第参章・時を渡る者
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全員「・・・・・・ッッ!!」
・・・・・・なんなのこの子。楓ちゃんの時と違って、ものすごい殺気なんだけど。
僕と同じ事を思っていたのか、皆……金縛りにでも遭ったかのように、その場に動かなくなった。
僕にしては、どうってことない悪寒だったんだけど。
沖田(まさか、こんな子供相手に、一瞬でも怖じ気づくとはね・・・・・・)
誰もが押し黙る中、楓ちゃんは抱きついた彼女を力ずくで引き剥がし、彼女に負けず劣らず低く睨み返す。
楓「……………なに、それ。聞いてないんだけど。
お前ら、ほんとに、いい加減にしろよ………ッ!」
千代「なんで?楓は私達の家族も同然。こんな奴らと一緒に居ないで、私と凪と一緒に居れば楽しいはずだら。だから」
楓「誰が、家族だって………?誰が楽しいって?」
凪「ッ!千代様────」
一体何が起きたのか、一瞬分からなかった。
楓「虫酸が走る」
楓ちゃんが手を振り上げたのと同時にあの凪くんが駆け出した。そこまではいい。
彼は体の半分を楓ちゃんに抉られるように引っ掛かれた。
血飛沫 が彼女の顔に飛び散る。
目を瞑っていた千代ちゃんは、それを見たとたん青ざめたまま立ち尽くしていた。
それほどまでに楓ちゃんから感じる尋常じゃないくらいの殺気に、僕達は驚いていた。それはあの子も同じだったようで、彼の名前を小さく呼びながら凍り付いていた。
千代「……ぇ………な、ぎ……?凪、凪ッ………!!いやぁあッ!!」
楓「家族などと言う柵 は当に棄 てた。
そもそもお前らのせいで、俺は今まで以上の化け物になったんだぞ?
………お前らが人の話を聞かないで、俺の中に化け物を封じるからだ。」
わかってんだろ。と泣き続ける彼女の耳に小さく囁き、水筒のようなものを投げつける。
びくりと肩を震わす彼女をクスクスと嘲笑う楓ちゃん。
楓「それに、里から出ていけと言ったのはお前達んとこの鬼灯だぞ?
あいつが許可を出したんだ、お前らがどうこう言う筋合いはない」
千代「そ、んな………。鬼灯、様が………」
凪「……ッ………まっ…たく、あの……方は………」
スッと彼女が離れれば、息も絶え絶えの凪くんが声を振り絞る。それにすぐ反応した千代ちゃんに千鶴ちゃんも駆けつけて手当てを施していく。
ただひたすらその様子を見ていた彼女に、やりすぎです。と小さく………それでも強く、背中を向けたまま言葉を漏らす。
千鶴「一族に恨みがあったからって、ここまでしなくても…………!」
楓「……………。急所は外したし、それくらいで死にはしない。貴方と違って、私もこいつらも忍耐強いのよ。
むしろ、そこまでで済んでいるんだ、感謝してほしいものだけど?」
千鶴「アキさん……ッ」
腕を組ながら、冷ややかに千鶴ちゃんを睨む。怯んでいるのは見ていてバレバレなのだが、それでも尚、彼女を睨み付ける千鶴ちゃんに山崎くんが手を貸している。
それを見届けてから踵を返した彼女は、誰にも目を合わせずに深々と頭を下げた。
楓「……………近藤さん、土方さん。聞きたいことは山々なんでしょうけど、すみません。今は休ませてください」
近藤「………し、しかしだな………。」
土方「……………」
楓「お願いです。今だけは、一人にさせてください。
なんなら、牢屋に篭らせてください。」
彼女の発言に誰もが耳を疑った。
人目につかないようにするのなら、確かに牢屋の方がいいだろうけど、本人がそれを望むとは思わなかった。
土方「…………。いいだろう、人を殺しかけた んだ、大人しくお縄につけ」
楓「御意に」
近藤さんにも許可を取り、楓ちゃんは平助に連れていかれる、という時、「………なん、で………?」とかすれた声で彼女が問いかける。
その言葉に、楓ちゃんが足を止める。
千代「なんで、楓は………裏切られた人間の元に行くの?」
楓「……………別に。化け物の俺を、いつか殺してくれる人達だから。
お前らのように、俺を道具にしか見えねぇバカどもよりは、マシだと思っただけだ」
千代「ッ、ちが…っ!!」
千代ちゃんに問われた楓ちゃんは、それ以上何も言わず、平助の後を追っていく。
沖田(裏切られた ・・・・・・?それって一体どういう事なんだろ。)
僕はその言葉に疑問を持ってたけど、あえて聞いてない振りをしていた。
