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第二話 マジックキャンセル



 何度となく親友にプロローグからゲーム画面を見せられたが、「ほーん」としか言わんかった、わたし。
 親友、実際のグリムの火はめっちゃあちぃぞ!!
 これ完全燃焼の火やんけ!!

「ユウさんはここで待っていてください!! 危ないですからね!! 絶対ですよ!!」

 と、学園長はモブキャラと共に青白い火の中に飛び込んでいった。

 講堂は、阿鼻叫喚とでもいうのだろうか、大騒ぎしていて、赤い髪の……リドル? やっけ? と あれは、親友の推しのアズールや。が、グリム退治に四苦八苦していた。

 ふ、と。
 私は青白い炎に手を伸ばした。

「いけない。人の子よ」

 この声、特徴のある低い声。
 知ってる。
 この声の俳優がわたしは昔から大好きだった。

 そして、今、わたしの伸ばした手を後ろから咎めるように掴んでいるのは、あの、

 マレウス・ドラコニアや。

 私は、びっくりしたの半分、冷静になったの半分で、彼に緩く掴まれていた右腕をゆっくり下ろし、その長身の彼を見上げた。

「マレウス……、ドラコニア……」

「僕が怖いか、人の子」

「いえ」

「この惨状をどうにかしたいか」

「わたしにできるなら」

 マレウスは再びわたしを講堂の中に向けて立たせ、またわたしの右腕を掴んで手のひらを惨状に向けて広げさせた。

「……ま、マレウス」

「マジックキャンセル、炎よ消えろ。と言え」

「ま、マジックキャンセル、炎よ、消えろ」

 すると、わたしに近いほうから、ぱぁぁぁっと白い光が出て、その光に触れた炎から順に綺麗に跡形もなく炎は消えていった。

「え? どういうこと?」

「人の子、お前にはどうやら魔法無効化の力があるようだな」

「へ? って、あれ? おらん!!」

 いや、あんた寮長!!
 遅れてきた? 上にまた行方不明かよ!!

「でも、なんでそんなん分かったんやろ?」

 わたしが己の右腕を眺めていると、学園長と、リドル、アズールの三人がやってきた。

あ、三人ちゃうわ。
 学園長、グリムのリボン掴んで持ってる。
 訂正。向かってきたのは、三人と一匹。

「ユウさん!! 今の貴女がやったんですか?!」

「はぁ、まぁ」

「というか、学園長!! なんでこの学園に女性がいるんです!!」

「なかなかに見事な魔法無効化でしたねぇ」

「いや、アズール。何を感心しているんだい!! この由緒正しいナイトレイヴンカレッジは男子校だぞ!! 女性がいては風紀が乱れる!!」

「いやぁ、是非とも我がモストロ・ラウンジの給仕に!!」

「勧誘している場合か!!」

 わ~、めっちゃ意見分かれとる~。
 まあ、男子校に紅一点とか漫画よな。むしろ。

「いえ、マジックキャンセルも立派な魔法。しかもこのような膨大な力を操るのは至難の業。いいでしょう!! さぁ、鏡の前に」

「は?」

「え?」

「ふふ」

 そうやった。
 ここゲームの世界やったわ。

 どうしよう。
 一応、推しとしてはフロイドが一番、って言うてるけど、あいつとか現実では絶対に会いたくない男ナンバーワンの危険男なんよなぁ。

 会いたくないといえば会いたくない。
 だが、好奇心には勝てん。



 ……とかいって、鏡に見てもろたらマジックキャンセル以外の能力なしとか言われるし、「貴女の力があればこのモンスターもいうことを聞くでしょう!!」って学園長に言われて今。



 グリムとオンボロ寮にいます。

 ……すっげー睨んでくるんやけど。


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