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「ふぁ~眠っ。あんれ?」
都内と言っても都心から離れた木々が生い茂る中、大きな学校がある。東京都立呪術高等専門学校だ。
表向きには宗教系の学校とされている。
そこの教員でもある五条悟が、一室に貼られてあったお札が燃え焦げ、消えかかっていることに気づいた。
「こ、こ、このお札!? …えーと、なんだっけ」
首をかしげる五条。この男、最強の呪術師でもあるのだ。
「あ、学長!ちょうどよかった。ここに貼ってあったお札なんでしたっけ?」
「なんだ悟、会議に向かったんじゃないのか」
この学校の学長でもある夜蛾正道が足を止めた。
壁に目を向けると、学長は記憶をたどる。
「それは確かここに勤務していた世音さんの札じゃないか?」
「よねぇ…?あ!反転術式使えったっていう?」
「ああ、世音さん随分まえの講師だからな。俺も詳しくはわからない。ただ、御札 が消えたと言うことは…世音さんになにかったか…。確か孫娘がいたはず。」
「その子、術式使えないですかね」
反転術式が使える人物は貴重だ、調べてみる価値はあるな、と学長がうなずく。
五条は御札の痕跡をたよりに世音のもとへ向かった。
補助監督の伊地知が運転する車で御札の痕跡をたどっていた。
案外学校から近いな、と雑木林に囲まれた平屋を見つけた。明かりがついている。車を止め、五条はさっそうと降りた。
五条はためらうことなく呼び鈴を押す。しばらくすると引き戸をガラガラと開けると少女がたっていた。
自分が受け持っている高校生ぐらいの子かな?と思いながら少女に挨拶する。
「突然すみません。世音さんのことでやってきた者です」
亡くなったと決めつけるのも野暮なので会いに来た形で接触する。
目隠しした2メートル近い黒ずくめの五条をためらうことなく夢は受け入れた。
「仏壇はこちらです」
やはり亡くなったのか、とお線香をあげて手を合わせる。
仏壇の周りとその一角にフルーツやお花が山のように積んである。
お盆にお茶を乗せて夢が戻ってきた。
五条はいつのことですか?と聞くと夢は顔を上げ、一昨日です。と言葉少なく答える。
五条は夢の顔を見て目は泣きつかれているようではあったが、凛としてなかなかの美人さんだな。と感心する。
「あの…祖母とはどういうご関係で?」
ウソをついてもしょうがないな、と五条は包み隠さず世音さんが勤務していた高校の現教員です。と告げると夢は唇を震わせ、五条をしばらく見つめる。
「あ、あの…本当にその高校って実在するんですか…そこに行けば祖母のことがわかるとおもって…い、いくら探してもみつからなくて…」
大きな瞳からぽたぽたと大粒の涙が落ちる。
なにも聞いてないのか、呪術高専は表向き宗教の私立高ってなってるからなぁと五条は頭をかく。
「うん、あるよ。世音さんは特別な人だったからね。僕は直接会ったことはないけど、話はきいてたよ。でここに来た、ってわけ」
「あの…失礼ですが先生のお名前は?」
「五条悟」
「聞いたことあるような…」
自分の名前を知ってるということはあながち普通の子、てことはなさそうだなと五条は夢を見つめる。
「君の名前は?」
「夜野 夢です」
「いくつかな?」
「15です」
五条が受け持ってる恵と同じ歳かとうなずく。
ごめんください、と玄関で声がした。
夢が立ち上がり、五条も客人に気づかれないようそっと玄関に目を向ける。
背の低い男の後ろにはまぎれもない呪霊がついている。呪霊と言っても悪さはしないであろうと五条は目をやる。
夢が客人と一言二言玄関で話し終えると、男性はではまたと背を向け、その瞬間夢の手がぽうと光り、背中の呪霊を祓った。相手に気づかれず、そっと。
五条は関心して戸を閉めた夢に声をかける。
「夢ちゃん、もしかして見えてる?」
夢は驚いた顔をしたと思ったら下を向いたまま、信じてくれますか? と五条に問いかけた。
「僕も見えてるっていうかそういう職業だから」
五条はにかっと白い歯をみせる。
「ほ、本当に?もしかして先生の学校って…」
そういう学校。とまた笑顔で答えると夢は泣いてしまった。
「自分だけみえてるんじゃないかってずっとずっと思ってて、でもおばあちゃんに怖くて聞けなくて…」
