22.Sweet seduction
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そしてドラコが羞恥心故にフォーラから視線を逸らすと、偶然にもその瞳は、ドラコから少し離れたところに集まっている男子生徒らの姿を捉えた。そして彼らの視線がフォーラの後ろ姿の方に―――否、厳密には彼女の姿勢のせいで幾らか突き出たお尻のあたりに―――チラチラと向けられているような気がした。
それにムッとしたドラコは、傍らに置いていた自身のローブをフォーラの肩から足首まで覆い隠すようにして被せた。彼の行動が突然だったので、フォーラは少々驚きの声を漏らした。
「わ、どうしたの?」
「ああ」
ドラコはフォーラの質問に生返事をしながら杖を振り、自身の直ぐ隣に椅子を一脚引き寄せた。そして彼女の手を握ったまま、そこにエスコートするようにして彼女を座らせたのだった。
「君の服装が少し寒そうに見えたから。良かったら使ってほしい」
「まあ、どうもありがとう。確かに今日は少し冷えるものね。もう六月に入って、最近は暖かい日が続いていたから油断していたわ。」
「ああ、そうだろうな」
ドラコはフォーラに返答しつつ、先程の男子生徒たちの方に再び視線を向けた。すると彼らはそそくさと仕舞い作業をして男子寮の方へ上がって行ったものだから、ドラコは少々長めの安堵感のある溜息を吐いて、肘掛け椅子に深く座り直した。
「それにしても、君含め高学年の女子はあまりパジャマに着替えた後に談話室へ降りてこないように思うんだが。どうして今日はこんな時間に?練習の誘いは嬉しいが、明日の朝でもよかったのに」
その質問にフォーラは幾らか口をまごつかせた後で、照れた表情を零した。
「ええと……誰か大勢が周りにいる時に、貴方をデートのようなことに誘うのが気恥ずかしかったの。私はまだ、周りから冷やかされたり、好奇の目を向けられたりすることに、あまり慣れていないから……。今なら日中より人が少ないし、もしドラコがまだここに残ってくれていたら、比較的誘いやすいだろうなと思ったの。
それにね、もし友人たちの前で貴方を二人きりの練習に誘ったら、貴方が乗り気でなかった場合に断りにくくなってしまうかと思って。それは嫌だったから。」
「そうだったのか」
「ええ。だけどここに降りて来る前に、パンジーとルニーには談話室にドラコがいるか確認してくると伝えたから、結局二人には冷やかされてしまったけれどね。」
肩をすくめて微笑んだフォーラを見て、ドラコはこんなにも可愛らしい恋人が自分との時間を欲して、わざわざ足を運んでくれたことを喜ばない男がいる筈ないと思った。そして、彼女がこうして正直な気持ちを話してくれたのだから、彼も自然と同じようにしたいと思う気持ちが湧いてきたのだった。
「……実のところ僕も、今日、アンブリッジに仕事を免除してもらえるという話を聞いてからずっと、君と二人で実技練習をする時間を取りたいと考えていた。それこそ君しか傍にいない時に誘おうと機会を伺っていたんだが、すっかりタイミングを逃してしまって。だから明日の朝一番に、君の予定を確認しようと思っていたところだったんだ」
「えっ!」フォーラは突然ドラコから打ち明けられた内容に思わず反応した。それに対してドラコは少々居心地悪そうに言葉を続けた。
「とはいえ、こうして君に先を越されてしまったから、結局僕からは何もできなかったけど」
「ううん、いいのよそんなこと……!」
フォーラは真剣な表情でぶんぶんと首を横に振った後、じわじわと顔を綻ばせていった。そして彼女は湧いてくる喜びに耐えるようにして、自身の肩に掛かったローブの襟をギュッと握ると、そのまま自身の口元をローブで隠した。
「ふふ、ドラコも私と同じことを思ってくれていたのね。とっても嬉しいわ!」フォーラは目を細めて溌溂とした笑みを見せた。「ねえ、最近私と貴方って、よく考えが重なる気がしない?」
フォーラがそのように言ってドラコの方に少々身を乗り出した。するとその時不意に、彼女の口元を隠している手の上にドラコの手が添えられた。そして彼女がそのことを尋ねる間もなくドラコは彼女の手を押し下げた。
「!」
フォーラが次にまばたきした時には、彼女の方に身体を傾けたドラコがその唇に軽くキスを落としていた。彼の顔は直ぐに離れたのだが、彼の愛おしそうな笑みは幾らかの間続いた。フォーラはまさかドラコが人目のある談話室でキスをしてくれるとは思わず、驚きと気恥ずかしさで直ぐに言葉を発することができなかった。いくらここが談話室の隅っこで、離れたところに高学年の生徒が僅かに残っているだけとはいえ、彼は人前でのそういった触れ合いを避けていた筈なのだが。
