NOCバレした先輩と信頼関係?を築く話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
第十五話
先日私が大暴走をかました結果、諸伏先輩…ヒロの恋人の座をゲットした。やったね! ……冷静になってみると羞恥で転げ回ってしまうぐらいの大暴走だった。
転げ回っている私を彼がにこにこ嬉しそうに見守ってくれていたことを報告します…。
手を繋ぐのは相変わらずで、そこにキスが加わった。最初はそっと重ねるだけだった唇。今は角度を何度も変えて深く合わせられ、薄く開いたヒロのそこから舌が伸びてきて、つう、と私の唇を舐めている。
「んっ…」
最初に会ったあの日、なんかこの人いろいろすごそうだなと思った私は、間違ってなかったんじゃないだろうか。
こんなに丁寧に唇を合わせたことがないので分からないが、舌をさし込まれたわけでもないのにその刺激に小さく体が跳ねるのは、そういうことなんじゃないかな。
恐怖からくるものではないと、判断したらしい。
唇を這っていた舌が、促すように私の唇の中心を突いてくる。羞恥でどうにかなりそう。処女でもないのにそう思って、そろそろと唇を開いて迎え入れた。
熱い舌が口内に入ってきて、逃げ腰の私の舌をあっという間に捕まえてしまう。舌を絡めて、軽く吸われて、彼の唾液を移されてそれを必死に飲み込む。
鼻にかかる甘い媚びたような自分の声に、ぎくりとした。
「ぁっ……ひ、ヒロ! タイム!」
「いいよ」
私が声を上げるより先に、彼はちゃんと離れる体勢に移っていた。恐怖というわけではなくて羞恥でパニックになりながら、私はヒロの手をぎゅうと握った。
怖かったら握ってと言われているけれど、今のところ安心したいから握った事しかない。
「このっ、このっ、……すけこまし!」
「うんうん、言葉選びを間違ってるけど可愛く恥じらってくれて嬉しい」
「……もう、いっそ抱いてくれませんか…ほんと、このじわじわ進められる感じが恥ずかしすぎるんです…」
「環を怖がらせるような真似はしない。忘れたのか?」
たとえ怖がったっていいんじゃないの。だって私自身は、私の心は、それを望んでるのに。そう思ったのが、きちんと伝わったらしい。
ヒロが一つため息をついて、長めの瞬きをする。それが彼の本能的な欲求を逃がすための仕草なのだと、もう知っている。
「大事にしたい」
「……うん」
「とはいえ、ちょっとぐらっときた」
「ふふっ……うん」
頷いたら、タイムが終わったと判断したらしい。ヒロが目だけでいい? って聞いてくるので瞼を閉じる。かぶりつくように合わせられた唇に、中に侵入してきた舌に、今度はこちらから応えてみることにした。
熱い舌に自分の舌を這わせて、根元から先端までを味わう。すぐに攻守は覆って同じようにされて、強く舌を吸われる。ぢゅっ、音が響く。
受け止めきれない唾液が口の端から垂れた。頭の芯がじんと痺れて、ヒロがくれる刺激しか分からなくなっていく。
唇が離れていく感覚に目を開けたら、二人の間に繋がった銀糸がぷつりと切れたところだった。
「んっ……は、ぁ…ヒロ…」
「っ…誘惑、しないでくれ…」
「ぁ……え…? なに…?」
ヒロが何かを言ったのは分かるけど、頭が回らなくて意味までは理解できない。とりあえず離れた唇が恋しくて、身を寄せた。
気持ちいい、もっとキスしたい。そう思った。
ヒロはなんだかぎくりとしていて、いつだったかと逆だなって思いながら、彼の唇にかぶりつく。待って、そう聞こえた気もする。
今度は向こうの舌が逃げ腰になっている。追いかけようとしたら、ぐいと肩を押されてしまった。
「…やぁ!なんで?!」
「…っ、お前な…止まらなくなるだろ…!」
ちょっと大きな声にびくりと肩が跳ねて、私はきょとんとした顔を浮かべたんだと思う。
相変わらずヒロが何を言ったのかはまるで理解していないが、自分が何をしたかは覚えている。一瞬で顔が熱くなった。
「ごっ……ごめんなさい!!」
こんな、こんなことは初めてだ。いつだって、最悪の初体験を終えた後いつだって濡れなかったらどうしようって不安で身構えてばかりでそればっかり気になって、キスやセックスに集中したことなんてない。
キスだけでこんな風に乱してくるなんて……やっぱこの人いろいろすごいんだな…。
「環に素質があるってだけの話なんじゃないのか…」
「……なんか今ものすごく下品なことを言われてる気がする」
「キスだけでそんなとろとろな顔してるお前を見たら、あながち間違いじゃないと思う」
「とろとろ!? そんな顔してませんけど!」
「鏡見てくれば? ……というか、ちょっとオレを一人にしてほしい」
「あの、別にほんとに…シましょうよ」
「…………大事にしたいって言ってるだろ」
「私がしたいって言うのを無視しても!?」
「やめろやめろやめてくれ……!!」
なんで私がヒロを手籠めにしようとしてる感じになってるんだ。私はふと思いついたことを、そのまま何も考えずに声に出していた。
「あ。じゃあ口で」
「それ以上の発言を禁止する」
久々の命令である。
一気に冷えたヒロの目に、私は己の発言が迂闊なものであったことを自覚した。
