第2章 出会い
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陽菜「あーもう。こうなったらヤケだっ!!」
──── ………秘術・桜花紅姫………────
渋々ながらに戦うことになった私は、ゲームでやったように腰に着いた剣を使って、襲いかかってくる魔物を斬り伏せることに成功した。
戦っている最中に、突如頭の中で奥義名が浮かび上がり、私はその名前を言うと、いつの間にか魔物の背後にいた。
陽菜「………っ、秘術・桜花紅姫っ!!」
知らない間に桜の花びらで相手の目を欺いた後、長剣だけで一閃すると魔物達はドサリと倒れた。
ズキリ、と左足が軋むような痛みに襲われるものの、魔物を倒したことに驚きを隠せずにいた。
陽菜「っ………ハァ、やった………の………?」
それに、今のって何で私知っていたの?
あの剣術さえ初めてだし、剣も握ったのも初めてな筈なのに。
陽菜(………あれも、あの人のおかげ………なのかな)
クレハ「上出来よ、ヒナ。やっぱり私の目に狂いはなかったようね」
陽菜「助けてくれなかった鳥がよく言うわよ……………」
クレハ「あら、誉め言葉として受けとるわ」
クスクスと笑う彼女にため息づきながらも目の前の敵を倒していく。それでもクレハは「人材育成」とか何かを言い訳に戦うことはせず、木の上で傍観している。
リッキー『!?、お嬢、後ろッ!!』
そんな彼女に気を取られ過ぎていた私は、リッキーの叫びに背後を振り返ると、さっきとは別の魔物が襲いかかってきていた。
陽菜「……っ………い、いつの間に!?」
咄嗟にガードをしたはいいが、体勢を崩され、どさりと倒れ込む。
陽菜「つっ!!」
────やられる。そんな言葉が頭の中をよぎり、無意識で目をかたくなに瞑っていた。
ザシュッ!!
…………………。
……………あ、あれ?なんとも……………ない?
何かを斬った音は聞こえたけど、何の衝撃すら、身体に起こる気配もない。なんだろう、デジャブを感じるがうっすらと目を開けば、襲いかかってきた魔物は倒れ伏している。
?「……………おい、大丈夫か?」
陽菜「へっ??」
恐る恐る目を開けてみると、そこには髪の長い美青年がいた。いやぁ、めっちゃくちゃ美形。少し年下か同い年ぐらいだろうか、いかにも兄貴肌っぽい青年で、たぶん女の子殺到するぐらいにモテそうだな、この人。
しかも左手に剣を持っているってことは、彼は左手って訳か。
陽菜「あ………あり、がと………っ!?///」
?「……………っ!?///」
顔を見ようとしたら、視線がバチッと合ってしまい、私もその人も互いに顔を赤らめながら愕然としていた。
漆黒の髪に黒い服………色香の漂いそうな彼の顔がまともに見れない。そもそもこんなイケメンとの面識がないから耐性がないというかドキマギしてしまう。
陽菜「あの、本当にありがとう………助けてくれて///」
?「当然の事をしたまでだからな。その………立てるか?///」
陽菜「あ………うん。リッキー。」
リッキー「ウォン!」
リッキーが私のとなりに来たので、彼の背に手を置きながら、助けてくれた青年の手を取って立ち上がる。
陽菜「……………っ、」
?「!、どっか痛むのか?」
陽菜「ううん、大丈夫」
私が顔をしかめたのを見た彼は、心配そうに言ってきてくれたけど、少しよろけながらもリッキーにまたがった。
もちろん、私の肩にはさっきまで木の上で休んでいたクレハが乗っている。
?「ユーリ!」
?「一人でどこに行っちゃってたのさ!」
ユーリ………それが、この人の名前なのだろうか。
けれどなんか不思議なこともあるものだ。遠い記憶でおぼろげに思い出す顔の分からない少年も、確かそんな名前だったような気がする。
彼の後ろから可愛らしい女性と、鞄を提げている男の子、それから犬が駆け寄ってきた。
いや、犬ってキセル咥えて大丈夫なのかなって思ってたら、リッキーに『ありゃ形見かなにかだな』という呟きが聞こえて合点がいった。
前の飼い主の形見なら、確かに大事に咥えていてもおかしくはないだろう。それほど大切な人だったんだなというのが窺える。
