また巡る
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本丸が襲撃された。加州清光がそう聞いたのは帰城してからだったが、戦闘中の記憶はあまり無く、彼に残っているのはただひとりの小柄な男の玉鋼と引き換えに自分の命が助かった事だった。パキ、と小さな音が響いて視界いっぱいに映る薬研の頭は沈んで行った。戦闘結果はC。重症は三振り、中傷が二振り、破壊が一振。死体を持ち帰るなんて愚行が許されるのなら、天も加州をもう少し護ってくれただろう
意識が朦朧とする中加州清光は女から貰ったハンカチに薬研の刃文を丁寧に包み、深い眠りに付いた。
真っ先に出迎えるはずの女は見当たらず、自身の身体は比較的軽傷な江雪により運ばれていた。他は全員肩を組みながら玄関に倒れ込むように腰掛けていた。
「こう…せつ」
「…お目覚めですか」
江雪の雪のように冷たい眼の奥にはどこか慈愛を感じる。奥から走る音が聞こえたが、猛烈に嫌な予感がしたのは江雪も同じだ。
江雪はゆっくり加州の身体を置くと目の前に現れたのは鶴丸。息せき切って駆ける彼の内番着は紅白に染まり、益々不安を煽る。
「ああ、第一部隊か。ちと本丸に時間遡行軍が出てな。運悪く主の部屋に襲撃されちまって…お前らの所にも被害出ちまったな。なんてったって、遡行軍が主を操らせて行軍させたらしいしな、ほんと、お前ら良くやったよ。さ、重症な者から手入れ部屋へ行け」
話を聞いた江雪は心底哀しそうに頷いていた。元々戦いを好まず和睦に務めることを願うような刀だ。この本丸の苦しむ様は見たくないだろう。近侍である故直ぐ主の元に行かなければ行けないのに、そう思考を巡らせていたがまた彼はは意識を手放してしまったのだった。
━━━━━━━━━━━━━━━
機械的な音で目を覚ます。一つ一つ記憶の破片を辿るように『確か俺は、あの戦場で加州の旦那を護って…そこからは何も思い出せない。あの時確かに血腥く、脚は鉛のように重くて、それでもあいつらを護った…』と心の中で物事を整理していた。胡座を描き手を動かせば何処かじんわり暖かい。人間とは全身動いてて、暖かいんだなとぼんやり感じた。男はのそのそと起きリビングへ赴くと母親らしき人物が目を丸くして此方を見つめた。
「あんた、やけに早起きなのね。新しい学校だから?」
そうして薬研はひとつの違和感に気づく。鏡に映る自分は何時もより顔色が良かった。薬の研究やら何やらで少し痩せこけた自分は、そこにはいなかった。その上、背も少し伸びたように感じた。大将と同じぐらいだろうな、なんてふと感じた
最後に見た女の顔は深く抉られた記憶を間探っても出てくるのは自分に見せた酷く乱れたぐちゃぐちゃな泣き顔だけだった。
「ああ、そうだな。緊張やらで目覚めちってな。」
自然に出た言葉に自身も驚いたが一先ず傍に置いてある珈琲を一口飲んだ。まだ外は薄暗く、彼自身がおれたあの日と少し重なった。初めて見る制服に腕を通し、暫く携帯端末を弄り時間を潰した。当然、自分の居た本丸について、不具合等が起きたのかと政府のサイトに飛ぶ。が、それらしい情報は全くない。時間も経ち家を出る時間となった。鞄に荷物をまとめ幸いにも父親の車で送って貰えたので道に困ることは無かった。職員室へ向い教室へと向かう。案内を受け一歩足を踏み入れると静まり返った教室にその音は響き渡った。
「えっと、じゃあ自己紹介をお願いします」
「薬研藤四郎だ。何卒宜しく頼む。」
先生含め、少し驚いた様子だった。薬研からしてみれば全員ガキみたいなもので、挨拶の仕方も調べれば良かったなと少し思った。固まった先生は指を指し「薬研君、貴方の席はそこだからね」と背中を押した。隣の席の女は少し戸惑った様子だったため、薬研は「これから世話になる」と軽く会釈と挨拶をした。顔を上げると見覚えのある愛らしい顔が今にも泣きそうな表情でこちらを見つめている。見て見ぬふりをした。きっと薬研じゃなくても同じことをしただろう。と考えることを破棄し担任の話の聞いた。
