第四章・忌まわしき血と力
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それからまた1週間後。
楓達が新選組に居住まってから早くも2週間が経とうとしていた。
千鶴は土方の小姓になったが、当の土方に特に何を頼まれたわけでもなく、ただ自室で大人しくしてろと言われていた。
軟禁状態だから仕方ないと言えばそれまでなのだが、父も探しに行けず不満を溜めていたようだ。
まあそれに比べ、楓の場合は久しぶりの稽古と試合で体力はおろか、若干の微熱も相まって再び療養生活へと戻された。
……………沖田辺りがやたらめったらに構いに来て、彼女にとって、まるで地獄のような療養期間だったわけだが。
兎にも角にも………楓は1週間弱、きちんと食べたことで、見違えるほどの肉付きの良い身体になったのだから、それは誰が見ても明らかだった。
楓「……………えーと、千鶴?」
朝。千鶴にサラシを巻いてもらってはいるんだけど、なんとなく………じゃなくてものすごく彼女の元気がない。
千鶴「アキさん……………どうして、1週間でこんなになるんですか?」
こ、こんなって………。
楓「いや、千代にも言われたんだけど、元より霊力ってのが強いらしくてね。
多分、しっかり食べたことで、元の体型に戻った、ってことじゃない?」
千鶴「……………元の、体型ですか……………」
楓「え、いや……あの。千鶴、いきなりどうした??」
千鶴は自分の胸を押さえて、うっすらと涙を浮かべながら、私の胸を見ていた。
千鶴「私……………アキさんと同じご飯を食べているのに……………」
まあ、確かに、自分の胸は他の人と比べると大きい方だけども。
楓「………はぁ………千鶴………。胸なんてね、邪魔なだけだからね?
稽古だってできないし、サラシだって苦しいし」
言っておくが、これは嘘なんかじゃない。
稽古の邪魔になるし、肩は凝るし、無理矢理圧迫しているサラシは苦痛なほどだった。
楓「……………千鶴、いいコト教えてあげる。胸が大きい人ってのは、それだけ脂肪があるってことなの」
千鶴「し、脂肪?」
「ま、要するに身体の脂ってトコね」というと「なるほど」と納得された。
楓「だから、千鶴みたいな胸の方が、1番健康的で可愛い要素なの」
千鶴「……………結局、それって貶 しているように聞こえますけど……………(泣」
楓「いいや。かなり褒めてる」
落ち込んでいる千鶴を慰めながら、気づかれない程度で小さくため息をついた。
楓(……………さすがに、あの2つを揃えたいよねー………)
そうは言っても、そろそろ無くした笛と巫衣装はどうしても手に入れたい。
犬神を体内に封じ込められる前までは、なんの変哲もない、ただの女子高生で神主みたいなことしかしてこなかった。
だからこそ、犬神を体内に封じ込められたときには気味が悪いほど、邪気みたいなものとかがうようよと漂っているのが見えるようになったから、祓っておきたかったんだけどね。
楓「(しょうがない、聞いてみるか)
千鶴、しょげてないで、早く朝餉 に行こ?」
千鶴「………はい」
落ち込んでいる千鶴を連れて、幹部達が集う大広間へと向かった。
なんか、幹部達の監視も含めて、最近から私達は大広間で食べるようになった。
沖田「えい」
楓「わっ………と、何すんの」
千鶴と共に大広間へと向かっていると、沖田さんが私に乗り掛かってきた。
沖田「おはよう、千鶴ちゃん、楓ちゃん」
楓「無視かよ」
千鶴「お………おはようございます、沖田さん」
千鶴はまだ警戒しているのか、怯えているのか、沖田に小さく返すと、彼はにっこりと不適に笑って、彼女を見ていた。
一方で、楓は後ろから抱き締めてくる沖田に軽く睨みながら愚痴をこぼす。
沖田「それにしても、楓ちゃん。約1週間で随分とふくよかになったね」
「抱き心地、抜群」と耳元でそう言いながら、更に体重を乗せてくる。
楓「太ってないし、元の体型に戻っただけだから。てか、重い」
「離して」と言いながら、彼の腕を引きはがそうとしていると「やっぱり、沖田さんもそう思いますか」と千鶴が言う。
千鶴「私も頑張ろうっ」