五条はそっと夢の頭に手をおき、ぽんぽんと優しくなでる。
居間に戻ると夢が少しづつ話し始めた。
「私が物心つくころ、おばあちゃんは人を招かなくなって、それまでは毎日いろんな人がきてたんです。具体的になにするかは教えてくれなかったんですけど。でもある日、館を閉めてしばらくしたら、一人の男性が現れて。私は客人がくると絶対部屋からでてはいけなかったんです。でも気になって。
覗いてみたら男の人に黒いおどろおどろしいものがついてて…おばあちゃん、その人を閉鎖していた離れの館まで連れて行って、しばらくすると札束がはみでるくらい入った紙袋抱えて帰ってきて。
なんかいけないことなんだろうな、って幼いながら思って。
あ、でもおばあちゃんとっても優しかったんです。館のこと以外はとても優しくて、ご飯は絶対一緒に食べたし、勉強もみてくれて…
おばあちゃんが死んでしまってから、さっきみたいにお礼を言いたいって色々持ってきてくれて…さっきの人は先生が…先客がいらっしゃることを言ったら帰って行かれました」
五条は納得すると仏壇の周りのたくさん積み上げられたお供え物を見渡した。
きみのおばあちゃん館でお祓いしてたのかな?と五条はいうとたぶん、と夢が言うと同時に何かを思い出したかのように戸棚へと向かった。
五条に例の茶封筒をみせた。
「これ、おばあちゃんが亡くなって見覚えのないこの封筒をみつけて。確かにおばあちゃんの字で私の名前が書いてあるんですけど」
中身が…と言いかけると、五条がすっと中の白い和紙を手に取った見てもいいか聞くと夢は白紙なんです。という。
五条がぱらぱらと広げるとじんわりと達筆な筆遣いで文章が現れた。
夢は驚きを隠せない。自分で白紙だったことを確認したのに。
「これ、呪術高専の者じゃないと現れないように加工されてたんだね。夢ちゃん読む?」
夢が手に取るとそこにあるのは確かに祖母の字だった。
五条も気になるだろうと読み上げた。
「この手紙を読めているということは、呪術高等学校の教員または関係者があなたと一緒にいることだと思います。そして私はこの世からいなくなっているでしょう。
自分の力には気づいていますか?あなたは祓い、そして癒す力があるのです。私はその癒す力を医療の現場で使ってきました。
あなたが両親を亡くし、私は呪術高等学校を辞めました。あなたを成人するまで経済的に余裕があるように、個人としてお祓いを行ってきました。私のいままでの看護婦としての仕事ではあなたを育て、守れなかった。館で知らない人を招き入れ、あなたには怖い思いをさせたと思います。おばあちゃんを許してください。
いままで貯めたお金はあなたの口座に入っています。学業の為、将来の為につかってください。全てあなたのものです。
この平屋と館ですが、適切に処分してください。お願いです。あなたの思い出もたくさんあると思います、でも思いは念へとかわり、また悪さをするでしょう。
最後にその呪術高等学校の方についていきなさい。あなたは私のような呪術師にならないできちんと教育を受け、道を開いてください。きっと大丈夫です。
世音 」
五条は手紙を読み上げぽろぽろとまた泣き出す夢をじっとみていた。
やはりこの子は世音の力を継いでいる…五条は夢の頭をそっとなでた。
「先生…着いて行ってもいいですか」
泣き顔で見上げてくる夢にもちろん。と一言いうと外で待っていた伊地知を呼んだ。
伊地知が平屋と館が適切な処理がされるように手続きを行うと夢は必要最低限のものをカバンに詰めて部屋から出てきた。
忘れ物はない?と五条がいうと祖母の仏壇に目をやった。
「あの…仏壇ってどうしたらいんですかね」
「こちらで学校内の適切な場所に移動させますので安心してください」
夢は伊地知に笑顔でお礼を言うと五条が小声でかわいいよね~とニヤニヤする。
伊地知は咳払いをし、メモを取り終えると夢を車に乗せた。
伊地知は早朝我々で適切な掃除 をするので安心してください。という玄関の戸と家の全体を特殊なテープを張り巡らせ三人は呪術高専へと向かった。
車内に着信音が鳴り響く。
「お、恵だ。もしもーし?え?なに?よく聞こえない。あーそう。とりあえずそっち行くわ」
電話を切ると、仙台で恵がてこずってるみたいだから東京駅まで、というと伊地知に伝えると、夢さんは?という問いに、そうだ一緒に行こう、と笑顔で後部座席隣に座った夢に目を向ける。
