第3章 ハルルの樹
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───── たす…けて………夕………の子 ─────
陽菜(っ、まただ………)
出口に近づくにつれ、聴こえてくる謎の声がなんとか聞き取りやすくはなってくるけれど、ユーリ達の会話を聞いていてもやっぱり私にしか聞こえていないようだ。
陽菜(一体、なんだっていうの?
……………私に何をさせたいの?)
あの女の人にしろ、謎の声にしろ………よくわからない要素が多すぎる。
私に“大切なもの”探して守れって………それ以前にわからないことが多いのにどうしたらいいの?
大切なものって何?
それすら見つけられなかったら、私、元の世界に戻れないの……………?
ユーリ「………ぃ、おい、大丈夫か?」
陽菜「───っ、あ、なんかあったの?」
突然聞こえた声に、ハッとする私は、みんなの顔を見やる。
キョトンとした様子で私が彼らを見ると、「何言ってるんだ」とでも言いたげな顔をしていた。
カロル「違うよ、ヒナ。ユーリに大声で怒ったと思ったら、急に悲しそうにしてたから」
陽菜「………あ、ごめん。そんな顔、私………してた?」
苦笑する私が問うと、全員が頷き返す。
考えすぎていていらぬ心配をかけてしまったみたいで、少しだけはにかみながら笑いかける。
そうだ。先の事は今考えていたってどうしようもできない。今はとにかく、この森を抜けて、それからの事はおいおい考えていったらいい。
陽菜「そっか…………ごめんね。なんでもないよ」
ユーリ「………そんならいいけどよ」
ユーリがカロルに代わって、エッグベアの爪を剥ぎ取った。
へえ、こんなふうにすぐ剥がれるんだ。魔物の爪って。
ユーリ「鼻、大丈夫か、ラピード?」
陽菜「リッキーも、クレハも大丈夫?」
ラピード「………」
クレハ『ええ、もう大丈夫みたい』
リッキー『だいぶ、嗅覚が回復してきたみたいだからな………お嬢は?』
リッキー達が浅く頷きながらそう言ったので、私はホッと胸をなで下ろす。
あのまま嗅覚が戻らなくて後遺症になったら大変だし、何より私みたいになってほしくなかったからすごく心配だったけど、幸いにもこの3匹はなんともないようで安心した。
陽菜「うん。私も大丈夫よ、ありがと、リッキー」
カロル「これで、ルルリエの花びらがあればいいんだよね?」
陽菜「カロル達の話を聞くと、そのようだね」
エステル「ハルルの長のところへ行きましょう」
これでパナシーアボトルの材料が揃った私達は、ハルルへと赴 くため、クオイの森を出ることにした。
まあ、続々と魔物が現れるもんだから、蹴散らしながら森の出口へと前に進む。
カロル「ねえ、ヒナ」
陽菜「何?」
カロル「ヒナは戦闘の時、いつの間にかあんなところにいたよね?」
陽菜「え?………ああ。あれね………」
いつの間にあんな所へ行っていたのか、と聞かれても実際、私にもよくわかってないんだよねぇ。とにかく倒さなきゃって思ってたし、いちいち突っ込む暇なかったし。
エステル「どうやってやったのですか?一瞬にして、あんなにいた魔物を倒すだなんて」
ま、待って待って。ものすっごいキラキラ感で見てこないで、二人とも(汗)
普通に戦ってただけなのになんで聞きたいの!?ツボになるポイントがよくわからないよ!?
陽菜「えー………?ん~、企業秘密だから、言えないよ」
カロル・エステル「「ええ~~っ!?気になるよ/ります!!」」
残念そうに言う二人に、私は「ごめんね」と申し訳なさそうに言う。
というか、言えるはずもないので、聞かれて思わず冷や汗をかいた。
ごめん。本当に知らないんだよ………っ!
君達の良心が、私の罪悪感を刺激するから、お願いだからそんな目で見ないで!!
グサグサと突き刺さる胸を抑えながら、ユーリの後ろに隠れていく。
そんな様子を黙ってみていた彼は「お前らは人を盾にしないと気がすまないのか?」と呆れ返っていた。
他愛もない話をしていると、急にラピードが後ろへと振り返り、唸り声を上げる。
ラピード「!、グルルル………ッ」
ユーリ「?、ラピード?」
陽菜「………誰かが、来る」
急いで茂みの中へと隠れると、耳をつんざく声が大音量で聞こえてきた。
陽菜(っ、まただ………)
出口に近づくにつれ、聴こえてくる謎の声がなんとか聞き取りやすくはなってくるけれど、ユーリ達の会話を聞いていてもやっぱり私にしか聞こえていないようだ。
陽菜(一体、なんだっていうの?