男「わりぃわりぃ。魔物に襲われてた人を助けてた」
犬「……………?」
犬はじっと私を見ていたので、フッと顔を緩ませながら、心の中で自己紹介をしていた。
女性「………その方は?」
外国の人なんだろうか?とってもきれいな桜色の短い髪を揺らしていた。
男「魔物に襲われてた女だよ。犬と鳥も一緒だけどな。そういや、あんた名前は?」
陽菜「あっ、私は緋星陽菜です。陽菜が名前なので、そっちで呼んで下さい」
?「ヒナか。オレはユーリ・ローウェル」
陽菜「よろしくです、ユーリさん」
軽く笑う私に、ユーリと名乗ったこの美青年は照れくさいのか、申し訳なさそうにクスッと笑っていた。
ユーリ「“さん”はよせよ。オレのことは“ユーリ”でいいぜ。オレもあんたをヒナって呼ぶから」
あ………要は呼び捨てで構わないってことですか。
でも、私としても堅苦しいのは苦手だったからとてもありがたかったので、言葉に甘えてはにかみながら応じる
陽菜「じゃあ、ユーリ、よろしくです」
ユーリ「おう、よろしくな」
親切に笑みを浮かべるユーリが私に手を差し出したので、私も彼の手を握って握手をした。
陽菜「………ところで、こちらの方々は?」
エステル「私はエステリーゼ・シデス・ヒュラッセインと申します。エステルって呼んで下さい」
カロル「ボクはカロル・カペル。ギルド:魔狩りの剣の一員なんだ」
陽菜「よろしく、二人共。それに、ラピードもね」
ラピード「ワン!」
笑顔でそう鳴くラピードに私も笑って「うん、よろしく」と言っていると、3人が驚いたような顔をして私を見ていた。
エステル「ぇ!?どうしてラピードの事知っているんです!?」
陽菜「どうしてって………最初にラピードと挨拶してたんだ。彼から色々と聞いたよ、割と面白かったけど。」
「ね、ラピード」というと、私に「ワン!」と一吠えしてきた。ふふ、可愛い。
ユーリ「へえ、初めてだな。オレ以外にコイツの言葉が分かるヤツって」
陽菜「あはは………。まあ、幼い頃からリッキー達にくっついてたってのが一番の理由なんだけどね」
エステル「ええっ!?犬に育てられたんですか!?」
ユーリ「………すっげーのな、おまえ」
キラキラと目を輝かせながらリッキーを見るエステル達に、少しだけ照れ臭そうな彼は尻尾をブンブンと振っている。嬉しいのが伝わってきた私は彼に乗ったまま頭をなで回す。
陽菜「ふふふ。照れない照れない」
エステル「ホントにお話が出来るんですね~、羨ましいです!!」
カロル「え?何言ってんの、エステルったらぁ………ユーリならともかく、普通の人が動物と話せるだなんて………」
あはは、と笑って疑っているカロルに、全員が視線を送っていた。まあ、動物の言葉がわかる人間なんてそうもいないのは確かだ。長い付き合いでなんとなく言いたいことがわかる。そういう人がほとんどだろうし、ユーリとラピードもそんな関係らしいから、本当にわかる訳じゃない。
カロルがそう疑うのはもっともなんだけど………これはリッキー怒るだろうなぁ。
エステル「………」
ユーリ「………」
ラピード「………」
陽菜「………」
リッキー「ガルルル………」
クレハ「………」
カロル「………え、マジで?」
陽菜「………はぁ。まあ、ともかく。こっちの犬はリッキーと言って、私の肩に乗っている鳥はクレハというの」
リッキー「ワン!」
クレハ「クァイークァイー」
ってあれ?クレハ、人語で話さないのかな?さっきまでは私達と話してたのに………。
──── ………秘術・桜花紅姫………────
渋々ながらに戦うことになった私は、ゲームでやったように腰に着いた剣を使って、襲いかかってくる魔物を斬り伏せることに成功した。
戦っている最中に、突如頭の中で奥義名が浮かび上がり、私はその名前を言うと、いつの間にか魔物の背後にいた。
陽菜「………っ、秘術・桜花紅姫っ!!」
知らない間に桜の花びらで相手の目を欺いた後、長剣だけで一閃すると魔物達はドサリと倒れた。
ズキリ、と左足が軋むような痛みに襲われるものの、魔物を倒したことに驚きを隠せずにいた。
陽菜「っ………ハァ、やった………の………?」
それに、今のって何で私知っていたの?
