第4章 濡れ衣
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遭遇する魔物と闘いながら、目的地であるアスピオに向けて進んでいくと、いつの間にか朝方になっていた。
───── 学術閉鎖都市・アスピオ ─────
翌朝。
エステル「ここがアスピオみたいですね………」
カロル「薄暗くてジメジメして………おまけに肌寒いところだね」
エステル「街が洞窟の中にあるせいですね」
陽菜「そうだね。
………それで?ここに“モルディオ”とか言う人っているの?ユーリ」
ユーリ「ああ、間違いねえ。太陽見れねぇと、心までねじくれんのかね、魔核 盗むとか」
そんなこんなで入り口に近付くと、そこには騎士っぽい門番が二人佇んでいることに気がつき、私達は足を止めた。
門番1「通行許可書の提示を願います」
エステル「許可書………ですか………?」
まぁ確かに?研究施設っぽいから、警備員とか備え付けるんだろうけど、初めて聞いたよ。
そりゃあ、どの街行っても交流関係が低いわけだ。研究に没頭したあげく、口数が少ないコミュ症のような人達だらけってことだもの。
陽菜「………許可書なんているほどの都市なの?
ここって」
門番1「当たり前だ。魔導器 など、様々な技術は門外不出だからな。もし悪用する奴を入れてみろ。たちまちこの世界は戦争だらけになるぞ」
門番2「その通り。
ここは帝国直属の施設だ。一般人を簡単に入れるわけにはいかない」
カロル「ねえ。ヒナは、そんなの持ってんの?」
カロルに袖を引っ張られながらそう聞かれ、私は溜め息交じりに「持ってないよ」と首を横に振る。
いや、何度も言うようだけれど私、この世界に初めて来たからね?
許可書なんていうレアなカードだか知らないけど、そんなもの持っているわけないじゃない。
そういうものなら騎士様だったり、お貴族のお嬢様辺りが持っていそうだけれど。と思ってユーリ達に振り返っても、どうやら彼らも持っていないみたい。
ユーリ「……………中に知り合いがいんだけど、通してもらえない?」
いや、ユーリ君。それは案の定………追い返されるのがオチって言うものじゃないかな?
そんなことを思っていたら、くらっと景色が回る。
陽菜「……………。(………っ、あ、これヤバイやつ………っ)」
門番2「正式の訪問手続きをしたなら、許可書が渡っているはずだ。その知り合いとやらからな」
ユーリ「……………いや、何も聞いてないんだけど。
入れないってんなら、呼んできてくんないかな?」
気分が悪いことを悟られまいと、至って何ともない顔をする私は、ユーリ達の話を静かに聞いていた。
………ここが長引くと本当にマズイ。
景色が回るとか、重症じゃん。よく耐えれたよ、私。
急いでモルディオって人に会うところまで………というか、施設内に入らないと、差は激しくないけれど、寒暖のある外での野宿は非常にマズイ。
門番2「………その知り合いの名は?」
ユーリ「モルディオ」
門番1.2「「!!?」」
陽菜「………え、なに。モルディオさんって、驚くほどの人?」
カロル「さ、さあ………」
なんか、“モルディオ”って言う名前を口にしただけで、酷い驚き様はどう考えても異常だ。
理由を知らない私達にとっても、他の人にとっても頭に?がいくつも浮かぶばかりだけど、今はここでちんたらしている場合じゃない。
門番1.2「「∑モ、モルディオだと!?」」
ユーリ・エステル「「??」」
陽菜「………一体全体、なんでそんなに驚いてるのかわからんのだけどさ、………通っていいわけ?」
何度も言うようだけれどさぁ、“モルディオ”って言う名前だけで、こんなに驚くことはないでしょうよ。
え、なに。彼らが驚くほどの有名人にユーリ達は殴り込みにいこうってことだったわけ?
