングをしているので馴染みの場所だ。
「こんな公園あったんだね」
夢は風を顔に受けながら丘を見下ろした。心地よい風が二人に吹いている。
「悠仁?さっきから喋らないけど…どうかしたの?」
「あのさ、夢」
夢が不思議そう横に立った悠仁を見ると、夢の正面を向いて悠仁は夢の両手を繋いだ。
悠仁が夢を真っ直ぐ見つめると、初めに会った時と同じできらきらしていて変わらない。
違うのは今は思いが通じ合い、大切な彼女であるということだけだった。
悠仁が少し屈むと顔がゆっくり近づくので夢がそっと目を閉じると優しく、唇が重なる。
夕日が二人を包み込み長い影を作った。
悠仁がゆっくりと離れて目を開けると、夢も目を開ける。夢の目に自分が写っているのがわかる。夢の長いまつ毛、風で優しくなびく髪、全てが愛おしい。
夢を引き寄せ優しく包み込んだ。
「夢、大好き」
悠仁の胸に顔をすり寄せると悠仁の心臓の音が早く鳴るのが聞こえる。
「私も悠仁のこと大好きだよ」
それを聞いた悠仁の腕に力が入る。
二人は手をつなぎゆっくりと丘を下り寮へと向かった。
特に言葉は交わすことはなかったが、ふとした瞬間お互いを見つめ微笑んだ。
夢の部屋までたどり着いたがなかなか手が離せない。
「悠仁…お茶でも飲んでく?」
悠仁は「おう」と一言返事をすると二人で夢の部屋へ入っていった。
悠仁は俺やるよ、と一緒にキッチンに立ち氷をグラスに入れると夢はアイスティーを注いだ。
二人で座ると悠仁が口を開いた。
「夢」
夢はアイスティーをテーブルに置いて悠仁を見ると真剣な顔をしていた。
「さっき、あの…いきなりしてごめん。びっくりしたよな」
「え、あ…ううん…びっくりしたけどそれ以上に嬉しかったよ」
夢は素直にさっきのキスを思い出すように悠仁を優しい目で見た。
そうか、と笑顔を返すと隣の夢の肩に腕を回してしばらく二人でテレビを見つめた。
しばらくぼーっとテレビを見ていると悠仁の腹がぐぅと鳴る。
「…わるい。腹減ってきたかも」
夢はくすくすと笑うと悠仁が立ち上がった。
「カレー作ったら伏黒と釘崎も食うかな?」
「みんなで食べれたらいいね。二人にラインしてみる」
すぐさま 食べます 同上 と立て続けに返事が来た。
「じゃ決まりだな。俺んとこで作るか」
悠仁が玄関で靴を履くのを夢はじっと待っていた。
「着替えたら手伝いに行くね」
「着替えるの?」
「これ悠仁とのデート用だから」と恥ずかしそうに言うと悠仁はたまらず夢の顎をやさしく持ち上げるとそっと唇を重ねた。
「じゃ待ってる」と片手を上げてニコッと笑う悠仁は自分の部屋へと帰って行った。
ドアがしまると夢は力が抜けそのまま座りこんでしまう。
「今のはずるいよ…」
悠仁は自分の部屋のドアを閉めるとこちらも座り込んでいた。
「危ない。あれ以上部屋にいたらどうにかなってた」
デート用だから…と言った夢の顔を思い出してジタバタする。
ドンドンドン!と悠仁の部屋のドアがたたかれる。
「釘崎だろー?手離せないから入ってくれ」
なんで私ってわかるのよ、と野薔薇が靴を脱ごうとすると夢の靴が置いてあった。
「野薔薇ちゃん!」
皿を用意していた夢が顔を出した。
「夢ちゃーん!って夢ちゃんが作ってくれたカレーじゃないの」
キッチンでは悠仁がせっせと鍋を混ぜている。
「文句言うやつの分はないぞ」
そんな会話をしていると恵も入ってきた。
「おー伏黒ーおつー」
「夢、これ土産」
恵は綺麗なカップのゼリーを夢に渡した。
「わ、綺麗!おいしそうだね。ありがとう」
わいわいと4人で悠仁お手製のカレーを前に同時に「いただきます」と手を合わせ食べ始めた。
「虎杖の凄い量…ゴリラかよ」
ゴリラはカレー食わないんじゃないか?と恵が冷静につっこむ。
例えよ、例えと野薔薇が言うので夢が横でクスクスと笑う。
「夢ちゃん、今日どこ行ったの?」
「動物園行ってきて本物のパンダ久しぶりに見てきた…かわいかった…」
そういえばパンダが好きだったけ、という他愛もない話をして恵の持ってきたゼリーもあっという間に平らげた。
「じゃ私はそろそろ戻るわーごちそうさま夢ちゃん」
「俺も戻るわ。夢ごちそうさま」
「ねえ、お、俺は?」と悠仁が泣きそうな顔をする。
二人は笑うと虎杖もサンキューと言って出て行った。
悠仁と夢は二人を見送り、悠仁が食器を洗い始めた。
「悠仁くんが全部作ってくれたんだから、私が洗い物するよ」
いーの、いーのと悠仁がテキパキと洗い物を片付けていく。
夢がテーブルを拭いて、座って待っていると、悠仁が後ろから夢にそっと抱き着いた。
「悠仁…くん?」
振り向くと悠仁がじっと夢の目を見つめる。夢を正面に向かせ優しく抱き寄せた。
「悪い、もう少しいてほしいけど、今日これ以上夢といたらなにするかわかんないから、今日はこれにて解散」
頭を優しくなでられると夢も照れながらもうなずいて、自分の部屋へ戻った。
しばらくすると悠仁のスマホが鳴った。
悠仁、今日も凄く楽しかったよ。ありがとう。おやすみなさい。
俺もすげー楽しかった!また出かけような。おやすみ夢。
送信を押すと、もう一度悠仁はスマホを打ち始めた。
夢、大好き