第4章 濡れ衣
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―――― モルディオの小屋 ――――
陽菜「………小屋の中にもいろんな物とか、本がたくさん………」
カロル「すっごっ…………。
こんなんじゃ、誰も住めないよ~」
ユーリ「その気になりゃあ、案外どんなとこだって食ったり寝たり出来るもんだ」
陽菜(………なるほど。
その言い方だと、ユーリもこんな状態で寝てたりしたんだね?)
ユーリ「………おまえ、人をバカにしたようなことを考えてねえだろうな?」
そんな事を考えてたら、じとりとユーリに再び睨まれてしまい、今日飛びっ切りの笑顔で彼に喧嘩を売る。
だって、普通に考えたらそういうことでしょ?
私だって野宿だろうが、本の上だろうがどんなところで寝ようが、一応寝れるけども、そんなことをする人なんて多くもないよ。
陽菜「いや?別に何も考えてないよ、バーカ( ´∀`)ケラケラ 」
ユーリ「誰がバカだ、誰が」
モルディオの小屋の中に入り込んだ私達は、勝手ながらに小屋の中にある、ありとあらゆる物を見渡していた。
エステル「それよりも。
ユーリ、先に言うことがありますよ!?」
ユーリ「こんにちは、お邪魔してますよ(棒読み」
エステル「鍵の謝罪もです!!」
え、エステルったら、こんな性格だったっけ?
けれど、そんな彼女に仕方なく従うユーリがとてつもなく面白い。
ユーリ「カロルが勝手に開けました。
ごめんなさい(棒読み」
陽菜「………ふっ、く………ふふ……………っ」
とてもじゃないけど、ものすごく心がこもっていないユーリの棒読みに、私は肩を揺らしながら吹き出してしまった。
それがエステルに気付かれ、「何がそんなに可笑しいんです?ヒナ」と私にまでとばっちりを喰らう。
エステル「だって不法侵入ですよ!?
鍵の謝罪ですよ!?」
陽菜「わ、分かってる分かってる。
………けど、ユーリの棒読みが案外面白くってさ」
ヒーヒー、笑う私にカロルが「え?笑うところ、そこ?」と目を点にしながら軽く突っ込んできた。
ユーリ「はははっ、そんなに面白かったのか?」
陽菜「まぁね(…………っ、)」
エステル「もう、ユーリは………。
ごめんくださ~い。どなたかいらっしゃいませんか?」
ズキリ、と痛み出すのを我慢しながら、エステルの問いに返事がないことを確認した。
……………いないって事は、留守なのかな?
ユーリ「いないんなら、好都合。
証拠を探すとするか」
と、いうわけでモルディオがいないのを利用し、小屋の中を調べることにした。
ユーリ達からによれば、
それをはめれば、自動的に噴水が湧いて出てくれるって聞いたけど、魔核って
魔核だけでも高価で取引されるらしくて、一般に普及はされていても結構の値が張るらしい。
中古とはいえ、下町のみんなで集めたお金でやっと買えたほどのものだとか。
陽菜(……………それは、何がなんでも取り返したいよね)
私自身、凄い力とかないし体がだるいから、クレハとリッキーに頼んで探すことにする。
カロルは魔導器の模型を見ているようだし………って、ホント、珍しい物があるんだね。
テルカ・リュミレースって。
リッキー『お嬢………』
陽菜「あ、どうだった?
リッキー、クレハ」
クレハ『だめね。どこを探しても、水道魔導器の魔核は無かったわ』
陽菜「それって………」
リッキー「!、グルルルル………」
ラピード「グルルルル………」
ラピードとリッキーが本の山に威嚇しているのに気がつき、見てみるとそこにいたのは白いマントを被っている小柄な人物だった。
陽菜「!、あれは………」
カロル「ぎゃあああ~~~~~~~っ!!!あう、あう、あうあうあう」
私は目を見張っただけだったけど、カロルが白いマントの小柄な人物に仰天とし、無意識にユーリの後ろに逃れていった。
その人は私達を見ると、とてつもなく不機嫌そうな声で呟く。
?「………うるさい………」
その人は私達に向けて魔術を放とうと構えだし、ユーリはカロルから慌てて離れていった。
カロル「え?あれ、ちょっと!!?」
?「泥棒は………」
陽菜「!、カロル………っ!!」
その人から発する赤い光は、その人の手に炎を作り出した。
カロル「うわわわっ、まってぇ!!」
?「ぶっ飛べ!!」
カロル「いやぁぁぁ………!!」
陽菜「───っ、やめてっっ!!」
ユーリ・エステル「「!、ヒナ!?」」
ドォォォォォォォォォォォォォン!!!
陽菜「……………っ」
その人が炎系の魔術をカロルに向けて容赦なく放つのを一瞬怯みながら見ていた私は、ギリギリのところで彼を庇って背中に魔術を食らった。
カロル自身にも色々とダメージを受けたみたいで、咳き込んでいる。
カロル「げほげほ、ひどい………」
エステル「お、女の子っ!?」
「って、その前にヒナ!?大丈夫ですか!?」とエステルが倒れ込む私に駆け寄って、治癒術を施す。
もちろん、カロルにもだけど、爆風によって頭を覆っていたローブが外れたらしい。
女の子だと分かっていても、モルディオの背後にいたユーリは、抜刀させた剣を彼女に突きつけた。