NOCバレした先輩と信頼関係?を築く話
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※諸伏景光の偽名を緑川唯としています。
第八話
「我慢しろ」
小さく絞った鋭い声に、体は素直に従った。
上官の命令は絶対である。声の割にはずいぶん申し訳なさそうな青い目が私を射抜く。了解しました、瞬き一つでそう返した。近づいてくる唇を、瞼を閉じて受け入れる。
▽▽▽▽▽
「はー、緊張した。先輩、降谷さんは至近距離で見てもきれいなお肌してました」
「ゼロ? いいや、話はあとで聞く。環、手を洗って口をゆすいでこい」
「はーい!」
子供にするような注意をもらってしまった。
慌てて洗面所へ向かって、手洗いうがいを済ませて部屋に戻る。座って待っていた先輩の向かいに座って、今日の報告にうつる。
「今日は降谷さんがパーティーに潜入するというので変装してパートナーを務めたんですけど」
「ああ、覚えてるよ」
「二人で会場を探ってたらあわや! みたいな展開になって」
「……お前今だいぶ端折ったな」
「詳しくはまた後で! それで、会場から抜け出して盛り上がっちゃったカップルを演じたんですけど」
「…………………………」
「至近距離で見た降谷さんのお肌がとてもきれいだったので、先輩にも報告しなくちゃとおもっ……あの、なんでそんな疲れ切った顔に?」
「どうせキスのフリをしただとか、そういう話だと分かってるのに……」
「え? すみません聞こえません、もう一度はっきりゆっくり喋ってもらえます?」
諸伏先輩が何かを言ったのは分かったが、全然聞き取れなかった。こちらに聞かせるつもりはないようで、先輩が目線だけで続きを促してくる。
「疑われてたのかなかなか警戒が外れなかったので、とっても申し訳なさそうなお顔の降谷さんに首にキスされました。――って報告をしておけと指示を受けたので報告します」
「ゼロから?」
「はい。必ず諸伏先輩に報告を上げるようにと。……指示なくてもちゃんと報告するのに。降谷さんの中では私はまだまだってことですよね。もっと精進します!」
「……頑張れ」
あんまり心のこもらない応援を受けた。そうだよな、私への評価は実質諸伏先輩への評価だもんな、申し訳ない。
今日の仕事自体はうまく動けていたと思うし実際それに関してお褒めの言葉もあったし、自分ではなかなか良かったんじゃないかと思ってたんだけど。最後に「今日の報告を必ずあいつに上げること。いいか、絶対だぞ」って念押しされてちょっぴりショックだった。
「ちなみにどのあたり?」
「え?」
「報告は細部まで」
「いや今のはちょっと考え事をしてただけです! えっと、首とは言いましたけど大分下の方だったので……逆セクハラになりません?」
「今回は目をつぶる」
そうか、逆セクハラにならないのか。ほっとしながら首元の詰まったシャツのボタンを上から二つほど外して開いて見せた。
「うわ」
「今更逆セクハラだって訴えないでくださいよ……?」
諸伏先輩の手が伸びてくる。首と肩の境目、鎖骨の間、そこから少し降りた胸元にほど近い部分に残るいくつかの痕の上を、肌に触れないようにして辿っていく。
着ていたパーティドレスを脱がなくても触れられるぎりぎりのラインがその辺だった筈だ。先輩の指先が胸元に触れて、びっくりしすぎてちょっと飛び上がってから後ずさる。
「さすがにセクハラですよ!」
「おま……ゼロには許しておいて……」
「職務ですから! 我慢しろって命令も受けましたし」
「……ごめん、今は環が正しい」
目を逸らした先輩がもういいと言ったので慌ててボタンをとめていく。驚きすぎたのかちょっと手が震えている。
あれ、降谷さんの唇が触れた時はこんな風にはならなかったのにな。まああれは仕事中だったしそれでかな? と思っていたらもう一度ごめんと謝る声が聞こえてきた。
「飼い主をとられたような気持ちになった」
諸伏先輩の頭に、ぺたりと伏せた犬耳が見えた気がして目をこする。
そうだ、実家の愛犬もよそのうちの子を撫でた後ひどくわがままなそぶりを見せることがあったと思い出す。それで様子がおかしかったのかと納得してしまい、思わず笑った。
両手を広げると、ん、といつものように頭を差し出してくる。なんだかんだこの人も愛犬のあんみつことみっちゃんのように可愛がられることを喜んでいるのを、もう知っている。わっしゃっしゃと思いきり毛並みを乱してやっていたら、小さな拗ねたような声が聞こえてきた。
「もしオレが」
「はい?」
「今、我慢しろって命令したら、聞く?」
「は? 普通に嫌ですけど」
上官命令は絶対だが、それだって聞かなくていい状況と場合があるんだと教えたのはそっちでは。
仕事上必要にかられたのならともかく……諸伏先輩にキスされるなんて、
「え」
「ん?」
諸伏先輩に――キス?
