triad
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午後の授業が終わり、教室がザワつきはじめる。そんな中、炭治郎がなまえに話しかけた。
「なまえ、話があるんだ。放課後、何か用事はあるか?」
「ないけど…どうしたの?そんな、改まって…」
「大事な話なんだ。帰りのHRが終わったら、俺と伊之助以外のみんなが教室を出ていくまで待っててほしい」
「わかった…」
「なまえ、また明日ね」
「うん、バイバイ」
HRが終わり、炭治郎に言われた通りなまえは他のクラスメイトがいなくなるまで教室を出なかった。
なまえの友達が手を振り去っていったのを最後に、教室には炭治郎と伊之助、なまえの3人以外誰もいなくなった。
「炭治郎、話って何?」
一体何の話だろうと気になっていたなまえが、教室の窓から外を見ていた炭治郎に近づいた。
「うん……驚くかもしれないけど、聞いてほしいことがあるんだ。伊之助もおいで」
机に足を乗せて座っていた伊之助が、無言のまま炭治郎となまえの傍に寄ってきた。
「私と伊之助に関係ある話?」
「そうだな。俺たち3人に関係ある話だ」
勿体ぶるように中々話を切り出さない炭治郎と黙ったままの伊之助を、なまえは不思議に思い首を傾げた。
そんななまえを炭治郎は優しい目で見つめていたが、伊之助はそわそわと何やら落ち着かない様子だった。
「どうしたの?」
なまえの問いかけに、炭治郎が一呼吸置いて口を開いた。
「なまえ、俺も伊之助も同じ気持ちなんだ」
「同じ気持ち?あっ…」
炭治郎がなまえの片手を両手で包むように握りしめた。優しかった眼差しが熱を籠ったものに変わった。その視線がなまえを見つめて離さない。
「なまえのことが好きなんだ」
「炭治郎…?」
炭治郎の告白になまえが戸惑っていると、伊之助が空いているもう片方の手を取り、ぎゅっと指を絡めてきた。
「伊之助?」
「俺もなまえのことが好きだ」
炭治郎に負けないくらいの熱い視線で、伊之助がなまえを見つめる。
なまえの頭の中は真っ白になった。2人からの告白はなまえにとって、あまりにも突然すぎるものだった。
「俺も伊之助もなまえのことが好きなんだ…なまえは?」
「お前、俺たちのことどう思ってんだ」
「どうって、そんな」
「なまえが俺たちのどちらかを好きでも、他に好きな人がいたとしても、なまえの口から気持ちを聞かせてくれるなら諦めがつく。だから答えてくれないか?」
なまえは答えられなかった。
幼い頃からずっと傍でなまえのことを守って大事にしてくれた炭治郎のことも、マイペースで少し強引だけどいつもなまえを引っ張ってくれる伊之助のことも。
「ふ、2人とも、好きだなんて、そんな、私…」
本当に2人のことが好きだから、どちらかなんて決められない。
「無理だよ…」
「なまえ…」
「だって、炭治郎のことも、伊之助のことも好きだから…どっちが、好きだなんて、わ、わかんないよ…そんなこと、聞かれても…」
混乱するあまり、ぽろぽろとなまえが泣きはじめた。
「なまえ!?ご、ごめん…!なまえの気持ちも考えないで突然変なこと言って」
炭治郎はなまえの涙に弱い。なまえに泣かれるとどうしたらいいかわからない。だからいつもなまえが泣かないように守ってきた。
「ごめん」と言いながら、炭治郎が指でなまえの涙を拭う。
「変なことじゃねえだろ。好きだって気持ちの何が変なんだよ」
「大事なことだろ」と伊之助が少し怒ったような口調で言った。
「でも、なまえを困らせてしまったわけだし…なまえもビックリしたよな?ほ、本当にごめん」
しゃくりあげながら泣き続けるなまえの背中を炭治郎が優しくさする。
「なまえ、泣いてちゃわかんねえよ…俺も権八郎もただお前の気持ちが知りたかっただけなのに…」
「だって、急に、言われても…本当に好きだから、2人のこと、好きだもん…す、好きな人が2人いるなんて、おかしいから、私…」
「好きなやつが1人じゃなきゃダメなんて誰が決めたんだよ?」
「だ、誰も決めてないけど、でも…」
「なまえ、もういいよ。俺たちが悪かった」
泣きやまないなまえに謝る炭治郎も泣き出しそうな顔をしていた。
「だったらよお」
伊之助が炭治郎となまえを交互に見つめた。
