【2】これからの関係
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夢はやっと家入の資料作成から解放され、眠りについていた。まだ30分も寝ていないだろうか、スマホの着信音が鳴り響く。
「はい、家入先生、もしも…え?今行きます」
夢はまた制服を着て、白衣を羽織ながら部屋を出た。
「家入先生絶対飲んでたよ…でも悠仁くん達戻ってきて、私を呼ぶってことは怪我してるんだよね…」
治療室に行くと、案の定家入は提出物から解放された反動で飲んでいた。
「あぁーお前ら、夢きたから、一安心、一安心」
入ってきた夢に家入はグラス片手に絡んでくる。
「ちょっと家入先生、うぐお酒くさい…みんな、大丈夫…じゃなさそうだね。おかえり悠仁くん」
「おう、ただいま夢…」
家入を椅子に座らせ、夢は恵がベッドに横になっているのを確認する。
野薔薇は疲れたのかパイプ椅子に座ったまま寝ていた。夢は一番状態が悪そうな恵の様子を覗き込む。
「恵くーん、聞こえる? ちょっと傷みるよ?頭と…腕…」
カルテに記入するとゴム手袋をはめて処置を始める。
「くっ」少し痛そうにする恵にやさしく夢は接する。
「恵くん、ちょっと我慢して。頭の傷かなり深いね、でも大丈夫だから」
「夢、しみる」
「うん、消毒終わり。ちょっといい?」
手袋を取り、横になったままの恵の顔を両手で包み込むとぽぅと優しい光が灯る。
「はぁ、はぁ、なんか…」苦しそうにすると体を起こした。
「ん、ちょっと待って」
夢が洗面器をさっと取り出すと恵は嘔吐する。夢は背中を優しくさする。
「よしよし、恵くんかなり無理したでしょ。少し横になってて。野薔薇ちゃんみたら戻ってくるから」
傷口に大きいガーゼと包帯を巻いた。
悠仁はその様子を座ってみていると夢が悠仁に笑いかける。悠仁も微笑む。夢はいつもの悠仁の笑顔じゃないなと心配になる。
「野薔薇ちゃん、起きて。座ったままで大丈夫?」
「んぁ…夢ちゃーん、疲れたぁ」
「座ったままで大丈夫そうだね」
またゴム手袋をすると野薔薇の腕を見る。
「野薔薇ちゃん、喉も痛いんじゃない」
「さすが夢ちゃん、たぶん毒」
紙コップに夢が手をかざすとキラキラとした液体が現れる。
「夢ちゃんそんなこともできるの」
「家入先生に教えてもらったの、飲んで。喉痛いの良くなるから」
「ぐぁ…見た目と違ってパンチのあるお味…」
夢が野薔薇の腕にすっと手をかざす、ぽぅと光るとすっと痛みが消える。
「やっぱ傷は残るよね夢ちゃん」
「そうだね…できる限りはするけど」
処置が終わり、御札をするすると巻き、固定させる。
「野薔薇ちゃんは戻って大丈夫だよ、なにかあったら電話して。お風呂も行きたいでしょ」
野薔薇は夢に抱き着いた。
「んー!わかってるね夢ちゃん、大好き!ありがと!伏黒のこと頼んだ」
野薔薇が夢の耳元で続けた。
「虎杖、かなり今日まいってるから、一緒にいてやって」
野薔薇が治療室を出て行くと夢はまた恵の様子を見に行く。
「恵くん、まだ気持ち悪い?」
「いや、もう大丈夫、ありがとう夢」
恵が夢に耳打ちする。
「虎杖んとこ、いてやってくれ」
「うん、ありがとう恵くん。なにかあったら電話してね。隣の家入先生の事務室にいるから。家入先生ここで寝ちゃってるからしばらく起きないと思う…」
夢は悠仁に声をかけると弱々しく手を握られるので、そのまま悠仁を連れて治療室を後にした。
夢と悠仁は家入の事務室に入るとドアをしめた。
悠仁の両手を優しく包み込むと夢は悠仁の顔を覗き込む。
「悠仁くん、なにがあったの?」
悠仁は黙って夢を抱きしめる。
「…夢、俺はまた人を殺したり、苦しめてる」
「悠仁くん…」
夢は優しく背中をさする。
「…今日だって二人…祓ったんじゃない殺したんだ…前話したよな、ナナミンとの任務…あの時だって一度…でも三人だ…」
「だってそうしなかったら、恵くんも野薔薇ちゃんも悠仁くんも危なかったんでしょう?」