門番1「や、やはりダメだ。書簡にてやり取りをし、正式に許可書を交付してもらえ」
カロル「ちぇ、融通きかないんだから」
カロルの言葉に反応した一人の門番が、身構えたのを知ると、尻尾を巻いてユーリの後ろに逃げていた。
いや、ユーリを盾にしたって駄目じゃん。まあ、カロルが言うことも尤もなんだけどね。
陽菜「カロル。………逃げるんだったら、はじめっからそんな事言わないの」
カロル「に、逃げてないよ!!」
陽菜「それを逃げてるって言うの。………まったく」
ユーリ「………おまえら、姉弟か何かか?」
そんなやり取りをしていると、エステルが門番に話しかけていた。
エステル「あの、フレンという名の騎士が、訪ねてきませんでしたか?」
門番2「施設に関する一切は機密事項です。些細なことでも教えられません」
エステル「フレンが来た目的も?」
門番1「もちろんです」
……………あ。これは………エステルの勝利だ。
彼らの回答を聞いて、嬉しそうに声を張り上げるエステル。
元々その情報を探りに来ているわけだから、これは大手柄だ。
エステル「………ということは、フレンはここに来たんですね!!」
門番1「!!」
門番2「し、知らん!フレンなんて騎士は………」
陽菜(すごーい、エステル誘導尋問ってやつじゃん。
もしかして外交官とか、そういった役を持つ貴族だったりするんかな)
まあ、これで、この人達は確かにフレンさんに会っているって事が分かったね。
あくまで意地を張り続けながら、シラを切るみたいだけど。
第1目的は達成されたわけだ。
エステル「じゃあせめて伝言だけでもお願いできませんか?」
なおもすがろうとするエステルに「やめとけ」とユーリがたしなめる。
ユーリ「こいつらに何言っても時間の無駄だって」
陽菜「そうだよ、エステル………」
エステル「そ、そうですね。大変失礼致しました」
仕方がなく、私達は門を離れ、門番に見つからないように岩陰に隠れた。
さて、ひとまずの作戦会議を始めるけれど、なかなか良い案が出ずにいた。
ユーリ「冷静に行こうぜ」
エステル「でも、中にはフレンが………」
カロル「諦めちゃっていいの?」
エステル「いいえ、絶対に諦めません!!今度こそフレンに会うんです!!」
───── 学術閉鎖都市・アスピオ ─────
翌朝。
エステル「ここがアスピオみたいですね………」
カロル「薄暗くてジメジメして………おまけに肌寒いところだね」
エステル「街が洞窟の中にあるせいですね」
陽菜「そうだね。
………それで?ここに“モルディオ”とか言う人っているの?ユーリ」
ユーリ「ああ、間違いねえ。太陽見れねぇと、心までねじくれんのかね、
そんなこんなで入り口に近付くと、そこには騎士っぽい門番が二人佇んでいることに気がつき、私達は足を止めた。
門番1「通行許可書の提示を願います」
エステル「許可書………ですか………?」
まぁ確かに?研究施設っぽいから、警備員とか備え付けるんだろうけど、初めて聞いたよ。
そりゃあ、どの街行っても交流関係が低いわけだ。研究に没頭したあげく、口数が少ないコミュ症のような人達だらけってことだもの。
陽菜「………許可書なんているほどの都市なの?
ここって」
門番1「当たり前だ。
門番2「その通り。
ここは帝国直属の施設だ。一般人を簡単に入れるわけにはいかない」
カロル「ねえ。ヒナは、そんなの持ってんの?」
カロルに袖を引っ張られながらそう聞かれ、私は溜め息交じりに「持ってないよ」と首を横に振る。
いや、何度も言うようだけれど私、この世界に初めて来たからね?
許可書なんていうレアなカードだか知らないけど、そんなもの持っているわけないじゃない。
そういうものなら騎士様だったり、お貴族のお嬢様辺りが持っていそうだけれど。と思ってユーリ達に振り返っても、どうやら彼らも持っていないみたい。
ユーリ「……………中に知り合いがいんだけど、通してもらえない?」
いや、ユーリ君。それは案の定………追い返されるのがオチって言うものじゃないかな?