「3人で付き合えばいいじゃんねえのか?」
「え…?」
驚きのあまりなまえの目から涙が引っ込む。
「伊之助?3人って…」
伊之助の言葉に炭治郎も困惑した。
「俺と権八郎のどっちかなんて決めらんねえんだろ?どっちも好きならそうするのが1番手っ取り早いんじゃねえか?」
「手っ取り早いって、そんなの」
「俺も権八郎もなまえのことが好き。なまえも俺たち2人のことが好き。何か問題あるか?」
伊之助が炭治郎となまえを交互に指さした。
「嫌っていうか、だって私ひとりしかいないし…だって、3人って、え、どうやって付き合うの?」
「どうやってって、2人でやることを3人でやればいいだけの話だろ」
さも当たり前かのように伊之助が言う。伊之助となまえのやり取りを聞いて、何かを考え込んでいた炭治郎が口を開いた。
「うん…そうだな、難しいこともあると思うけど、それが1番いいのかもしれない」
「炭治郎?何言ってるの?お、おかしいと思ってるの、私だけ…?3人て付き合うなんて、そんなの普通じゃないよ?」
「じゃあなまえ、普通の付き合い方ってなんだ?」
炭治郎が困ったような顔でなまえを見据える。
「普通のって、えっと、それは」
「俺と権八郎の2人とも好きって時点で、お前も普通じゃねえだろ」
「今更何言ってんだ」と伊之助が怪訝そうな顔をする。
「それはそうだけど…ほ、本当に3人で付き合うの?」
「俺はそれでいい。いや…それがいい!権八郎は?」
伊之助が何故か自信満々で答えた。
「俺も伊之助となまえがいいなら構わない」
先程まで眉を落としていた炭治郎も、何かが吹っ切れたような、スッキリした表情をしている。
「なまえは?」
「お前もそれでいいのか?」
いいとは一言も言っていないが、押しに弱いなまえは何も答えらなかった。
それに、なまえが炭治郎と伊之助のことが好きだという事実は変わらない。誰も傷つかないで済む方法が3人で付き合うという以外に、今のなまえには何も思いつかなった。
なまえは「うん」と、ぎごちなく首を縦に振った。
「じゃあなまえ」
「これからもよろしくな」と太陽のような笑顔で右手を差し出す炭治郎と、照れくさそうにそっぽを向きながら左手を差し出す伊之助に、なまえは戸惑いながらも応えるしかなかった。
「なまえ、話があるんだ。放課後、何か用事はあるか?」
「ないけど…どうしたの?そんな、改まって…」
「大事な話なんだ。帰りのHRが終わったら、俺と伊之助以外のみんなが教室を出ていくまで待っててほしい」
「わかった…」
「なまえ、また明日ね」
「うん、バイバイ」
HRが終わり、炭治郎に言われた通りなまえは他のクラスメイトがいなくなるまで教室を出なかった。
なまえの友達が手を振り去っていったのを最後に、教室には炭治郎と伊之助、なまえの3人以外誰もいなくなった。
「炭治郎、話って何?」
一体何の話だろうと気になっていたなまえが、教室の窓から外を見ていた炭治郎に近づいた。
「うん……驚くかもしれないけど、聞いてほしいことがあるんだ。伊之助もおいで」
机に足を乗せて座っていた伊之助が、無言のまま炭治郎となまえの傍に寄ってきた。
「私と伊之助に関係ある話?」
「そうだな。俺たち3人に関係ある話だ」
勿体ぶるように中々話を切り出さない炭治郎と黙ったままの伊之助を、なまえは不思議に思い首を傾げた。
そんななまえを炭治郎は優しい目で見つめていたが、伊之助はそわそわと何やら落ち着かない様子だった。
「どうしたの?」
なまえの問いかけに、炭治郎が一呼吸置いて口を開いた。
「なまえ、俺も伊之助も同じ気持ちなんだ」
「同じ気持ち?あっ…」
炭治郎がなまえの片手を両手で包むように握りしめた。優しかった眼差しが熱を籠ったものに変わった。その視線がなまえを見つめて離さない。
「なまえのことが好きなんだ」
「炭治郎…?」
炭治郎の告白になまえが戸惑っていると、伊之助が空いているもう片方の手を取り、ぎゅっと指を絡めてきた。
「伊之助?」
「俺もなまえのことが好きだ」
炭治郎に負けないくらいの熱い視線で、伊之助がなまえを見つめる。
なまえの頭の中は真っ白になった。2人からの告白はなまえにとって、あまりにも突然すぎるものだった。
「俺も伊之助もなまえのことが好きなんだ…なまえは?」
