出会えて良かった
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無事にたこ焼きを買った。屋台のおばちゃんに、「お似合いだねぇ」って茶化されて、顔が火照ってしまったけど、見れば立華さんも耳まで真っ赤で、タコみたいってからかったりした。
そのまま私は立華さんのオフィスにお邪魔することになった。今の時間はもうみんな仕事を終えて帰ったようで、オフィスはずいぶんともの寂しげでガランとしていた。
扉から入って正面、左側に並んだソファに腰を下ろす。続けて立華さんも隣に並んだ。
他愛もない会話をしながら、私たちは一つの器に入ったたこ焼きをつつく。
周りはサクサクで、皮が分厚くて。でも皮を破ってしまえばトロリと熱々の中身があふれ、赤いタコが顔を覗かせる。あのおばちゃん、相当作るのが上手なんだと思う。とっても美味しかった。立華さんは本当に久しぶりのたこ焼きだったみたいで、ずいぶん新鮮な反応を見せてくれた。舌の先をやけどしそうだって、慌てて飲み物入れてくれたり。やっぱり立華さんは、とってもかっこいいけど、とってもかわいい人だと思う。なんて。口には絶対出さないんだけど。
ゆっくりと時間をかけて二人でたこ焼きを食べていたら、無くなる頃にはすっかりたこ焼きも冷めてしまった。最後の一個は立華さんが譲ってくれた。
「すごく美味しかったです、ありがとうございました!」
頭を下げたら、立華さんが満足そうに笑って、そんな些細は表情の変化までもが愛しいなって思った。
時計を見ればもう二十時を回るところ。二時間ぐらい時間をかけて一つのたこ焼きを食べたのか……って思ったら全然二時間も時間が経ったとは思えなかった。
二十時。あと三十分ほどで、いつもお別れする時間。
お互いの生活を尊重して、夜遅くまでは会わない、と、最初に決めた私たちのルール。立華さんはポケベルも持っていないから、今離れてしまえば、また次回会える時まではお預けになってしまう。
寂しくない、と言ってしまえば嘘になる。それでも、彼と互いの生活を配慮して決めたことだから……ってちょっと我慢してしまっている気もする。
「こちらこそ、久しぶりに食べて、とても懐かしい気持ちになりました」
私が飲み物のお代わりを入れようとソファから立ち上がろうとすると、立華さんはそれを手でそっと静止して、「私が行って来ますよ」と声をかけてくれる。そんな小さな心遣いだけで、心臓がきゅっと締め付けられるような感覚。
やっぱり、立華さんが好きだなぁ。
改めて、当たり前のことを考えて、ほんのり頬が熱くなった気がした。
そのまま私は立華さんのオフィスにお邪魔することになった。今の時間はもうみんな仕事を終えて帰ったようで、オフィスはずいぶんともの寂しげでガランとしていた。
扉から入って正面、左側に並んだソファに腰を下ろす。続けて立華さんも隣に並んだ。
他愛もない会話をしながら、私たちは一つの器に入ったたこ焼きをつつく。
周りはサクサクで、皮が分厚くて。でも皮を破ってしまえばトロリと熱々の中身があふれ、赤いタコが顔を覗かせる。あのおばちゃん、相当作るのが上手なんだと思う。とっても美味しかった。立華さんは本当に久しぶりのたこ焼きだったみたいで、ずいぶん新鮮な反応を見せてくれた。舌の先をやけどしそうだって、慌てて飲み物入れてくれたり。やっぱり立華さんは、とってもかっこいいけど、とってもかわいい人だと思う。なんて。口には絶対出さないんだけど。
ゆっくりと時間をかけて二人でたこ焼きを食べていたら、無くなる頃にはすっかりたこ焼きも冷めてしまった。最後の一個は立華さんが譲ってくれた。
「すごく美味しかったです、ありがとうございました!」
頭を下げたら、立華さんが満足そうに笑って、そんな些細は表情の変化までもが愛しいなって思った。
時計を見ればもう二十時を回るところ。二時間ぐらい時間をかけて一つのたこ焼きを食べたのか……って思ったら全然二時間も時間が経ったとは思えなかった。
二十時。あと三十分ほどで、いつもお別れする時間。
お互いの生活を尊重して、夜遅くまでは会わない、と、最初に決めた私たちのルール。立華さんはポケベルも持っていないから、今離れてしまえば、また次回会える時まではお預けになってしまう。
寂しくない、と言ってしまえば嘘になる。それでも、彼と互いの生活を配慮して決めたことだから……ってちょっと我慢してしまっている気もする。
「こちらこそ、久しぶりに食べて、とても懐かしい気持ちになりました」
私が飲み物のお代わりを入れようとソファから立ち上がろうとすると、立華さんはそれを手でそっと静止して、「私が行って来ますよ」と声をかけてくれる。そんな小さな心遣いだけで、心臓がきゅっと締め付けられるような感覚。
やっぱり、立華さんが好きだなぁ。
改めて、当たり前のことを考えて、ほんのり頬が熱くなった気がした。
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