楓「……………何でそうなるの、ちょっと……………」
何か間違っているのだが、目の前でやる気になっている彼女に、何も言えなかった。
楓達が新選組に居住まってから早くも2週間が経とうとしていた。
千鶴は土方の小姓になったが、当の土方に特に何を頼まれたわけでもなく、ただ自室で大人しくしてろと言われていた。
軟禁状態だから仕方ないと言えばそれまでなのだが、父も探しに行けず不満を溜めていたようだ。
まあそれに比べ、楓の場合は久しぶりの稽古と試合で体力はおろか、若干の微熱も相まって再び療養生活へと戻された。
……………沖田辺りがやたらめったらに構いに来て、彼女にとって、まるで地獄のような療養期間だったわけだが。
兎にも角にも………楓は1週間弱、きちんと食べたことで、見違えるほどの肉付きの良い身体になったのだから、それは誰が見ても明らかだった。
楓「……………えーと、千鶴?」
朝。千鶴にサラシを巻いてもらってはいるんだけど、なんとなく………じゃなくてものすごく彼女の元気がない。
千鶴「アキさん……………どうして、1週間でこんなになるんですか?」
こ、こんなって………。
楓「いや、千代にも言われたんだけど、元より霊力ってのが強いらしくてね。
多分、しっかり食べたことで、元の体型に戻った、ってことじゃない?」
千鶴「……………元の、体型ですか……………」
楓「え、いや……あの。千鶴、いきなりどうした??」
千鶴は自分の胸を押さえて、うっすらと涙を浮かべながら、私の胸を見ていた。
千鶴「私……………アキさんと同じご飯を食べているのに……………」
まあ、確かに、自分の胸は他の人と比べると大きい方だけども。
楓「………はぁ………千鶴………。胸なんてね、邪魔なだけだからね?
稽古だってできないし、サラシだって苦しいし」
言っておくが、これは嘘なんかじゃない。
稽古の邪魔になるし、肩は凝るし、無理矢理圧迫しているサラシは苦痛なほどだった。
楓「……………千鶴、いいコト教えてあげる。胸が大きい人ってのは、それだけ脂肪があるってことなの」
千鶴「し、脂肪?」
「ま、要するに身体の脂ってトコね」というと「なるほど」と納得された。
楓「だから、千鶴みたいな胸の方が、1番健康的で可愛い要素なの」
千鶴「……………結局、それって
楓「いいや。かなり褒めてる」
落ち込んでいる千鶴を慰めながら、気づかれない程度で小さくため息をついた。
楓(……………さすがに、あの2つを揃えたいよねー………)
そうは言っても、そろそろ無くした笛と巫衣装はどうしても手に入れたい。
犬神を体内に封じ込められる前までは、なんの変哲もない、ただの女子高生で神主みたいなことしかしてこなかった。
だからこそ、犬神を体内に封じ込められたときには気味が悪いほど、邪気みたいなものとかがうようよと漂っているのが見えるようになったから、祓っておきたかったんだけどね。
楓「(しょうがない、聞いてみるか)
千鶴、しょげてないで、早く
千鶴「………はい」
落ち込んでいる千鶴を連れて、幹部達が集う大広間へと向かった。
なんか、幹部達の監視も含めて、最近から私達は大広間で食べるようになった。
沖田「えい」
楓「わっ………と、何すんの」
千鶴と共に大広間へと向かっていると、沖田さんが私に乗り掛かってきた。
沖田「おはよう、千鶴ちゃん、楓ちゃん」
楓「無視かよ」
千鶴「お………おはようございます、沖田さん」
千鶴はまだ警戒しているのか、怯えているのか、沖田に小さく返すと、彼はにっこりと不適に笑って、彼女を見ていた。
一方で、楓は後ろから抱き締めてくる沖田に軽く睨みながら愚痴をこぼす。
沖田「それにしても、楓ちゃん。約1週間で随分とふくよかになったね」
「抱き心地、抜群」と耳元でそう言いながら、更に体重を乗せてくる。
楓「太ってないし、元の体型に戻っただけだから。てか、重い」
「離して」と言いながら、彼の腕を引きはがそうとしていると「やっぱり、沖田さんもそう思いますか」と千鶴が言う。
千鶴「私も頑張ろうっ」
楓「……………何でそうなるの、ちょっと……………」
何か間違っているのだが、目の前でやる気になっている彼女に、何も言えなかった。