「釘崎も呪霊か呪詛師か考える余裕なかっただろって。今日の奴ら、片方の弟が死んで泣いてた。感情があったんだ。そう思った」
夢は悠仁の抱きしめる力が強くなったことを感じる。
「悠仁くん、悠仁くんは悠仁くんにしかできないこをしてるんだよ、それを誇りに思うのは駄目?私だって悠仁くんに毎日救われてるよ?恵くんも野薔薇ちゃんも五条先生も、悠仁くんがいて助かってることたくさんあると思うよ」
「…ああ」
夢は自分の肩に悠仁の涙が滲んでくるのを感じてまた背中をさする。
「悠仁くん、今日はもう寝よう。部屋まで送るから」
悠仁は夢を離すと涙を見られないようにと天井を見上げる。
夢は悠仁の手を握り、部屋までと送って行った。
「恵くんの様子みたらまた戻ってくるね」
「ありがとう夢」
夢が微笑むと悠仁は夢をまた強く抱きしめた。
翌日
恵、野薔薇、夢が校庭に集まっていた。
「それって確定なの?」
「ほぼな、終わった案件だ。気づく可能性があるとすれば俺達か新田さんくらいだと思う」
野薔薇は夢の隣で恵の話に耳を傾ける。夢は状況が呑み込めないでいる。
「虎杖の受肉はきっかけにすぎない。八十橋の呪殺はいつ始まってもおかしくなった。
そもそもアレを虎杖が飲み込んだのは俺を助けるためだ。でもアイツはそれで納得しねぇだろ。だからこのことは言うな」
「言わねぇよ。レディの気遣いナメんな」
「すまん、夢。夢に言うか迷った。でも一番虎杖の近くにいる夢にも知っておいてもらわないと…この先なにがあるかわからない」
「うん、悠仁くんには言わないよ…昨日も凄く落ち込んでたから…」
「夢ちゃん、私達もいるから!大丈夫」
野薔薇が夢の肩を抱く。
「夢、虎杖のことで何か気になることとかあれば俺らに言ってくれよな」
夢はうなずいた。
悠仁が一人廊下を歩いていると宿儺が顔を出す。
「 オマエのせいだ。お前が俺を取り込んことによって切り分けた俺の魂が目が覚めたんだ。大勢の…人間を助けるか。ケッケケケ小僧!お前がいるから人が死ぬんだよ! 」
「それ、伏黒に言うなよ」
「 !? 」
悠仁は前、恵に言われたことを思い出していた。
――自分が助けた人間が将来 人を殺したらどうする
「絶対に言うな」
「はい、家入先生、もしも…え?今行きます」
夢はまた制服を着て、白衣を羽織ながら部屋を出た。
「家入先生絶対飲んでたよ…でも悠仁くん達戻ってきて、私を呼ぶってことは怪我してるんだよね…」
治療室に行くと、案の定家入は提出物から解放された反動で飲んでいた。
「あぁーお前ら、夢きたから、一安心、一安心」
入ってきた夢に家入はグラス片手に絡んでくる。
「ちょっと家入先生、うぐお酒くさい…みんな、大丈夫…じゃなさそうだね。おかえり悠仁くん」
「おう、ただいま夢…」
家入を椅子に座らせ、夢は恵がベッドに横になっているのを確認する。
野薔薇は疲れたのかパイプ椅子に座ったまま寝ていた。夢は一番状態が悪そうな恵の様子を覗き込む。
「恵くーん、聞こえる? ちょっと傷みるよ?頭と…腕…」
カルテに記入するとゴム手袋をはめて処置を始める。
「くっ」少し痛そうにする恵にやさしく夢は接する。
「恵くん、ちょっと我慢して。頭の傷かなり深いね、でも大丈夫だから」
「夢、しみる」
「うん、消毒終わり。ちょっといい?」
手袋を取り、横になったままの恵の顔を両手で包み込むとぽぅと優しい光が灯る。
「はぁ、はぁ、なんか…」苦しそうにすると体を起こした。
「ん、ちょっと待って」
夢が洗面器をさっと取り出すと恵は嘔吐する。夢は背中を優しくさする。
「よしよし、恵くんかなり無理したでしょ。少し横になってて。野薔薇ちゃんみたら戻ってくるから」
傷口に大きいガーゼと包帯を巻いた。
悠仁はその様子を座ってみていると夢が悠仁に笑いかける。悠仁も微笑む。夢はいつもの悠仁の笑顔じゃないなと心配になる。
「野薔薇ちゃん、起きて。座ったままで大丈夫?」
「んぁ…夢ちゃーん、疲れたぁ」
「座ったままで大丈夫そうだね」
またゴム手袋をすると野薔薇の腕を見る。
「野薔薇ちゃん、喉も痛いんじゃない」
