20. The beginning of the end
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顔を上げたフォーラの瞳はまだ潤んでいて、少々上目遣いになってドラコの方を見た。ドラコはそんな彼女が本当に愛しく思えて、今度は彼女に誘われる前に自らくちづけした。正直頭の中が殆ど真っ白で、ドラコは欲望に理性を持っていかれそうになりながら、何度か優しく唇を軽く触れ合わせた。そして次第に、自分の唇で可能な限り丁寧に、彼女の柔らかな唇をゆっくりと喰んでいった。上手くできているかも分からず、きっとぎこちないことこの上ないだろうと思いながらも、ドラコはフォーラが自分の手を必死に握って恐る恐るキスを返してくれることをとてつもなく可愛いと思った。そして唇を重ねる度に微かに漏れる彼女の吐息や、僅かに聞こえるリップ音に、全身の血が沸騰しそうなくらいの熱さで体中を駆け巡っている気すらした。
フォーラの方はドラコが躊躇い気味に彼女の唇を喰んだ時、先程の触れるだけのキスとは少々違うことに正直頭の中が困惑し、気恥ずかしさに首や頬が赤らんだ。しかし何とか勇気を出してドラコがするのと同じように彼の唇を何度か軽く咥え返してみた。とはいえ彼女の方もこれで合っているのか分からず、更に息の仕方までもよく分からくなって余計に顔が熱くなっていた。彼女が羞恥心に耐える為にドラコと繋いだ手の締め付けを無意識に強めると、ドラコはその手を深くきつく繋ぎ返してきたのだった。
そしてフォーラの吐息と共に、二人の唇がゆっくりと離れた。フォーラは自分の心臓がドクドクと強く脈打ち続けているのを感じながら、幾らか恍惚とした表情でドラコを見つめた。ドラコはそんな無防備なフォーラを見てもう一度キスをしたい衝動に駆られそうになったが、自分を律するためにそっと彼女を抱き寄せた。そして彼女の首元に顔を埋めながら、もう自分は彼女無しでは駄目なことを改めて認めた。そしてとうとう恋人となった以上、もう二度と中途半端な気持ちで彼女を突き放しはしないと心に誓った。
(僕は、フォーラのことについてだけは父上の指図は受けない。大切な人を作るなと言われても、彼女はもうとっくにそんな存在になってしまっていたんだから。
それから僕が父上のために尽力する時が来ても、フォーラのことは絶対に手放さない。僕は父上が理想とする純血が中心となった世界も、フォーラと共に純血の血統を守る未来も、どちらも手に入れてみせる)
フォーラはドラコを抱き締め返しながら、一連の出来事に対して純粋に心から喜びを感じていた。しかしそれと共に、彼を騙してこんなにも幸せな時間を手にしてしまっていることに罪悪感を抱えずにはいられなかった。それだからフォーラはその苦しみから逃れるため、自分の行為がドラコから情報を引き出すために必要なことなのだと頭の中で何度も言い聞かせた。
フォーラはドラコが彼女自身をもうすっかり味方として認識していることを確信していた。そしてその過程でフォーラが垣間見せた無防備な表情や愛らしい仕草によって、確実に自分はドラコにとって手放したくない存在となったことを把握した。何より彼にとって人畜無害かつ守るべき対象の自分が、彼から多くの秘密を共有されるに相応しい人物像に一歩近づいたのだということも。
フォーラの方はドラコが躊躇い気味に彼女の唇を喰んだ時、先程の触れるだけのキスとは少々違うことに正直頭の中が困惑し、気恥ずかしさに首や頬が赤らんだ。しかし何とか勇気を出してドラコがするのと同じように彼の唇を何度か軽く咥え返してみた。とはいえ彼女の方もこれで合っているのか分からず、更に息の仕方までもよく分からくなって余計に顔が熱くなっていた。彼女が羞恥心に耐える為にドラコと繋いだ手の締め付けを無意識に強めると、ドラコはその手を深くきつく繋ぎ返してきたのだった。
そしてフォーラの吐息と共に、二人の唇がゆっくりと離れた。フォーラは自分の心臓がドクドクと強く脈打ち続けているのを感じながら、幾らか恍惚とした表情でドラコを見つめた。ドラコはそんな無防備なフォーラを見てもう一度キスをしたい衝動に駆られそうになったが、自分を律するためにそっと彼女を抱き寄せた。そして彼女の首元に顔を埋めながら、もう自分は彼女無しでは駄目なことを改めて認めた。そしてとうとう恋人となった以上、もう二度と中途半端な気持ちで彼女を突き放しはしないと心に誓った。
(僕は、フォーラのことについてだけは父上の指図は受けない。大切な人を作るなと言われても、彼女はもうとっくにそんな存在になってしまっていたんだから。
それから僕が父上のために尽力する時が来ても、フォーラのことは絶対に手放さない。僕は父上が理想とする純血が中心となった世界も、フォーラと共に純血の血統を守る未来も、どちらも手に入れてみせる)
フォーラはドラコを抱き締め返しながら、一連の出来事に対して純粋に心から喜びを感じていた。しかしそれと共に、彼を騙してこんなにも幸せな時間を手にしてしまっていることに罪悪感を抱えずにはいられなかった。それだからフォーラはその苦しみから逃れるため、自分の行為がドラコから情報を引き出すために必要なことなのだと頭の中で何度も言い聞かせた。
フォーラはドラコが彼女自身をもうすっかり味方として認識していることを確信していた。そしてその過程でフォーラが垣間見せた無防備な表情や愛らしい仕草によって、確実に自分はドラコにとって手放したくない存在となったことを把握した。何より彼にとって人畜無害かつ守るべき対象の自分が、彼から多くの秘密を共有されるに相応しい人物像に一歩近づいたのだということも。