それにムッとしたドラコは、傍らに置いていた自身のローブをフォーラの肩から足首まで覆い隠すようにして被せた。彼の行動が突然だったので、フォーラは少々驚きの声を漏らした。
「わ、どうしたの?」
「ああ」
ドラコはフォーラの質問に生返事をしながら杖を振り、自身の直ぐ隣に椅子を一脚引き寄せた。そして彼女の手を握ったまま、そこにエスコートするようにして彼女を座らせたのだった。
「君の服装が少し寒そうに見えたから。良かったら使ってほしい」
「まあ、どうもありがとう。確かに今日は少し冷えるものね。もう六月に入って、最近は暖かい日が続いていたから油断していたわ。」
「ああ、そうだろうな」
ドラコはフォーラに返答しつつ、先程の男子生徒たちの方に再び視線を向けた。すると彼らはそそくさと仕舞い作業をして男子寮の方へ上がって行ったものだから、ドラコは少々長めの安堵感のある溜息を吐いて、肘掛け椅子に深く座り直した。
「それにしても、君含め高学年の女子はあまりパジャマに着替えた後に談話室へ降りてこないように思うんだが。どうして今日はこんな時間に?練習の誘いは嬉しいが、明日の朝でもよかったのに」
その質問にフォーラは幾らか口をまごつかせた後で、照れた表情を零した。
「ええと……誰か大勢が周りにいる時に、貴方をデートのようなことに誘うのが気恥ずかしかったの。私はまだ、周りから冷やかされたり、好奇の目を向けられたりすることに、あまり慣れていないから……。今なら日中より人が少ないし、もしドラコがまだここに残ってくれていたら、比較的誘いやすいだろうなと思ったの。
それにね、もし友人たちの前で貴方を二人きりの練習に誘ったら、貴方が乗り気でなかった場合に断りにくくなってしまうかと思って。それは嫌だったから。」
「そうだったのか」
「ええ。だけどここに降りて来る前に、パンジーとルニーには談話室にドラコがいるか確認してくると伝えたから、結局二人には冷やかされてしまったけれどね。」
肩をすくめて微笑んだフォーラを見て、ドラコはこんなにも可愛らしい恋人が自分との時間を欲して、わざわざ足を運んでくれたことを喜ばない男がいる筈ないと思った。そして、彼女がこうして正直な気持ちを話してくれたのだから、彼も自然と同じようにしたいと思う気持ちが湧いてきたのだった。
「……実のところ僕も、今日、アンブリッジに仕事を免除してもらえるという話を聞いてからずっと、君と二人で実技練習をする時間を取りたいと考えていた。それこそ君しか傍にいない時に誘おうと機会を伺っていたんだが、すっかりタイミングを逃してしまって。だから明日の朝一番に、君の予定を確認しようと思っていたところだったんだ」
「えっ!」フォーラは突然ドラコから打ち明けられた内容に思わず反応した。それに対してドラコは少々居心地悪そうに言葉を続けた。
「とはいえ、こうして君に先を越されてしまったから、結局僕からは何もできなかったけど」
「ううん、いいのよそんなこと……!」
フォーラは真剣な表情でぶんぶんと首を横に振った後、じわじわと顔を綻ばせていった。そして彼女は湧いてくる喜びに耐えるようにして、自身の肩に掛かったローブの襟をギュッと握ると、そのまま自身の口元をローブで隠した。
「ふふ、ドラコも私と同じことを思ってくれていたのね。とっても嬉しいわ!」フォーラは目を細めて溌溂とした笑みを見せた。「ねえ、最近私と貴方って、よく考えが重なる気がしない?」
フォーラがそのように言ってドラコの方に少々身を乗り出した。するとその時不意に、彼女の口元を隠している手の上にドラコの手が添えられた。そして彼女がそのことを尋ねる間もなくドラコは彼女の手を押し下げた。
「!」
フォーラが次にまばたきした時には、彼女の方に身体を傾けたドラコがその唇に軽くキスを落としていた。彼の顔は直ぐに離れたのだが、彼の愛おしそうな笑みは幾らかの間続いた。フォーラはまさかドラコが人目のある談話室でキスをしてくれるとは思わず、驚きと気恥ずかしさで直ぐに言葉を発することができなかった。いくらここが談話室の隅っこで、離れたところに高学年の生徒が僅かに残っているだけとはいえ、彼は人前でのそういった触れ合いを避けていた筈なのだが。