今日の降谷さんの姿が、一瞬で諸伏先輩に置き換わる。
我慢しろ、そう言われて唇が降ってきて、舌が肌を這い、吸われる。首筋に近い肩、鎖骨の周辺、先ほど触れられた胸元。
ぞわり、得体の知れない感覚が背筋を駆け抜けた。
頭を撫でていた手がいつの間にか動きを止めてしまっている。不思議そうに顔を上げた先輩が私の顔を見て、眉を寄せた。
「お前、ゼロのこと男として見れないって言ってなかった?」
「みみみみ、見てませんよ!」
「鏡見てくれば? ……いや、風呂入ってきな。洗い流してからそのほかの報告を聞く」
「はい!!」
助かった。……たすかった? なにが?
逃げるように飛び込んだ風呂場で、鏡を見てちょっと消えたくなった。
誰か私の体を透明にして。上気した頬が、みっともない。
こんな顔を、彼に、尊敬する諸伏先輩に見せたのかと思うといたたまれない。肌に残る鬱血痕を、彼が残したのだと想像してこうなっただなんて、絶対に、絶対に……! 悟られたくない! シャワーを捻って、冷水を浴びた。
お願い早く冷めて!!
▽▽▽▽▽
「緑川さん、環さんと喧嘩でもしたんですか?」
梓さんがそう尋ねてきたのは、客が引けたタイミングだった。溜まっていた洗い物をするためにシンクに向かいながら、女性は鋭いなと内心で舌を巻く。
先日恋人偽装のために来店した後輩も、もちろんオレも、なにも変わりなく振舞ったはずだ。悟らせるような真似はしていない。少し迷った後、肯定しておくことにする。
「オレが、環の職場の同僚に嫉妬して困らせたんです」
何一つ嘘のない、ただの真実を告げた。
仕事の上で必要だったと理解していたにも関わらずゼロに嫉妬して、思わずきわどいところに残された痕に触れて驚かせて、あまつさえ命令したなら触っていいのかと聞いたあの日を思い出す。
オレが触れたことでどうやらゼロとの行為を思い出したらしい後輩の顔まで一緒に思い出されて、眉が寄るのをどうにか堪える。いや、堪えきれなかったようで梓さんが笑った気配がした。
「緑川さん結構嫉妬深いですもんね」
「環にはそれが分かってもらえてないみたいで……」
これぐらい理解できない男には君の相手は務まらない。数年前の自分の言葉が深く刺さって痛い。オレはどの立場でものを言ってたんだろう。
オレが何の報告も受けずに首筋の鬱血痕に気づいたらまずかろうと、そう後輩の身を気遣った幼馴染に心の内で告げる。オレたちはまだ何もしてないし、なんなら後輩はそんなつもりは毛頭ないんだよ…。だから報告がなかったら、絶対に気づかなかったしこんなことにもなってなかったと思うんだ。
ちょっとこれはゼロに八つ当たりしてるな。
「実際、好きなのはオレばっかりなんで」
余計なことを口にしてしまって、はっとする。梓さんがテーブルの上を拭く手を止めてオレの顔をまじまじと見つめている。
「当事者って、分からないものなんですかね」
「はい?」
「いいえ。……ふふ、やっぱり一つ教えてあげます。この間安室さんが教えてくれたんですけど」
安室。この事態の原因の名前に眉が寄りそうになって今度こそ我慢して、軽く頷いて続きを待った。
「緑川さんの首元の指輪を見た後は、絶対に自分の指輪を撫でてるんだそうですよ」
「――は?」
「無意識だろうって言ってました。可愛いですよね」
喜びそうになって、すぐに思い当たった。それは多分……もう一方のバイト先でマダム達に茶化され祝福されて大変だったことを思い出しているのでは?