伊地知は彼女は学校へ届けた方がいいんじゃないでしょうか…という問いもむなしく車は予定を変更して東京駅へと向かった。
都内と言っても都心から離れた木々が生い茂る中、大きな学校がある。東京都立呪術高等専門学校だ。
表向きには宗教系の学校とされている。
そこの教員でもある五条悟が、一室に貼られてあったお札が燃え焦げ、消えかかっていることに気づいた。
「こ、こ、このお札!? …えーと、なんだっけ」
首をかしげる五条。この男、最強の呪術師でもあるのだ。
「あ、学長!ちょうどよかった。ここに貼ってあったお札なんでしたっけ?」
「なんだ悟、会議に向かったんじゃないのか」
この学校の学長でもある夜蛾正道が足を止めた。
壁に目を向けると、学長は記憶をたどる。
「それは確かここに勤務していた世音さんの札じゃないか?」
「よねぇ…?あ!反転術式使えったっていう?」
「ああ、世音さん随分まえの講師だからな。俺も詳しくはわからない。ただ、
「その子、術式使えないですかね」
反転術式が使える人物は貴重だ、調べてみる価値はあるな、と学長がうなずく。
五条は御札の痕跡をたよりに世音のもとへ向かった。
補助監督の伊地知が運転する車で御札の痕跡をたどっていた。
案外学校から近いな、と雑木林に囲まれた平屋を見つけた。明かりがついている。車を止め、五条はさっそうと降りた。
五条はためらうことなく呼び鈴を押す。しばらくすると引き戸をガラガラと開けると少女がたっていた。
自分が受け持っている高校生ぐらいの子かな?と思いながら少女に挨拶する。
「突然すみません。世音さんのことでやってきた者です」
亡くなったと決めつけるのも野暮なので会いに来た形で接触する。
目隠しした2メートル近い黒ずくめの五条をためらうことなく夢は受け入れた。
「仏壇はこちらです」
やはり亡くなったのか、とお線香をあげて手を合わせる。
仏壇の周りとその一角にフルーツやお花が山のように積んである。
お盆にお茶を乗せて夢が戻ってきた。
五条はいつのことですか?と聞くと夢は顔を上げ、一昨日です。と言葉少なく答える。
五条は夢の顔を見て目は泣きつかれているようではあったが、凛としてなかなかの美人さんだな。と感心する。
「あの…祖母とはどういうご関係で?」
ウソをついてもしょうがないな、と五条は包み隠さず世音さんが勤務していた高校の現教員です。と告げると夢は唇を震わせ、五条をしばらく見つめる。
「あ、あの…本当にその高校って実在するんですか…そこに行けば祖母のことがわかるとおもって…い、いくら探してもみつからなくて…」
大きな瞳からぽたぽたと大粒の涙が落ちる。
なにも聞いてないのか、呪術高専は表向き宗教の私立高ってなってるからなぁと五条は頭をかく。
「うん、あるよ。世音さんは特別な人だったからね。僕は直接会ったことはないけど、話はきいてたよ。でここに来た、ってわけ」
「あの…失礼ですが先生のお名前は?」
「五条悟」
「聞いたことあるような…」
自分の名前を知ってるということはあながち普通の子、てことはなさそうだなと五条は夢を見つめる。
「君の名前は?」
「夜野 夢です」
「いくつかな?」
「15です」
五条が受け持ってる恵と同じ歳かとうなずく。
ごめんください、と玄関で声がした。
夢が立ち上がり、五条も客人に気づかれないようそっと玄関に目を向ける。
背の低い男の後ろにはまぎれもない呪霊がついている。呪霊と言っても悪さはしないであろうと五条は目をやる。
夢が客人と一言二言玄関で話し終えると、男性はではまたと背を向け、その瞬間夢の手がぽうと光り、背中の呪霊を祓った。相手に気づかれず、そっと。
五条は関心して戸を閉めた夢に声をかける。
「夢ちゃん、もしかして見えてる?」
夢は驚いた顔をしたと思ったら下を向いたまま、信じてくれますか? と五条に問いかけた。
「僕も見えてるっていうかそういう職業だから」
五条はにかっと白い歯をみせる。
「ほ、本当に?もしかして先生の学校って…」
そういう学校。とまた笑顔で答えると夢は泣いてしまった。
「自分だけみえてるんじゃないかってずっとずっと思ってて、でもおばあちゃんに怖くて聞けなくて…」
五条はそっと夢の頭に手をおき、ぽんぽんと優しくなでる。
