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第3章 ハルルの樹

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リッキー達と話をしている間に、ユーリ達は村長に話しかけ、よろず屋に訪れていた。
あのよろず屋で、パナシーアボトルを作ってもらうのね………。
よろず屋はルルリエの花びらとニアの実、エッグベアの爪を受け取って調合していくと、あっという間にパナシーアボトルがで来た。



よろず屋「パナシーアボトルの出来上がりだ」



カロル「これで毒を浄化できるはず!早速行こうよ!!」



ユーリ「そんなに慌てんなって。1つしかねぇんだから、落としたら大変だぞ」



カロル「う、うん。なら、慎重に急ごう!!」



ユーリ「ヒナー、リッキー、クレハー!!パナシーアボトルが出来たから、ハルルの樹んトコに行くぞ!」



陽菜「はーい………行くよ、二人共」



リッキー「ヴォンッ!!」



クレハ「……………」






───── ハルルの樹 ─────





へぇー、人がわんさかいる。
街の人々は、ハルルの樹の復活を祈ってるのねぇ。
そりゃそうか。結界としての役割だけでなく、街のシンボルだもんなぁ。昔から見慣れたものがいなくなっていくのは確かに辛いし寂しいと思う。



村長「おおっ、毒を浄化する薬が出来ましたか!?」



この街の村長らしき人が、私達を見つけるや否、そう話しかけてきた。



ユーリ「カロル、任せた。面倒なのは苦手でね」



カロル「え?いいの?………じゃあ、ボクがやるね!!」



パナシーアボトルを手に持ったカロルは、ハルルの樹の根元まで走って早速作業を始めていた。
あんなに必死になってこの樹を治したかったんだなぁ。
ここに来るまでの間に、ハルルの樹について色々聞いていたけれど、満開に咲けば薄桃色の花が巨木全体に咲き誇るのだという。
聞けば聞くほど、元の世界にあった桜の木に特徴が似ていた。
ハルルの樹は、魔導器と成長過程で同化していったらしいから、この樹が枯れると結界としての機能も喪われるのかもしれない。



エステル「カロル。誰かにハルルの花を見せたかったんですよね?」



ユーリ「多分。ま、手遅れでなきゃいいけど」



エステルが、ユーリに心配そうな表情で話しかけていた。



陽菜「……………」



私達が見守る中、カロルがかけたパナシーアボトルの液体が、根元に落ちるとハルルの樹が光り輝き始めた。
まるで、パナシーアボトルの効果に反応しているかのように。






───── たす、けて………夕星の、子……… ─────






ビクッ





陽菜「────っ!?」



ドクドクと嫌に心臓が鳴る。
なんで?なんでここで助けを求めるの?
助けてるじゃん。
カロル達が必死に集めた解毒剤で、浄化させてるじゃん。
それなのに……………どうして……………?



エステル「樹が………光って………」



村長「お願いします。結界よ、ハルルの樹よ、蘇ってくだされ」



みんなが願う中、私だけ………今まで感じたことのない、違和感を覚えていた。



陽菜(………どう、して………?)



助けてって………そこまでひどい状態だったって言うの?
カロル達が持ってきた解毒薬だけじゃ、足りなかったってこと?



陽菜(………本当に、夕星の子がもつ力なら………あなたは助かるの………?)



私が考え事をしていると、街のみんながざわめき始めた。見上げれば、先程まで光輝いていたのが、瞬く間に消え去っている。



村長「そ、そんな………」



陽菜「っ、消え…てる………」



何の変哲も、変化すらないハルルの樹を眺めた街の人達の期待が、絶望へと変わっていく。



カロル「嘘、量が足りなかったの?
それとも、この方法じゃ………」



エステル「もう一度、パナシーアボトルをっ!!」



村長「それは………無理です。ルルリエの花びらはもう、残っていません」



ユーリ「それは、つまり………材料がない、ということか?」



村長「………」



ユーリの問いかけに、村長さんは悲しそうに緩く頷いた。
材料が足りなければ、もう一度作り出すのは難しい。元々、パナシーアボトルの材料である、ルルリエの花びらもエッグベアの爪もニアの実も………採取するのだって大変だ。
集めれたとして、ハルルの樹がそこまで持つかもわからない。



エステル「そんな、そんなのって………」



その事を聞いたエステルが樹の根元に近付き、未だ暗いハルルの樹を見上げていた。
街の人達も、まるでお通夜のごとく静まり返っている。
もうダメなのかもしれない、そんな諦めの声が聴こえてくるほど、暗く哀しい空気が漂っていた。




陽菜「………。まだ………」



カロル「………ヒナ?」



ふいに呟いた言葉を、カロルが不思議そうに聞き返してきた。それに吊られて回りの人たちも私の方を見る。



陽菜「まだ……………ハルルの樹は死んじゃいないよ」



エステル「えっ………!?」



カロル「ええっ、そ、それって本当なの!?」



まだ諦めるには、早い気がして………いつの間にか口に出していた。言ってしまった以上、取り消す事はできないから、憶測でしかない………一ミリも満たないこの光にかけるしかない。



ユーリ「どういう事だ?ヒナ



陽菜「………私も確証はない。けれど、さっきからずっと聞こえるの。ハルルの樹がまだ助けを求める声をあげてる………だから」



ユーリ「……………まだ、死んじゃいねぇってことか?」



私の言葉を紡いだユーリに、私はしっかりと頷く。
そう。ハルルの樹がまだ呼び続けていると言うことは、僅かながらに堪えているということ。でも、時間は残り少ない。この賭けに賭けるしか、今のところ最善策は見つからない。



カロル「で、でもっ。パナシーアボトルの材料がないんだよ!?どうやって………っ」



陽菜「ハルルの樹が言ってた。“夕星の子、助けて”って。それって、夕星の子なら、何とかなるかも知れないってことでしょ?」



村長「夕星の、子………ですか」



私達が考えていると、ある村人がこんな事を言っていた。



住人「な、なあ………夕星の子って………あのおとぎ話のことか?」



住人「わかんねぇけど………でも聞いたことあるのって、それだよな?」



ユーリ「!、それを詳しく聞かせてくれるか?」
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