あの剣術さえ初めてだし、剣も握ったのも初めてな筈なのに。
陽菜(………あれも、あの人のおかげ………なのかな)
クレハ「上出来よ、ヒナ。やっぱり私の目に狂いはなかったようね」
陽菜「助けてくれなかった鳥がよく言うわよ……………」
クレハ「あら、誉め言葉として受けとるわ」
クスクスと笑う彼女にため息づきながらも目の前の敵を倒していく。それでもクレハは「人材育成」とか何かを言い訳に戦うことはせず、木の上で傍観している。
リッキー『!?、お嬢、後ろッ!!』
そんな彼女に気を取られ過ぎていた私は、リッキーの叫びに背後を振り返ると、さっきとは別の魔物が襲いかかってきていた。
陽菜「……っ………い、いつの間に!?」
咄嗟にガードをしたはいいが、体勢を崩され、どさりと倒れ込む。
陽菜「つっ!!」
────やられる。そんな言葉が頭の中をよぎり、無意識で目をかたくなに瞑っていた。
ザシュッ!!
…………………。
……………あ、あれ?なんとも……………ない?
何かを斬った音は聞こえたけど、何の衝撃すら、身体に起こる気配もない。なんだろう、デジャブを感じるがうっすらと目を開けば、襲いかかってきた魔物は倒れ伏している。
?「……………おい、大丈夫か?」
陽菜「へっ??」
恐る恐る目を開けてみると、そこには髪の長い美青年がいた。いやぁ、めっちゃくちゃ美形。少し年下か同い年ぐらいだろうか、いかにも兄貴肌っぽい青年で、たぶん女の子殺到するぐらいにモテそうだな、この人。
しかも左手に剣を持っているってことは、彼は左手って訳か。
陽菜「あ………あり、がと………っ!?///」
?「……………っ!?///」
顔を見ようとしたら、視線がバチッと合ってしまい、私もその人も互いに顔を赤らめながら愕然としていた。
漆黒の髪に黒い服………色香の漂いそうな彼の顔がまともに見れない。そもそもこんなイケメンとの面識がないから耐性がないというかドキマギしてしまう。
陽菜「あの、本当にありがとう………助けてくれて///」
?「当然の事をしたまでだからな。その………立てるか?///」
陽菜「あ………うん。リッキー。」
リッキー「ウォン!」
リッキーが私のとなりに来たので、彼の背に手を置きながら、助けてくれた青年の手を取って立ち上がる。
陽菜「……………っ、」
?「!、どっか痛むのか?」
陽菜「ううん、大丈夫」
私が顔をしかめたのを見た彼は、心配そうに言ってきてくれたけど、少しよろけながらもリッキーにまたがった。
もちろん、私の肩にはさっきまで木の上で休んでいたクレハが乗っている。
?「ユーリ!」
?「一人でどこに行っちゃってたのさ!」
ユーリ………それが、この人の名前なのだろうか。
けれどなんか不思議なこともあるものだ。遠い記憶でおぼろげに思い出す顔の分からない少年も、確かそんな名前だったような気がする。
彼の後ろから可愛らしい女性と、鞄を提げている男の子、それから犬が駆け寄ってきた。
いや、犬ってキセル咥えて大丈夫なのかなって思ってたら、リッキーに『ありゃ形見かなにかだな』という呟きが聞こえて合点がいった。
前の飼い主の形見なら、確かに大事に咥えていてもおかしくはないだろう。それほど大切な人だったんだなというのが窺える。
男「わりぃわりぃ。魔物に襲われてた人を助けてた」
犬「……………?」