意識が朦朧とする中加州清光は女から貰ったハンカチに薬研の刃文を丁寧に包み、深い眠りに付いた。
真っ先に出迎えるはずの女は見当たらず、自身の身体は比較的軽傷な江雪により運ばれていた。他は全員肩を組みながら玄関に倒れ込むように腰掛けていた。
「こう…せつ」
「…お目覚めですか」
江雪の雪のように冷たい眼の奥にはどこか慈愛を感じる。奥から走る音が聞こえたが、猛烈に嫌な予感がしたのは江雪も同じだ。
江雪はゆっくり加州の身体を置くと目の前に現れたのは鶴丸。息せき切って駆ける彼の内番着は紅白に染まり、益々不安を煽る。
「ああ、第一部隊か。ちと本丸に時間遡行軍が出てな。運悪く主の部屋に襲撃されちまって…お前らの所にも被害出ちまったな。なんてったって、遡行軍が主を操らせて行軍させたらしいしな、ほんと、お前ら良くやったよ。さ、重症な者から手入れ部屋へ行け」
話を聞いた江雪は心底哀しそうに頷いていた。元々戦いを好まず和睦に務めることを願うような刀だ。この本丸の苦しむ様は見たくないだろう。近侍である故直ぐ主の元に行かなければ行けないのに、そう思考を巡らせていたがまた彼はは意識を手放してしまったのだった。
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機械的な音で目を覚ます。一つ一つ記憶の破片を辿るように『確か俺は、あの戦場で加州の旦那を護って…そこからは何も思い出せない。あの時確かに血腥く、脚は鉛のように重くて、それでもあいつらを護った…』と心の中で物事を整理していた。胡座を描き手を動かせば何処かじんわり暖かい。人間とは全身動いてて、暖かいんだなとぼんやり感じた。男はのそのそと起きリビングへ赴くと母親らしき人物が目を丸くして此方を見つめた。
「あんた、やけに早起きなのね。新しい学校だから?」
そうして薬研はひとつの違和感に気づく。鏡に映る自分は何時もより顔色が良かった。薬の研究やら何やらで少し痩せこけた自分は、そこにはいなかった。その上、背も少し伸びたように感じた。大将と同じぐらいだろうな、なんてふと感じた
最後に見た女の顔は深く抉られた記憶を間探っても出てくるのは自分に見せた酷く乱れたぐちゃぐちゃな泣き顔だけだった。
「ああ、そうだな。緊張やらで目覚めちってな。」
自然に出た言葉に自身も驚いたが一先ず傍に置いてある珈琲を一口飲んだ。まだ外は薄暗く、彼自身がおれたあの日と少し重なった。初めて見る制服に腕を通し、暫く携帯端末を弄り時間を潰した。当然、自分の居た本丸について、不具合等が起きたのかと政府のサイトに飛ぶ。が、それらしい情報は全くない。時間も経ち家を出る時間となった。鞄に荷物をまとめ幸いにも父親の車で送って貰えたので道に困ることは無かった。職員室へ向い教室へと向かう。案内を受け一歩足を踏み入れると静まり返った教室にその音は響き渡った。
「えっと、じゃあ自己紹介をお願いします」
「薬研藤四郎だ。何卒宜しく頼む。」
先生含め、少し驚いた様子だった。薬研からしてみれば全員ガキみたいなもので、挨拶の仕方も調べれば良かったなと少し思った。固まった先生は指を指し「薬研君、貴方の席はそこだからね」と背中を押した。隣の席の女は少し戸惑った様子だったため、薬研は「これから世話になる」と軽く会釈と挨拶をした。顔を上げると見覚えのある愛らしい顔が今にも泣きそうな表情でこちらを見つめている。見て見ぬふりをした。きっと薬研じゃなくても同じことをしただろう。と考えることを破棄し担任の話の聞いた。
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