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常春の神樹

地球はある時を分岐点として、明確に世界が分かたれた。それは一方から見れば、所謂並行世界と呼ばれるものである。片方で科学が広まっていったのとは相反するように、もう一方は魔法や自然的な力、つまり非科学的なものへの理解を深めていった。

魔法の世界では、夢は死ぬ予兆とされ忌み嫌われていた。
死ねば永遠の夢を見る。肉体と精神は湖のほとりから小舟に乗せられ流されて、いつしか最果ての地へとたどり着く。そこは目に見える距離にあって、けれどもひどく遠い場所だった。
そこには夢の住人というものがいて、彼らは流れ辿り着いた肉体を、ひとつひとつ世界のどこかにある木の虚へと収めていく。
そこで人は再び木へと還っていくのだ。

神樹と封印された青年。魔女と聖女。誰もが譲れない想いを胸に歩むべき道を選択する物語。

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