犬はじっと私を見ていたので、フッと顔を緩ませながら、心の中で自己紹介をしていた。
女性「………その方は?」
外国の人なんだろうか?とってもきれいな桜色の短い髪を揺らしていた。
男「魔物に襲われてた女だよ。犬と鳥も一緒だけどな。そういや、あんた名前は?」
陽菜「あっ、私は緋星陽菜です。陽菜が名前なので、そっちで呼んで下さい」
?「ヒナか。オレはユーリ・ローウェル」
陽菜「よろしくです、ユーリさん」
軽く笑う私に、ユーリと名乗ったこの美青年は照れくさいのか、申し訳なさそうにクスッと笑っていた。
ユーリ「“さん”はよせよ。オレのことは“ユーリ”でいいぜ。オレもあんたをヒナって呼ぶから」
あ………要は呼び捨てで構わないってことですか。
でも、私としても堅苦しいのは苦手だったからとてもありがたかったので、言葉に甘えてはにかみながら応じる
陽菜「じゃあ、ユーリ、よろしくです」
ユーリ「おう、よろしくな」
親切に笑みを浮かべるユーリが私に手を差し出したので、私も彼の手を握って握手をした。
陽菜「………ところで、こちらの方々は?」
エステル「私はエステリーゼ・シデス・ヒュラッセインと申します。エステルって呼んで下さい」
カロル「ボクはカロル・カペル。ギルド:魔狩りの剣の一員なんだ」
陽菜「よろしく、二人共。それに、ラピードもね」
ラピード「ワン!」
笑顔でそう鳴くラピードに私も笑って「うん、よろしく」と言っていると、3人が驚いたような顔をして私を見ていた。
エステル「ぇ!?どうしてラピードの事知っているんです!?」
陽菜「どうしてって………最初にラピードと挨拶してたんだ。彼から色々と聞いたよ、割と面白かったけど。」
「ね、ラピード」というと、私に「ワン!」と一吠えしてきた。ふふ、可愛い。
ユーリ「へえ、初めてだな。オレ以外にコイツの言葉が分かるヤツって」
陽菜「あはは………。まあ、幼い頃からリッキー達にくっついてたってのが一番の理由なんだけどね」
エステル「ええっ!?犬に育てられたんですか!?」
ユーリ「………すっげーのな、おまえ」
キラキラと目を輝かせながらリッキーを見るエステル達に、少しだけ照れ臭そうな彼は尻尾をブンブンと振っている。嬉しいのが伝わってきた私は彼に乗ったまま頭をなで回す。
陽菜「ふふふ。照れない照れない」
エステル「ホントにお話が出来るんですね~、羨ましいです!!」
カロル「え?何言ってんの、エステルったらぁ………ユーリならともかく、普通の人が動物と話せるだなんて………」
あはは、と笑って疑っているカロルに、全員が視線を送っていた。まあ、動物の言葉がわかる人間なんてそうもいないのは確かだ。長い付き合いでなんとなく言いたいことがわかる。そういう人がほとんどだろうし、ユーリとラピードもそんな関係らしいから、本当にわかる訳じゃない。
カロルがそう疑うのはもっともなんだけど………これはリッキー怒るだろうなぁ。
エステル「………」
ユーリ「………」
ラピード「………」
陽菜「………」
リッキー「ガルルル………」
クレハ「………」
カロル「………え、マジで?」
陽菜「………はぁ。まあ、ともかく。こっちの犬はリッキーと言って、私の肩に乗っている鳥はクレハというの」
リッキー「ワン!」
クレハ「クァイークァイー」
ってあれ?クレハ、人語で話さないのかな?さっきまでは私達と話してたのに………。