第四章・忌まわしき血と力
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平助「ちょ、ちょっと待てよ楓。
てゆーことはあれか?
幽霊とかいんのか!?」
楓「いるよ。あんたのそばにずぅっと………」
平助「うわぁ!!!
言うな!!楓
なぁ、土方さん!楓に清めさせようぜ!?」
平助が青ざめた様子で聞くものだから、ちょっといじわるしたくなってきてしまい、低い声でそう言うと案の定、彼は悲鳴じみたことを言う。
藁にもすがる勢いで、平助が土方を見やると、彼は「はぁ………」とため息づく。
土方「………ダメだ。ここは男所帯なんだ。
女の格好は隊内の風紀を乱しかねねぇからな」
近藤「悪いなぁ、楓君。こればっかりは………」
楓「………近藤さんが言うならしょうがないですけど………、いつもの男装だと、清める力が半減するんですよねぇ」
山南「そうですね………。
せめて、彼女が会津藩のお預かり巫女なら、可能性はありますが……………」
ぽつりとそんな言葉をこぼす山南さんに「何言ってんだ、山南さん」と苦笑じみたことを返す。
土方「んなことありえねぇだろ」
そんなときだ。
ふと山南さんを見ていたら、黒いモヤのようなものが左腕を覆うように、漂っているのが見えた。しかも、幽霊が何か口をパクパクさせてるし。
私の方を見るなり、山南さんの周りをうようよと浮いている幽霊が、何かを伝えようとしているようだった。
喋れないから、聞くよりも読み取る方が難しかったが。
楓(“で” “か” “け” “る” “な”………?
……………山南さんが、どこかへ出かけようとしているから、それを止めろってこと?)
ただそれだけを伝えると、幽霊はそのまま消え去ってしまった。
謎の伝言を受けた私は、言うべきなのか否か迷いに迷った挙げ句、さりげなく聞くように本人に訪ねる。
絶対に聞く耳を持ってはくれないだろうけど、嫌な予感がするまま放っておくことはできなかった。
楓「………山南さん、近くにどこかへ出掛ける予定とかってあります?」
山南「え?」
突然、話を振られた山南さんはきょとんとした様子だったが、「………ああ、今度、土方君と大阪に出張に行きますね」と不思議そうに答えた。
山南「それが、どうかしましたか?」
楓「………あなたの左腕に黒いモヤが見えます。何事もなければいいのですが、用心しておいてください。
というか、出掛けない方がいいです。左腕、使い物にならなくなりますよ」
全員「!!??」
千鶴「な……………アキさん」
山南「おや、心配ですか?ありがとうございます。
左腕ですね、気をつけますよ」
私が言ったことを本気にしていないのか、彼はそう言ってやんわりと微笑んだ。
楓「山南さん………一応忠告しておきます、本当に道中お気をつけて」
山南「……………ふふ、わかりましたよ」
数日して、山南さんは土方さんと共に大阪へ出張していった。
…………私の忠告を無視して、だ。
楓(ま、信じろって言う方が難しいもんなぁ………)
どうしたもんかねぇ、と少しばかり頭を悩ませる。
ご飯時に視たあの黒いモヤは、いつ起こり得るかわからないし、むしろ今起こってもおかしくない。
というのも、初めて視たものだからどういう原理でそれが視えるのかが、未知の領域なのでなんとも言えない。
あれが凶と出るか吉と出るか……巫女としての力は低い私は占いすらできない。
まともに当たったことがないのもあるけれど、それ以前に最悪を言い当てるものだから、占いは不向きだ。
千鶴「アキさんも、そう思いません!??」
楓「……………え、ごめん。聞いてなかった。
なにが………?」
興奮した様子の千鶴が、唐突に問いかけてきた。
山南さんの事とかで色々考え込んでしまったらしい、むくれた様子で私の腕に抱きつく千鶴は、あの子と重なりそうで……ほんの少しだけ顔をしかめてしまう。
千鶴「もー、ちゃんと聞いてくださいよぉ!アキさんだって、外に出たいですよね!?という話です!!」
………ああ、その話。
確かに、ここのとこずっと外出禁止、および軟禁状態だからストレスはものすっごく溜まる。
とは言えど、私自身はそれどころじゃないし、今は
『休みがほしい』
ただそれだけなので、のどかな時間を満喫できてわりと満足なのだが、彼女にとってはそうではないらしい。
楓「え、別に………休めればそれで。(あとは、巫女衣装と笛が手に入れば、本当に満足なんだけど)」
千鶴「なんでですか!?
だって、土方さんもいませんし、小姓の仕事もありませんし、絶好に機会じゃないですか!!」
楓「いや、だからさ………って。ちょっ、千鶴!??」
千鶴「それに、父様も心配です………」
楓「……………おーい、人の話を聞けー………」
自分の世界に入ってしまった彼女に、1つため息をつく。
てゆーことはあれか?