「さすが夢ちゃん、たぶん毒」
紙コップに夢が手をかざすとキラキラとした液体が現れる。
「夢ちゃんそんなこともできるの」
「家入先生に教えてもらったの、飲んで。喉痛いの良くなるから」
「ぐぁ…見た目と違ってパンチのあるお味…」
夢が野薔薇の腕にすっと手をかざす、ぽぅと光るとすっと痛みが消える。
「やっぱ傷は残るよね夢ちゃん」
「そうだね…できる限りはするけど」
処置が終わり、御札をするすると巻き、固定させる。
「野薔薇ちゃんは戻って大丈夫だよ、なにかあったら電話して。お風呂も行きたいでしょ」
野薔薇は夢に抱き着いた。
「んー!わかってるね夢ちゃん、大好き!ありがと!伏黒のこと頼んだ」
野薔薇が夢の耳元で続けた。
「虎杖、かなり今日まいってるから、一緒にいてやって」
野薔薇が治療室を出て行くと夢はまた恵の様子を見に行く。
「恵くん、まだ気持ち悪い?」
「いや、もう大丈夫、ありがとう夢」
恵が夢に耳打ちする。
「虎杖んとこ、いてやってくれ」
「うん、ありがとう恵くん。なにかあったら電話してね。隣の家入先生の事務室にいるから。家入先生ここで寝ちゃってるからしばらく起きないと思う…」
夢は悠仁に声をかけると弱々しく手を握られるので、そのまま悠仁を連れて治療室を後にした。
夢と悠仁は家入の事務室に入るとドアをしめた。
悠仁の両手を優しく包み込むと夢は悠仁の顔を覗き込む。
「悠仁くん、なにがあったの?」
悠仁は黙って夢を抱きしめる。
「…夢、俺はまた人を殺したり、苦しめてる」
「悠仁くん…」
夢は優しく背中をさする。
「…今日だって二人…祓ったんじゃない殺したんだ…前話したよな、ナナミンとの任務…あの時だって一度…でも三人だ…」
「だってそうしなかったら、恵くんも野薔薇ちゃんも悠仁くんも危なかったんでしょう?」
「釘崎も呪霊か呪詛師か考える余裕なかっただろって。今日の奴ら、片方の弟が死んで泣いてた。感情があったんだ。そう思った」
夢は悠仁の抱きしめる力が強くなったことを感じる。
「悠仁くん、悠仁くんは悠仁くんにしかできないこをしてるんだよ、それを誇りに思うのは駄目?私だって悠仁くんに毎日救われてるよ?恵くんも野薔薇ちゃんも五条先生も、悠仁くんがいて助かってることたくさんあると思うよ」
「…ああ」
夢は自分の肩に悠仁の涙が滲んでくるのを感じてまた背中をさする。
「悠仁くん、今日はもう寝よう。部屋まで送るから」
悠仁は夢を離すと涙を見られないようにと天井を見上げる。
夢は悠仁の手を握り、部屋までと送って行った。
「恵くんの様子みたらまた戻ってくるね」
「ありがとう夢」
夢が微笑むと悠仁は夢をまた強く抱きしめた。
翌日
恵、野薔薇、夢が校庭に集まっていた。
「それって確定なの?」
「ほぼな、終わった案件だ。気づく可能性があるとすれば俺達か新田さんくらいだと思う」
野薔薇は夢の隣で恵の話に耳を傾ける。夢は状況が呑み込めないでいる。
「虎杖の受肉はきっかけにすぎない。八十橋の呪殺はいつ始まってもおかしくなった。
そもそもアレを虎杖が飲み込んだのは俺を助けるためだ。でもアイツはそれで納得しねぇだろ。だからこのことは言うな」
「言わねぇよ。レディの気遣いナメんな」
「すまん、夢。夢に言うか迷った。でも一番虎杖の近くにいる夢にも知っておいてもらわないと…この先なにがあるかわからない」
「うん、悠仁くんには言わないよ…昨日も凄く落ち込んでたから…」
「夢ちゃん、私達もいるから!大丈夫」
野薔薇が夢の肩を抱く。
「夢、虎杖のことで何か気になることとかあれば俺らに言ってくれよな」
夢はうなずいた。
悠仁が一人廊下を歩いていると宿儺が顔を出す。
「 オマエのせいだ。お前が俺を取り込んことによって切り分けた俺の魂が目が覚めたんだ。大勢の…人間を助けるか。ケッケケケ小僧!お前がいるから人が死ぬんだよ! 」
「それ、伏黒に言うなよ」
「 !? 」
悠仁は前、恵に言われたことを思い出していた。
――自分が助けた人間が将来 人を殺したらどうする
「絶対に言うな」