……………私に何をさせたいの?)
あの女の人にしろ、謎の声にしろ………よくわからない要素が多すぎる。
私に“大切なもの”探して守れって………それ以前にわからないことが多いのにどうしたらいいの?
大切なものって何?
それすら見つけられなかったら、私、元の世界に戻れないの……………?
ユーリ「………ぃ、おい、大丈夫か?」
陽菜「───っ、あ、なんかあったの?」
突然聞こえた声に、ハッとする私は、みんなの顔を見やる。
キョトンとした様子で私が彼らを見ると、「何言ってるんだ」とでも言いたげな顔をしていた。
カロル「違うよ、ヒナ。ユーリに大声で怒ったと思ったら、急に悲しそうにしてたから」
陽菜「………あ、ごめん。そんな顔、私………してた?」
苦笑する私が問うと、全員が頷き返す。
考えすぎていていらぬ心配をかけてしまったみたいで、少しだけはにかみながら笑いかける。
そうだ。先の事は今考えていたってどうしようもできない。今はとにかく、この森を抜けて、それからの事はおいおい考えていったらいい。
陽菜「そっか…………ごめんね。なんでもないよ」
ユーリ「………そんならいいけどよ」
ユーリがカロルに代わって、エッグベアの爪を剥ぎ取った。
へえ、こんなふうにすぐ剥がれるんだ。魔物の爪って。
ユーリ「鼻、大丈夫か、ラピード?」
陽菜「リッキーも、クレハも大丈夫?」
ラピード「………」
クレハ『ええ、もう大丈夫みたい』
リッキー『だいぶ、嗅覚が回復してきたみたいだからな………お嬢は?』
リッキー達が浅く頷きながらそう言ったので、私はホッと胸をなで下ろす。
あのまま嗅覚が戻らなくて後遺症になったら大変だし、何より私みたいになってほしくなかったからすごく心配だったけど、幸いにもこの3匹はなんともないようで安心した。
陽菜「うん。私も大丈夫よ、ありがと、リッキー」
カロル「これで、ルルリエの花びらがあればいいんだよね?」
陽菜「カロル達の話を聞くと、そのようだね」
エステル「ハルルの長のところへ行きましょう」
これでパナシーアボトルの材料が揃った私達は、ハルルへと
まあ、続々と魔物が現れるもんだから、蹴散らしながら森の出口へと前に進む。
カロル「ねえ、ヒナ」
陽菜「何?」
カロル「ヒナは戦闘の時、いつの間にかあんなところにいたよね?」
陽菜「え?………ああ。あれね………」
いつの間にあんな所へ行っていたのか、と聞かれても実際、私にもよくわかってないんだよねぇ。とにかく倒さなきゃって思ってたし、いちいち突っ込む暇なかったし。
エステル「どうやってやったのですか?一瞬にして、あんなにいた魔物を倒すだなんて」
ま、待って待って。ものすっごいキラキラ感で見てこないで、二人とも(汗)
普通に戦ってただけなのになんで聞きたいの!?ツボになるポイントがよくわからないよ!?
陽菜「えー………?ん~、企業秘密だから、言えないよ」
カロル・エステル「「ええ~~っ!?気になるよ/ります!!」」
残念そうに言う二人に、私は「ごめんね」と申し訳なさそうに言う。
というか、言えるはずもないので、聞かれて思わず冷や汗をかいた。
ごめん。本当に知らないんだよ………っ!
君達の良心が、私の罪悪感を刺激するから、お願いだからそんな目で見ないで!!
グサグサと突き刺さる胸を抑えながら、ユーリの後ろに隠れていく。
そんな様子を黙ってみていた彼は「お前らは人を盾にしないと気がすまないのか?」と呆れ返っていた。
他愛もない話をしていると、急にラピードが後ろへと振り返り、唸り声を上げる。
ラピード「!、グルルル………ッ」
ユーリ「?、ラピード?」
陽菜「………誰かが、来る」
急いで茂みの中へと隠れると、耳をつんざく声が大音量で聞こえてきた。