幽霊とかいんのか!?」
楓「いるよ。あんたのそばにずぅっと………」
平助「うわぁ!!!
言うな!!楓
なぁ、土方さん!楓に清めさせようぜ!?」
平助が青ざめた様子で聞くものだから、ちょっといじわるしたくなってきてしまい、低い声でそう言うと案の定、彼は悲鳴じみたことを言う。
藁にもすがる勢いで、平助が土方を見やると、彼は「はぁ………」とため息づく。
土方「………ダメだ。ここは男所帯なんだ。
女の格好は隊内の風紀を乱しかねねぇからな」
近藤「悪いなぁ、楓君。こればっかりは………」
楓「………近藤さんが言うならしょうがないですけど………、いつもの男装だと、清める力が半減するんですよねぇ」
山南「そうですね………。
せめて、彼女が会津藩のお預かり巫女なら、可能性はありますが……………」
ぽつりとそんな言葉をこぼす山南さんに「何言ってんだ、山南さん」と苦笑じみたことを返す。
土方「んなことありえねぇだろ」
そんなときだ。
ふと山南さんを見ていたら、黒いモヤのようなものが左腕を覆うように、漂っているのが見えた。しかも、幽霊が何か口をパクパクさせてるし。
私の方を見るなり、山南さんの周りをうようよと浮いている幽霊が、何かを伝えようとしているようだった。
喋れないから、聞くよりも読み取る方が難しかったが。
楓(“で” “か” “け” “る” “な”………?
……………山南さんが、どこかへ出かけようとしているから、それを止めろってこと?)
ただそれだけを伝えると、幽霊はそのまま消え去ってしまった。
謎の伝言を受けた私は、言うべきなのか否か迷いに迷った挙げ句、さりげなく聞くように本人に訪ねる。
絶対に聞く耳を持ってはくれないだろうけど、嫌な予感がするまま放っておくことはできなかった。
楓「………山南さん、近くにどこかへ出掛ける予定とかってあります?」
山南「え?」
突然、話を振られた山南さんはきょとんとした様子だったが、「………ああ、今度、土方君と大阪に出張に行きますね」と不思議そうに答えた。
山南「それが、どうかしましたか?」
楓「………あなたの左腕に黒いモヤが見えます。何事もなければいいのですが、用心しておいてください。
というか、出掛けない方がいいです。左腕、使い物にならなくなりますよ」
全員「!!??」
千鶴「な……………アキさん」
山南「おや、心配ですか?ありがとうございます。
左腕ですね、気をつけますよ」
私が言ったことを本気にしていないのか、彼はそう言ってやんわりと微笑んだ。
楓「山南さん………一応忠告しておきます、本当に道中お気をつけて」
山南「……………ふふ、わかりましたよ」
数日して、山南さんは土方さんと共に大阪へ出張していった。
…………私の忠告を無視して、だ。
楓(ま、信じろって言う方が難しいもんなぁ………)
どうしたもんかねぇ、と少しばかり頭を悩ませる。
ご飯時に視たあの黒いモヤは、いつ起こり得るかわからないし、むしろ今起こってもおかしくない。
というのも、初めて視たものだからどういう原理でそれが視えるのかが、未知の領域なのでなんとも言えない。
あれが凶と出るか吉と出るか……巫女としての力は低い私は占いすらできない。
まともに当たったことがないのもあるけれど、それ以前に最悪を言い当てるものだから、占いは不向きだ。
千鶴「アキさんも、そう思いません!??」
楓「……………え、ごめん。聞いてなかった。
なにが………?」
興奮した様子の千鶴が、唐突に問いかけてきた。
山南さんの事とかで色々考え込んでしまったらしい、むくれた様子で私の腕に抱きつく千鶴は、あの子と重なりそうで……ほんの少しだけ顔をしかめてしまう。
千鶴「もー、ちゃんと聞いてくださいよぉ!アキさんだって、外に出たいですよね!?という話です!!」
………ああ、その話。
確かに、ここのとこずっと外出禁止、および軟禁状態だからストレスはものすっごく溜まる。
とは言えど、私自身はそれどころじゃないし、今は
『休みがほしい』
ただそれだけなので、のどかな時間を満喫できてわりと満足なのだが、彼女にとってはそうではないらしい。
楓「え、別に………休めればそれで。(あとは、巫女衣装と笛が手に入れば、本当に満足なんだけど)」
千鶴「なんでですか!?
だって、土方さんもいませんし、小姓の仕事もありませんし、絶好に機会じゃないですか!!」
楓「いや、だからさ………って。ちょっ、千鶴!??」
千鶴「それに、父様も心配です………」
楓「……………おーい、人の話を聞けー………」
自分の世界に入ってしまった彼女に、1つため息をつく。