そんなことを思っていたら、くらっと景色が回る。
陽菜「……………。(………っ、あ、これヤバイやつ………っ)」
門番2「正式の訪問手続きをしたなら、許可書が渡っているはずだ。その知り合いとやらからな」
ユーリ「……………いや、何も聞いてないんだけど。
入れないってんなら、呼んできてくんないかな?」
気分が悪いことを悟られまいと、至って何ともない顔をする私は、ユーリ達の話を静かに聞いていた。
………ここが長引くと本当にマズイ。
景色が回るとか、重症じゃん。よく耐えれたよ、私。
急いでモルディオって人に会うところまで………というか、施設内に入らないと、差は激しくないけれど、寒暖のある外での野宿は非常にマズイ。
門番2「………その知り合いの名は?」
ユーリ「モルディオ」
門番1.2「「!!?」」
陽菜「………え、なに。モルディオさんって、驚くほどの人?」
カロル「さ、さあ………」
なんか、“モルディオ”って言う名前を口にしただけで、酷い驚き様はどう考えても異常だ。
理由を知らない私達にとっても、他の人にとっても頭に?がいくつも浮かぶばかりだけど、今はここでちんたらしている場合じゃない。
門番1.2「「∑モ、モルディオだと!?」」
ユーリ・エステル「「??」」
陽菜「………一体全体、なんでそんなに驚いてるのかわからんのだけどさ、………通っていいわけ?」
何度も言うようだけれどさぁ、“モルディオ”って言う名前だけで、こんなに驚くことはないでしょうよ。
え、なに。彼らが驚くほどの有名人にユーリ達は殴り込みにいこうってことだったわけ?
門番1「や、やはりダメだ。書簡にてやり取りをし、正式に許可書を交付してもらえ」
カロル「ちぇ、融通きかないんだから」
カロルの言葉に反応した一人の門番が、身構えたのを知ると、尻尾を巻いてユーリの後ろに逃げていた。
いや、ユーリを盾にしたって駄目じゃん。まあ、カロルが言うことも尤もなんだけどね。
陽菜「カロル。………逃げるんだったら、はじめっからそんな事言わないの」
カロル「に、逃げてないよ!!」
陽菜「それを逃げてるって言うの。………まったく」
ユーリ「………おまえら、姉弟か何かか?」
そんなやり取りをしていると、エステルが門番に話しかけていた。
エステル「あの、フレンという名の騎士が、訪ねてきませんでしたか?」
門番2「施設に関する一切は機密事項です。些細なことでも教えられません」
エステル「フレンが来た目的も?」
門番1「もちろんです」
……………あ。これは………エステルの勝利だ。
彼らの回答を聞いて、嬉しそうに声を張り上げるエステル。
元々その情報を探りに来ているわけだから、これは大手柄だ。
エステル「………ということは、フレンはここに来たんですね!!」
門番1「!!」
門番2「し、知らん!フレンなんて騎士は………」
陽菜(すごーい、エステル誘導尋問ってやつじゃん。
もしかして外交官とか、そういった役を持つ貴族だったりするんかな)
まあ、これで、この人達は確かにフレンさんに会っているって事が分かったね。
あくまで意地を張り続けながら、シラを切るみたいだけど。
第1目的は達成されたわけだ。
エステル「じゃあせめて伝言だけでもお願いできませんか?」
なおもすがろうとするエステルに「やめとけ」とユーリがたしなめる。
ユーリ「こいつらに何言っても時間の無駄だって」
陽菜「そうだよ、エステル………」
エステル「そ、そうですね。大変失礼致しました」
仕方がなく、私達は門を離れ、門番に見つからないように岩陰に隠れた。
さて、ひとまずの作戦会議を始めるけれど、なかなか良い案が出ずにいた。
ユーリ「冷静に行こうぜ」
エステル「でも、中にはフレンが………」
カロル「諦めちゃっていいの?」
エステル「いいえ、絶対に諦めません!!今度こそフレンに会うんです!!」