「お前、俺たちのことどう思ってんだ」
「どうって、そんな」
「なまえが俺たちのどちらかを好きでも、他に好きな人がいたとしても、なまえの口から気持ちを聞かせてくれるなら諦めがつく。だから答えてくれないか?」
なまえは答えられなかった。
幼い頃からずっと傍でなまえのことを守って大事にしてくれた炭治郎のことも、マイペースで少し強引だけどいつもなまえを引っ張ってくれる伊之助のことも。
「ふ、2人とも、好きだなんて、そんな、私…」
本当に2人のことが好きだから、どちらかなんて決められない。
「無理だよ…」
「なまえ…」
「だって、炭治郎のことも、伊之助のことも好きだから…どっちが、好きだなんて、わ、わかんないよ…そんなこと、聞かれても…」
混乱するあまり、ぽろぽろとなまえが泣きはじめた。
「なまえ!?ご、ごめん…!なまえの気持ちも考えないで突然変なこと言って」
炭治郎はなまえの涙に弱い。なまえに泣かれるとどうしたらいいかわからない。だからいつもなまえが泣かないように守ってきた。
「ごめん」と言いながら、炭治郎が指でなまえの涙を拭う。
「変なことじゃねえだろ。好きだって気持ちの何が変なんだよ」
「大事なことだろ」と伊之助が少し怒ったような口調で言った。
「でも、なまえを困らせてしまったわけだし…なまえもビックリしたよな?ほ、本当にごめん」
しゃくりあげながら泣き続けるなまえの背中を炭治郎が優しくさする。
「なまえ、泣いてちゃわかんねえよ…俺も権八郎もただお前の気持ちが知りたかっただけなのに…」
「だって、急に、言われても…本当に好きだから、2人のこと、好きだもん…す、好きな人が2人いるなんて、おかしいから、私…」
「好きなやつが1人じゃなきゃダメなんて誰が決めたんだよ?」
「だ、誰も決めてないけど、でも…」
「なまえ、もういいよ。俺たちが悪かった」
泣きやまないなまえに謝る炭治郎も泣き出しそうな顔をしていた。
「だったらよお」
伊之助が炭治郎となまえを交互に見つめた。
「3人で付き合えばいいじゃんねえのか?」
「え…?」
驚きのあまりなまえの目から涙が引っ込む。
「伊之助?3人って…」
伊之助の言葉に炭治郎も困惑した。
「俺と権八郎のどっちかなんて決めらんねえんだろ?どっちも好きならそうするのが1番手っ取り早いんじゃねえか?」
「手っ取り早いって、そんなの」
「俺も権八郎もなまえのことが好き。なまえも俺たち2人のことが好き。何か問題あるか?」
伊之助が炭治郎となまえを交互に指さした。
「嫌っていうか、だって私ひとりしかいないし…だって、3人って、え、どうやって付き合うの?」
「どうやってって、2人でやることを3人でやればいいだけの話だろ」
さも当たり前かのように伊之助が言う。伊之助となまえのやり取りを聞いて、何かを考え込んでいた炭治郎が口を開いた。
「うん…そうだな、難しいこともあると思うけど、それが1番いいのかもしれない」
「炭治郎?何言ってるの?お、おかしいと思ってるの、私だけ…?3人て付き合うなんて、そんなの普通じゃないよ?」
「じゃあなまえ、普通の付き合い方ってなんだ?」
炭治郎が困ったような顔でなまえを見据える。
「普通のって、えっと、それは」
「俺と権八郎の2人とも好きって時点で、お前も普通じゃねえだろ」
「今更何言ってんだ」と伊之助が怪訝そうな顔をする。
「それはそうだけど…ほ、本当に3人で付き合うの?」
「俺はそれでいい。いや…それがいい!権八郎は?」
伊之助が何故か自信満々で答えた。
「俺も伊之助となまえがいいなら構わない」
先程まで眉を落としていた炭治郎も、何かが吹っ切れたような、スッキリした表情をしている。
「なまえは?」
「お前もそれでいいのか?」
いいとは一言も言っていないが、押しに弱いなまえは何も答えらなかった。
それに、なまえが炭治郎と伊之助のことが好きだという事実は変わらない。誰も傷つかないで済む方法が3人で付き合うという以外に、今のなまえには何も思いつかなった。
なまえは「うん」と、ぎごちなく首を縦に振った。
「じゃあなまえ」
「これからもよろしくな」と太陽のような笑顔で右手を差し出す炭治郎と、照れくさそうにそっぽを向きながら左手を差し出す伊之助に、なまえは戸惑いながらも応えるしかなかった。