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Side:Soo

HRの後、全力で掃除を済ませた私は、他のハンド部員を各教室で誘って、部室に向かっていた。高校生になって初めての部活にテンションが上がっていたので、部室棟まではほとんどスキップだった。入口あたりで、ハンド部員らしき2年生を見かけたので、その人たちに話しかけて一緒に部室のある3階へ連れて行ってもらった。それぞれのロッカーを割り当てられ、部員の数や部活の日程を軽く教えてもらった。中学時代の先輩も何人か居て、久しぶりの再会を喜んだ。各々で話しながらハンドコートのある運動場へ歩いていくと、既に女子が二人いてゴールが立っているのが見えた。先輩に聞くとマネージャーらしく、一人は今日入部したばかりだと教えてくれた。なんだか見覚えのあるポニーテールの後ろ姿に徐々に近づいていくと、テヨンが突然叫んだ。

「サニーだ!!」

その声に反応してくるりと振り返ったポニーテールは確かにサニーだった。あんなかわいい子とクラスも部活も一緒なんて、自分は前世でどんな徳を積んだのだろうと真剣に思った。もう一人のマネージャーは2年生のようで、笑顔で自己紹介してくれた。器具の場所やアップの仕方などを一通り説明してもらった後、ついにボールを出しての練習が始まった。こんなことを言うと怒られるかもしれないが、私は中学時代からボールを出すまでのジョグやストレッチは嫌いだった。単純に、パスや実際の試合のような練習の方が楽しいからだった。プッシュパスからラテラル、ロングスローまで基本のパスをして、ランも交えたパスもした後、1年生のポテンシャルチェックのような形で、簡単な試合が始まった。私とユリはもちろん同じチームで中学時代から培った連携を見せて、2年生相手にも同格、むしろそれ以上のパフォーマンスを見せた。ユリが相手を引き付けてくれている間に、小柄な先輩に一対一を仕掛けた私は、止めに来る先輩の頭上を抜いてシュートを放ち、ボールはゴールの右上に突き刺さった。ガッツポーズの後、ユリとハイタッチをしてあの子を確認する。私の活躍する姿を見てくれただろうか。ベンチを見ると彼女は手に持ったバインダーに何か書き込んでいた。なんだ。見てなかったのか。ちょっと拗ねつつ自陣に戻っていると、突然目の前にボールが飛んできてそのまま顔面にクリーンヒットした。

「スヨン!」
「大丈夫??」

部員が続々と集まってきて私を囲む。そこまで大したことではないと笑っていると、服に血がついているのが見えた。うわ、鼻血だ。新品のTシャツに血のシミを作ってしまったことと、初めての部活で鼻血を出してしまったことがどちらもショックだった。顧問に念のため保健室に行くように言われてトボトボと歩き出すと、後ろからティッシュを持ったサニーが駆け寄ってきてくれた。

「これ使ってください!」
「あ、すみません」
「なにぼーっとしてたんですか。ユリさんパス出すとき名前呼んでたのに」

あなたのこと見てました、とか言えないからどうにかマシな言い訳を考える。

「えーっと、いやなんかちょっと集中?してて…」
「ちゃんと周り見てないと、またケガしますよ~」

保健室の扉をノックしながらクールに言われて余計に恥ずかしくなった。自己紹介の時のあの笑顔はどうしたのだろうか。

「そのシャツ、すぐ洗わないと血残っちゃいますよ」
「ほんとだ…でも私着替え部室です」
「…じゃあ私のジャージ貸すのでそれ脱いでください」

…え?今服貸してくれるって言った??流石に展開が早すぎない???
焦った私はせっかくの提案に「無理です」と冷たく言ってしまった。口に出した後、これは言い方がまずかったかもしれないとさらに焦ってサニーを見ると、彼女は困ったような顔をしていた。ごめん、と素直に謝ると彼女は眉をさらに下げて笑ってくれた。

「そのままで大丈夫なら、私は運動場に戻ります」
「私もすぐ戻るから!」
「わかりました。無理せず」

保健室の先生にペコリとお辞儀をして、彼女は保健室を出て行った。
妙に緊張して手には汗をかいていた。
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