居間に戻ると夢が少しづつ話し始めた。
「私が物心つくころ、おばあちゃんは人を招かなくなって、それまでは毎日いろんな人がきてたんです。具体的になにするかは教えてくれなかったんですけど。でもある日、館を閉めてしばらくしたら、一人の男性が現れて。私は客人がくると絶対部屋からでてはいけなかったんです。でも気になって。
覗いてみたら男の人に黒いおどろおどろしいものがついてて…おばあちゃん、その人を閉鎖していた離れの館まで連れて行って、しばらくすると札束がはみでるくらい入った紙袋抱えて帰ってきて。
なんかいけないことなんだろうな、って幼いながら思って。
あ、でもおばあちゃんとっても優しかったんです。館のこと以外はとても優しくて、ご飯は絶対一緒に食べたし、勉強もみてくれて…
おばあちゃんが死んでしまってから、さっきみたいにお礼を言いたいって色々持ってきてくれて…さっきの人は先生が…先客がいらっしゃることを言ったら帰って行かれました」
五条は納得すると仏壇の周りのたくさん積み上げられたお供え物を見渡した。
きみのおばあちゃん館でお祓いしてたのかな?と五条はいうとたぶん、と夢が言うと同時に何かを思い出したかのように戸棚へと向かった。
五条に例の茶封筒をみせた。
「これ、おばあちゃんが亡くなって見覚えのないこの封筒をみつけて。確かにおばあちゃんの字で私の名前が書いてあるんですけど」
中身が…と言いかけると、五条がすっと中の白い和紙を手に取った見てもいいか聞くと夢は白紙なんです。という。
五条がぱらぱらと広げるとじんわりと達筆な筆遣いで文章が現れた。
夢は驚きを隠せない。自分で白紙だったことを確認したのに。
「これ、呪術高専の者じゃないと現れないように加工されてたんだね。夢ちゃん読む?」
夢が手に取るとそこにあるのは確かに祖母の字だった。
五条も気になるだろうと読み上げた。
「この手紙を読めているということは、呪術高等学校の教員または関係者があなたと一緒にいることだと思います。そして私はこの世からいなくなっているでしょう。
自分の力には気づいていますか?あなたは祓い、そして癒す力があるのです。私はその癒す力を医療の現場で使ってきました。
あなたが両親を亡くし、私は呪術高等学校を辞めました。あなたを成人するまで経済的に余裕があるように、個人としてお祓いを行ってきました。私のいままでの看護婦としての仕事ではあなたを育て、守れなかった。館で知らない人を招き入れ、あなたには怖い思いをさせたと思います。おばあちゃんを許してください。
いままで貯めたお金はあなたの口座に入っています。学業の為、将来の為につかってください。全てあなたのものです。
この平屋と館ですが、適切に処分してください。お願いです。あなたの思い出もたくさんあると思います、でも思いは念へとかわり、また悪さをするでしょう。
最後にその呪術高等学校の方についていきなさい。あなたは私のような呪術師にならないできちんと教育を受け、道を開いてください。きっと大丈夫です。
世音 」
五条は手紙を読み上げぽろぽろとまた泣き出す夢をじっとみていた。
やはりこの子は世音の力を継いでいる…五条は夢の頭をそっとなでた。
「先生…着いて行ってもいいですか」
泣き顔で見上げてくる夢にもちろん。と一言いうと外で待っていた伊地知を呼んだ。
伊地知が平屋と館が適切な処理がされるように手続きを行うと夢は必要最低限のものをカバンに詰めて部屋から出てきた。
忘れ物はない?と五条がいうと祖母の仏壇に目をやった。
「あの…仏壇ってどうしたらいんですかね」
「こちらで学校内の適切な場所に移動させますので安心してください」
夢は伊地知に笑顔でお礼を言うと五条が小声でかわいいよね~とニヤニヤする。
伊地知は咳払いをし、メモを取り終えると夢を車に乗せた。
伊地知は早朝我々で
車内に着信音が鳴り響く。
「お、恵だ。もしもーし?え?なに?よく聞こえない。あーそう。とりあえずそっち行くわ」
電話を切ると、仙台で恵がてこずってるみたいだから東京駅まで、というと伊地知に伝えると、夢さんは?という問いに、そうだ一緒に行こう、と笑顔で後部座席隣に座った夢に目を向ける。
伊地知は彼女は学校へ届けた方がいいんじゃないでしょうか…という問いもむなしく車は予定を変更して東京駅へと向かった。