第四章・忌まわしき血と力
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《お、のれェ………おのれ…おのれッ、紅葉の鬼姫が……ッ!!
一度だけでなく二度までも俺の邪魔をするかァア!!》
楓「……ッ!!オン マリシエイ ソワカ…ッ」
《ガルルル………ッ!!!》
すぐさま目の前で刀印をつくり、唱える。
急なことに反応が遅れたのか、半ば体当たりでぶつかってきたそれは、まるで見えない壁に阻まれたかのように、バチバチと火花が散って視えた。
初めてやったものの、あまりにもリアルに捉えられて、実を言えば恐ろしかったというのが本音である。
こんなに体力を奪われるものなのかと実際に、体験させられるとは思ってもみなかったことだが、これはこれで興味深い。
刀印を組んでいる左手が、どれくらい彼の力に耐えられるかが問題ではあるけど、まぁなんとかなるだろう。
その様子に憤慨 したのか、憎たらしそうに爪を伸ばしながら彼は睨み付けてきた。
《まさか、なァんにも知らねーはずの小娘が、たった数日で真言 を覚えただと……。》
楓「……私の前から消えて。あんたなんかに、今はまだ、この身体をやるわけにはいかないのよ」
小太刀を投げつけるように、彼に向かって放つ。
放たれた刀は犬神の胸を貫き、虚像かのように朧気に揺らめく彼の後ろにサクッと突き刺さっていた。
それと同時に印を結んでいた手が限界を迎えてきたのか、透明な防御壁は静かに消え去っていく。
《…………っ、覚えていろ。次は必ず………》
そう言い残しながら、闇夜に消えていく彼をじっと見つめていた私は、糸が切れたかのようにぺたりと座り込む。
これから、こんな夜が続くのだろうか。
毎晩、身体を盗られる夢を見て自分が自分ではなくなっていくその恐怖に、囚われてしまうのだろうか。
楓「………は…はは。私が今更、恐怖を抱くなんて………馬鹿らしい」
こんなこと、一度もなかったのに。
彼らと生活してから、感化されてきているのだろうか、あの頃よりも寂しく感じなくなった。
ただの虚構な人間関係なのに、いつの間にか離しがたくなってきているとは、私もだいぶ落ちぶれたものだ。
楓「……………寝よ」
明日は朝イチで呉服屋へ飛ばなくてはならないから、少しでも体力を回復させておかねば。
ただでさえ、剣術の稽古で疲れているのに、厄介な妖に絡まれただなんて………何て厄日だろう。
楓(…明日は…早く……)
よほど疲れていたのか、布団に潜り込んだとたん、すぐさま寝入ってしまった。
先程まで怯えていた夢も見ることなく、暗い闇の底に意識を手放して。
一度だけでなく二度までも俺の邪魔をするかァア!!》
楓「……ッ!!オン マリシエイ ソワカ…ッ」
《ガルルル………ッ!!!》
すぐさま目の前で刀印をつくり、唱える。
急なことに反応が遅れたのか、半ば体当たりでぶつかってきたそれは、まるで見えない壁に阻まれたかのように、バチバチと火花が散って視えた。
初めてやったものの、あまりにもリアルに捉えられて、実を言えば恐ろしかったというのが本音である。
こんなに体力を奪われるものなのかと実際に、体験させられるとは思ってもみなかったことだが、これはこれで興味深い。
刀印を組んでいる左手が、どれくらい彼の力に耐えられるかが問題ではあるけど、まぁなんとかなるだろう。
その様子に
《まさか、なァんにも知らねーはずの小娘が、たった数日で
楓「……私の前から消えて。あんたなんかに、今はまだ、この身体をやるわけにはいかないのよ」
小太刀を投げつけるように、彼に向かって放つ。
放たれた刀は犬神の胸を貫き、虚像かのように朧気に揺らめく彼の後ろにサクッと突き刺さっていた。
それと同時に印を結んでいた手が限界を迎えてきたのか、透明な防御壁は静かに消え去っていく。
《…………っ、覚えていろ。次は必ず………》
そう言い残しながら、闇夜に消えていく彼をじっと見つめていた私は、糸が切れたかのようにぺたりと座り込む。
これから、こんな夜が続くのだろうか。
毎晩、身体を盗られる夢を見て自分が自分ではなくなっていくその恐怖に、囚われてしまうのだろうか。
楓「………は…はは。私が今更、恐怖を抱くなんて………馬鹿らしい」
こんなこと、一度もなかったのに。
彼らと生活してから、感化されてきているのだろうか、あの頃よりも寂しく感じなくなった。
ただの虚構な人間関係なのに、いつの間にか離しがたくなってきているとは、私もだいぶ落ちぶれたものだ。
楓「……………寝よ」
明日は朝イチで呉服屋へ飛ばなくてはならないから、少しでも体力を回復させておかねば。
ただでさえ、剣術の稽古で疲れているのに、厄介な妖に絡まれただなんて………何て厄日だろう。
楓(…明日は…早く……)
よほど疲れていたのか、布団に潜り込んだとたん、すぐさま寝入ってしまった。
先程まで怯えていた夢も見ることなく、暗い闇の底に意識を手放して。
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