めちゃくちゃ怒られた。もっと自分を大事にしろっていうお叱りだったので、素直に聞きました。
続く
先日私が大暴走をかました結果、諸伏先輩…ヒロの恋人の座をゲットした。やったね! ……冷静になってみると羞恥で転げ回ってしまうぐらいの大暴走だった。
転げ回っている私を彼がにこにこ嬉しそうに見守ってくれていたことを報告します…。
手を繋ぐのは相変わらずで、そこにキスが加わった。最初はそっと重ねるだけだった唇。今は角度を何度も変えて深く合わせられ、薄く開いたヒロのそこから舌が伸びてきて、つう、と私の唇を舐めている。
「んっ…」
最初に会ったあの日、なんかこの人いろいろすごそうだなと思った私は、間違ってなかったんじゃないだろうか。
こんなに丁寧に唇を合わせたことがないので分からないが、舌をさし込まれたわけでもないのにその刺激に小さく体が跳ねるのは、そういうことなんじゃないかな。
恐怖からくるものではないと、判断したらしい。
唇を這っていた舌が、促すように私の唇の中心を突いてくる。羞恥でどうにかなりそう。処女でもないのにそう思って、そろそろと唇を開いて迎え入れた。
熱い舌が口内に入ってきて、逃げ腰の私の舌をあっという間に捕まえてしまう。舌を絡めて、軽く吸われて、彼の唾液を移されてそれを必死に飲み込む。
鼻にかかる甘い媚びたような自分の声に、ぎくりとした。
「ぁっ……ひ、ヒロ! タイム!」
「いいよ」
私が声を上げるより先に、彼はちゃんと離れる体勢に移っていた。恐怖というわけではなくて羞恥でパニックになりながら、私はヒロの手をぎゅうと握った。
怖かったら握ってと言われているけれど、今のところ安心したいから握った事しかない。
「このっ、このっ、……すけこまし!」
「うんうん、言葉選びを間違ってるけど可愛く恥じらってくれて嬉しい」
「……もう、いっそ抱いてくれませんか…ほんと、このじわじわ進められる感じが恥ずかしすぎるんです…」
「環を怖がらせるような真似はしない。忘れたのか?」
たとえ怖がったっていいんじゃないの。だって私自身は、私の心は、それを望んでるのに。そう思ったのが、きちんと伝わったらしい。
ヒロが一つため息をついて、長めの瞬きをする。それが彼の本能的な欲求を逃がすための仕草なのだと、もう知っている。
「大事にしたい」
「……うん」
「とはいえ、ちょっとぐらっときた」
「ふふっ……うん」
頷いたら、タイムが終わったと判断したらしい。ヒロが目だけでいい? って聞いてくるので瞼を閉じる。かぶりつくように合わせられた唇に、中に侵入してきた舌に、今度はこちらから応えてみることにした。
熱い舌に自分の舌を這わせて、根元から先端までを味わう。すぐに攻守は覆って同じようにされて、強く舌を吸われる。ぢゅっ、音が響く。
受け止めきれない唾液が口の端から垂れた。頭の芯がじんと痺れて、ヒロがくれる刺激しか分からなくなっていく。
唇が離れていく感覚に目を開けたら、二人の間に繋がった銀糸がぷつりと切れたところだった。
「んっ……は、ぁ…ヒロ…」
「っ…誘惑、しないでくれ…」
「ぁ……え…? なに…?」
ヒロが何かを言ったのは分かるけど、頭が回らなくて意味までは理解できない。とりあえず離れた唇が恋しくて、身を寄せた。
気持ちいい、もっとキスしたい。そう思った。
ヒロはなんだかぎくりとしていて、いつだったかと逆だなって思いながら、彼の唇にかぶりつく。待って、そう聞こえた気もする。
今度は向こうの舌が逃げ腰になっている。追いかけようとしたら、ぐいと肩を押されてしまった。
「…やぁ!なんで?!」
「…っ、お前な…止まらなくなるだろ…!」
ちょっと大きな声にびくりと肩が跳ねて、私はきょとんとした顔を浮かべたんだと思う。
相変わらずヒロが何を言ったのかはまるで理解していないが、自分が何をしたかは覚えている。一瞬で顔が熱くなった。
「ごっ……ごめんなさい!!」
こんな、こんなことは初めてだ。いつだって、最悪の初体験を終えた後いつだって濡れなかったらどうしようって不安で身構えてばかりでそればっかり気になって、キスやセックスに集中したことなんてない。
キスだけでこんな風に乱してくるなんて……やっぱこの人いろいろすごいんだな…。
「環に素質があるってだけの話なんじゃないのか…」
「……なんか今ものすごく下品なことを言われてる気がする」
「キスだけでそんなとろとろな顔してるお前を見たら、あながち間違いじゃないと思う」
「とろとろ!? そんな顔してませんけど!」
「鏡見てくれば? ……というか、ちょっとオレを一人にしてほしい」
「あの、別にほんとに…シましょうよ」
「…………大事にしたいって言ってるだろ」
「私がしたいって言うのを無視しても!?」
「やめろやめろやめてくれ……!!」
なんで私がヒロを手籠めにしようとしてる感じになってるんだ。私はふと思いついたことを、そのまま何も考えずに声に出していた。
「あ。じゃあ口で」
「それ以上の発言を禁止する」
久々の命令である。
一気に冷えたヒロの目に、私は己の発言が迂闊なものであったことを自覚した。
めちゃくちゃ怒られた。もっと自分を大事にしろっていうお叱りだったので、素直に聞きました。
続く