千代「楓…ッ、待って…ッ」
悲しそうに、楓ちゃんを見ていた千代ちゃんは「私達は、待ってるからっ!!」と楓ちゃんの背に向かって叫び出す。
・・・・・・なんなのこの子。楓ちゃんの時と違って、ものすごい殺気なんだけど。
僕と同じ事を思っていたのか、皆……金縛りにでも遭ったかのように、その場に動かなくなった。
僕にしては、どうってことない悪寒だったんだけど。
沖田(まさか、こんな子供相手に、一瞬でも怖じ気づくとはね・・・・・・)
誰もが押し黙る中、楓ちゃんは抱きついた彼女を力ずくで引き剥がし、彼女に負けず劣らず低く睨み返す。
楓「……………なに、それ。聞いてないんだけど。
お前ら、ほんとに、いい加減にしろよ………ッ!」
千代「なんで?楓は私達の家族も同然。こんな奴らと一緒に居ないで、私と凪と一緒に居れば楽しいはずだら。だから」
楓「誰が、家族だって………?誰が楽しいって?」
凪「ッ!千代様────」
一体何が起きたのか、一瞬分からなかった。
楓「虫酸が走る」
楓ちゃんが手を振り上げたのと同時にあの凪くんが駆け出した。そこまではいい。
彼は体の半分を楓ちゃんに抉られるように引っ掛かれた。
目を瞑っていた千代ちゃんは、それを見たとたん青ざめたまま立ち尽くしていた。
それほどまでに楓ちゃんから感じる尋常じゃないくらいの殺気に、僕達は驚いていた。それはあの子も同じだったようで、彼の名前を小さく呼びながら凍り付いていた。
千代「……ぇ………な、ぎ……?凪、凪ッ………!!いやぁあッ!!」
楓「家族などと言う
そもそもお前らのせいで、俺は今まで以上の化け物になったんだぞ?
………お前らが人の話を聞かないで、俺の中に化け物を封じるからだ。」
わかってんだろ。と泣き続ける彼女の耳に小さく囁き、水筒のようなものを投げつける。
びくりと肩を震わす彼女をクスクスと嘲笑う楓ちゃん。
楓「それに、里から出ていけと言ったのはお前達んとこの鬼灯だぞ?
あいつが許可を出したんだ、お前らがどうこう言う筋合いはない」
千代「そ、んな………。鬼灯、様が………」
凪「……ッ………まっ…たく、あの……方は………」
スッと彼女が離れれば、息も絶え絶えの凪くんが声を振り絞る。それにすぐ反応した千代ちゃんに千鶴ちゃんも駆けつけて手当てを施していく。
ただひたすらその様子を見ていた彼女に、やりすぎです。と小さく………それでも強く、背中を向けたまま言葉を漏らす。
千鶴「一族に恨みがあったからって、ここまでしなくても…………!」
楓「……………。急所は外したし、それくらいで死にはしない。貴方と違って、私もこいつらも忍耐強いのよ。
むしろ、そこまでで済んでいるんだ、感謝してほしいものだけど?」
千鶴「アキさん……ッ」
腕を組ながら、冷ややかに千鶴ちゃんを睨む。怯んでいるのは見ていてバレバレなのだが、それでも尚、彼女を睨み付ける千鶴ちゃんに山崎くんが手を貸している。
それを見届けてから踵を返した彼女は、誰にも目を合わせずに深々と頭を下げた。
楓「……………近藤さん、土方さん。聞きたいことは山々なんでしょうけど、すみません。今は休ませてください」
近藤「………し、しかしだな………。」
土方「……………」
楓「お願いです。今だけは、一人にさせてください。
なんなら、牢屋に篭らせてください。」
彼女の発言に誰もが耳を疑った。
人目につかないようにするのなら、確かに牢屋の方がいいだろうけど、本人がそれを望むとは思わなかった。
土方「…………。いいだろう、人を
楓「御意に」
近藤さんにも許可を取り、楓ちゃんは平助に連れていかれる、という時、「………なん、で………?」とかすれた声で彼女が問いかける。
その言葉に、楓ちゃんが足を止める。
千代「なんで、楓は………裏切られた人間の元に行くの?」
楓「……………別に。化け物の俺を、いつか殺してくれる人達だから。
お前らのように、俺を道具にしか見えねぇバカどもよりは、マシだと思っただけだ」
千代「ッ、ちが…っ!!」
千代ちゃんに問われた楓ちゃんは、それ以上何も言わず、平助の後を追っていく。
沖田(
僕はその言葉に疑問を持ってたけど、あえて聞いてない振りをしていた。
千代「楓…ッ、待って…ッ」
悲しそうに、楓ちゃんを見ていた千代ちゃんは「私達は、待ってるからっ!!」と楓ちゃんの背に向かって叫び出す。