オレが素直に喜ばなかったからだろう、梓さんがちょっと頬を膨らませている。
「嫉妬しすぎて愛想つかされちゃっても知りませんからね」
「……気をつけます」
後輩よりもさらに年下の梓さんの言葉に、深く頷いた。そうだ、そもそも嫉妬する権利はオレにはない。オレはただの先輩で、将来の相棒だ。彼女はオレを男として見ようとしない。
指を絡めても顔を近づけてもなんなら抱きしめてみても……まるで手ごたえを感じない。
別れたくない、過去の恋愛のせいでそう言って別ればかり気にする後輩は、オレがもし彼女と付き合えたなら別れるつもりなど毛頭ないのだと、そう考えていることを一ミリも理解していないだろう。焦燥感にかられるが、とにもかくにも男として意識してもらわねば、スタートラインにすら立てていない。まさかゼロに負けるとは。
ゼロを思って上気したのだろう頬に心の底からイラっときて、記憶から消すことにした。
続く
第八話
「我慢しろ」
小さく絞った鋭い声に、体は素直に従った。
上官の命令は絶対である。声の割にはずいぶん申し訳なさそうな青い目が私を射抜く。了解しました、瞬き一つでそう返した。近づいてくる唇を、瞼を閉じて受け入れる。
▽▽▽▽▽
「はー、緊張した。先輩、降谷さんは至近距離で見てもきれいなお肌してました」
「ゼロ? いいや、話はあとで聞く。環、手を洗って口をゆすいでこい」
「はーい!」
子供にするような注意をもらってしまった。
慌てて洗面所へ向かって、手洗いうがいを済ませて部屋に戻る。座って待っていた先輩の向かいに座って、今日の報告にうつる。
「今日は降谷さんがパーティーに潜入するというので変装してパートナーを務めたんですけど」
「ああ、覚えてるよ」
「二人で会場を探ってたらあわや! みたいな展開になって」
「……お前今だいぶ端折ったな」
「詳しくはまた後で! それで、会場から抜け出して盛り上がっちゃったカップルを演じたんですけど」
「…………………………」
「至近距離で見た降谷さんのお肌がとてもきれいだったので、先輩にも報告しなくちゃとおもっ……あの、なんでそんな疲れ切った顔に?」
「どうせキスのフリをしただとか、そういう話だと分かってるのに……」
「え? すみません聞こえません、もう一度はっきりゆっくり喋ってもらえます?」
諸伏先輩が何かを言ったのは分かったが、全然聞き取れなかった。こちらに聞かせるつもりはないようで、先輩が目線だけで続きを促してくる。
「疑われてたのかなかなか警戒が外れなかったので、とっても申し訳なさそうなお顔の降谷さんに首にキスされました。――って報告をしておけと指示を受けたので報告します」
「ゼロから?」
「はい。必ず諸伏先輩に報告を上げるようにと。……指示なくてもちゃんと報告するのに。降谷さんの中では私はまだまだってことですよね。もっと精進します!」
「……頑張れ」
あんまり心のこもらない応援を受けた。そうだよな、私への評価は実質諸伏先輩への評価だもんな、申し訳ない。
今日の仕事自体はうまく動けていたと思うし実際それに関してお褒めの言葉もあったし、自分ではなかなか良かったんじゃないかと思ってたんだけど。最後に「今日の報告を必ずあいつに上げること。いいか、絶対だぞ」って念押しされてちょっぴりショックだった。
「ちなみにどのあたり?」
「え?」
「報告は細部まで」
「いや今のはちょっと考え事をしてただけです! えっと、首とは言いましたけど大分下の方だったので……逆セクハラになりません?」
「今回は目をつぶる」
そうか、逆セクハラにならないのか。ほっとしながら首元の詰まったシャツのボタンを上から二つほど外して開いて見せた。
「うわ」
「今更逆セクハラだって訴えないでくださいよ……?」
諸伏先輩の手が伸びてくる。首と肩の境目、鎖骨の間、そこから少し降りた胸元にほど近い部分に残るいくつかの痕の上を、肌に触れないようにして辿っていく。
着ていたパーティドレスを脱がなくても触れられるぎりぎりのラインがその辺だった筈だ。先輩の指先が胸元に触れて、びっくりしすぎてちょっと飛び上がってから後ずさる。
「さすがにセクハラですよ!」
「おま……ゼロには許しておいて……」
「職務ですから! 我慢しろって命令も受けましたし」
「……ごめん、今は環が正しい」
目を逸らした先輩がもういいと言ったので慌ててボタンをとめていく。驚きすぎたのかちょっと手が震えている。
あれ、降谷さんの唇が触れた時はこんな風にはならなかったのにな。まああれは仕事中だったしそれでかな? と思っていたらもう一度ごめんと謝る声が聞こえてきた。
「飼い主をとられたような気持ちになった」
諸伏先輩の頭に、ぺたりと伏せた犬耳が見えた気がして目をこする。
そうだ、実家の愛犬もよそのうちの子を撫でた後ひどくわがままなそぶりを見せることがあったと思い出す。それで様子がおかしかったのかと納得してしまい、思わず笑った。
両手を広げると、ん、といつものように頭を差し出してくる。なんだかんだこの人も愛犬のあんみつことみっちゃんのように可愛がられることを喜んでいるのを、もう知っている。わっしゃっしゃと思いきり毛並みを乱してやっていたら、小さな拗ねたような声が聞こえてきた。
「もしオレが」
「はい?」
「今、我慢しろって命令したら、聞く?」
「は? 普通に嫌ですけど」
上官命令は絶対だが、それだって聞かなくていい状況と場合があるんだと教えたのはそっちでは。
仕事上必要にかられたのならともかく……諸伏先輩にキスされるなんて、
「え」
「ん?」
諸伏先輩に――キス?
