『ただのありふれた恋』ですが、一度全ての話を書いてから、少しずつ直しながら掲載していました。


中編として書き始めたので、6、7話あたりで終わらせようとしていたのですが、加筆修正するうちにもっと伊之助と藤の花の家紋の家の娘さんに恋をしてほしいと思ってしまい、8話までいってしまいました。


7話から8話にかけて、伊之助が鬼に襲われた娘さんを家まで連れ帰っていますが、伊之助が娘さんの家でなく蝶屋敷に彼女を運んだらどうか。なんてことも考えてました。


傷だらけの身体のまま、自分の腕の中で気を失ってしまった娘さんを見て、きっと伊之助は血の気が引いたと思います。娘さんの身体がまだあたたかいことを確認して、一生懸命走って山を下りました。


まだ生きている娘さんを｢しのぶなら絶対に助けてくれる｣と一瞬思いました。しかし、それと同時に、娘さんと同じような顔で笑いかけてくれた彼女の御父上のことを思い出して、早く無事だってことを知らせてあげなきゃと思ったことでしょう。


娘さんの家に着いて、手当を受けている彼女をいてもたってもいられない様子で伊之助は見ていました。そんな伊之助を見て娘さんの御父上は｢ひとり娘のことを大切に想ってくれている人がいる｣｢いい人に巡り会えた｣と思っていたかもしれません。


8話で伊之助達が見た夢の続きや、無事に結ばれた2人のその後についても考えておりますので、番外編などで書けたらいいなとも思っています。


拙い文章だったとは思いますが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。