今日の降谷さんの姿が、一瞬で諸伏先輩に置き換わる。
我慢しろ、そう言われて唇が降ってきて、舌が肌を這い、吸われる。首筋に近い肩、鎖骨の周辺、先ほど触れられた胸元。
ぞわり、得体の知れない感覚が背筋を駆け抜けた。
頭を撫でていた手がいつの間にか動きを止めてしまっている。不思議そうに顔を上げた先輩が私の顔を見て、眉を寄せた。
「お前、ゼロのこと男として見れないって言ってなかった?」
「みみみみ、見てませんよ!」
「鏡見てくれば? ……いや、風呂入ってきな。洗い流してからそのほかの報告を聞く」
「はい!!」
助かった。……たすかった? なにが?
逃げるように飛び込んだ風呂場で、鏡を見てちょっと消えたくなった。
誰か私の体を透明にして。上気した頬が、みっともない。
こんな顔を、彼に、尊敬する諸伏先輩に見せたのかと思うといたたまれない。肌に残る鬱血痕を、彼が残したのだと想像してこうなっただなんて、絶対に、絶対に……! 悟られたくない! シャワーを捻って、冷水を浴びた。
お願い早く冷めて!!
▽▽▽▽▽
「緑川さん、環さんと喧嘩でもしたんですか?」
梓さんがそう尋ねてきたのは、客が引けたタイミングだった。溜まっていた洗い物をするためにシンクに向かいながら、女性は鋭いなと内心で舌を巻く。
先日恋人偽装のために来店した後輩も、もちろんオレも、なにも変わりなく振舞ったはずだ。悟らせるような真似はしていない。少し迷った後、肯定しておくことにする。
「オレが、環の職場の同僚に嫉妬して困らせたんです」
何一つ嘘のない、ただの真実を告げた。
仕事の上で必要だったと理解していたにも関わらずゼロに嫉妬して、思わずきわどいところに残された痕に触れて驚かせて、あまつさえ命令したなら触っていいのかと聞いたあの日を思い出す。
オレが触れたことでどうやらゼロとの行為を思い出したらしい後輩の顔まで一緒に思い出されて、眉が寄るのをどうにか堪える。いや、堪えきれなかったようで梓さんが笑った気配がした。
「緑川さん結構嫉妬深いですもんね」
「環にはそれが分かってもらえてないみたいで……」
これぐらい理解できない男には君の相手は務まらない。数年前の自分の言葉が深く刺さって痛い。オレはどの立場でものを言ってたんだろう。
オレが何の報告も受けずに首筋の鬱血痕に気づいたらまずかろうと、そう後輩の身を気遣った幼馴染に心の内で告げる。オレたちはまだ何もしてないし、なんなら後輩はそんなつもりは毛頭ないんだよ…。だから報告がなかったら、絶対に気づかなかったしこんなことにもなってなかったと思うんだ。
ちょっとこれはゼロに八つ当たりしてるな。
「実際、好きなのはオレばっかりなんで」
余計なことを口にしてしまって、はっとする。梓さんがテーブルの上を拭く手を止めてオレの顔をまじまじと見つめている。
「当事者って、分からないものなんですかね」
「はい?」
「いいえ。……ふふ、やっぱり一つ教えてあげます。この間安室さんが教えてくれたんですけど」
安室。この事態の原因の名前に眉が寄りそうになって今度こそ我慢して、軽く頷いて続きを待った。
「緑川さんの首元の指輪を見た後は、絶対に自分の指輪を撫でてるんだそうですよ」
「――は?」
「無意識だろうって言ってました。可愛いですよね」
喜びそうになって、すぐに思い当たった。それは多分……もう一方のバイト先でマダム達に茶化され祝福されて大変だったことを思い出しているのでは?
オレが素直に喜ばなかったからだろう、梓さんがちょっと頬を膨らませている。
「嫉妬しすぎて愛想つかされちゃっても知りませんからね」
「……気をつけます」
後輩よりもさらに年下の梓さんの言葉に、深く頷いた。そうだ、そもそも嫉妬する権利はオレにはない。オレはただの先輩で、将来の相棒だ。彼女はオレを男として見ようとしない。
指を絡めても顔を近づけてもなんなら抱きしめてみても……まるで手ごたえを感じない。
別れたくない、過去の恋愛のせいでそう言って別ればかり気にする後輩は、オレがもし彼女と付き合えたなら別れるつもりなど毛頭ないのだと、そう考えていることを一ミリも理解していないだろう。焦燥感にかられるが、とにもかくにも男として意識してもらわねば、スタートラインにすら立てていない。まさかゼロに負けるとは。
ゼロを思って上気したのだろう頬に心の底からイラっときて、記憶から消すことにした。
続く