第参章・時を渡る者
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─────時は遡り、京・新選組屯所。
楓が屯所から忽然と消え、故郷である信濃で本当の一族の姿を目の当たりにしてから3日後。
丁度、こちらでは少しばかり張り詰めた雰囲気の中、朝餉の時間に皆が集まっていた。
沖田「ちょっと、楓ちゃん。遅くないですか?土方さん」
土方「俺に言うんじゃねぇよ!文句ならあいつに言いやがれ!!」
楓ちゃんから送られてきた手紙を見てから丸3日ぐらいは経ってるのに、なかなか帰って来ない彼女への不満を土方さんに八つ当たりする。
てゆーか、何で京の屯所にいたはずなのに、いつの間にか信濃の(しかも、故郷だよ?)暁犬家って言う屋敷にいるわけ?ますます意味が分からないんですけど。
ものすごく不機嫌な顔をしているのか、左之さんが僕に「落ち着け、総司」って言ってきた。
沖田「左之さん、これでも僕は落ち着いてますけど?」
左之「いや、そう見えねぇからな。・・・とにかく、あいつの手紙にはそろそろ着くってあっただろ?」
平助「でもさぁ、左之さん。俺まだ信じられねぇよ・・・・・・楓が故郷でもある信濃にいるなんて」
平助の言う通りなんだよね。
だってあの子。僕達がいる目の前で倒れ込んだと思ったら、いつの間にか消えちゃっているんだから。
それを土方さんと近藤さんに聞かれ、幹部総出で捜したってのに見つからないし。
すると暫くして、本人からの文が来た。文は千鶴ちゃんが受け取ったらしく、それを土方さんが読んでみたらなんのって。
『私もかなりビックリしてますが、何故か信濃の暁犬家の屋敷にいるみたいです。
多分、私が消えたことでお騒がせしているだろうと思うので手紙を書いて貰うことにしました。
・・・・・・多分、帰ったら切腹します』
とか何とか書いてあって、ものすごく呆れるほど、ビックリしたよ。あり得ないことばかりで頭が痛くなってきた・・・・・・。
沖田(いきなり消えたんだから、楓ちゃんにはお仕置きだね・・・・・・)
広間で楓ちゃんの帰りを待っていると、スッと障子が開いて千鶴ちゃんが慌てて入ってきた。
千鶴「アキさんが帰ってきました!!」
皆「本当か!?」
沖田「・・・・・・ッッ!!」
咄嗟に駆け出した僕に続いて、みんなも広間から出て門へ向かった。
* * * * * *
沖田「・・・・・・何、これ?」
楓「それはこっちのセリフなんですけど。つーか、おい千代。いつまでくっついていやがる」
千代「いいじゃない、ねぇ凪」
僕の見間違いじゃなければ、楓ちゃんなんだろうけど。何故か見知らぬ子供まで連れて帰ってきた。
ぎゅうっと彼女の腕に抱きつきながら従者であろう青年に同意を求めている女の子に、楓ちゃんが「いい加減しやがれよ、お前ら・・・」と眉をひくつかせているのが、案外面白かった。
土方「・・・・・・おい、暁犬。何してやがる」
楓「あー…もー…、クソめんどくせえなぁ……!」
そんな騒ぎを聞きつけたのか、土方さんが鬼の形相で楓ちゃんを睨み付けていた。
それに対抗する楓ちゃんは「どうもこうもないっての・・・・・・」と睨み返す。
楓「見りゃわかるでしょ。こいつが、この世界の暁犬家の次期当主のお姫様で、俺のご先祖様っスよ」
千代「……もう、そんなに嫌がらなくたっていいのに」
楓「どうでもいいから、さっさと挨拶しろ。バカ姫」
嫌々に振りほどく楓ちゃんに苦笑しながらも、彼女から離れ、僕らの前に歩み寄ってきた。
見た感じ、楓ちゃんに瓜二つだったけれど、人ではない何かを纏った赤い髪の少女だった。
千代「新選組の皆さん、お初にお目にかかります。
信濃氏暁犬一族が当主の娘、千代と申します。こちらは私の従者の凪です。」
凪「…………」
礼儀正しい………なんというか、お姫様らしい仕草を僕らにする千代という少女と従者の彼から、ただ者ではないそんな気配が感じ取れた。
楓「……………」
千代「我が一族の子がお世話になっていたそうで、是非ともお礼とお願いをしに参りました。」
深々と頭を下げる彼女に、近藤さんはとんでもないと首を振り、土方さんはただひたすらに顔をしかめている。
にっこりと笑いながら楓ちゃんの腰に抱きつく少女は不気味な笑みを浮かべ、僕らに向かってこう言った。
土方「………それで、お願いってのはなんだ」
千代「彼女を貴方達のもとへ帰しても、貴方達では手におえないので、この子は我が一族が引き取ります」
楓「なっ!?」
突然のことに、その場にいた誰もが目を見開き、動揺を隠しきれずにいた。
それは楓ちゃんも同じだったようで、抱きついたままの彼女に目を向ける。
沖田(……………は?)
平助「なぁ、お前………楓を返さないってどういうことだよ!?」
千鶴「そうですっ、アキさんを返してください!!」
千鶴ちゃんや平助が彼女にそう言うと、楓ちゃんにへばりついている彼女の雰囲気が一瞬変わった。
千代「・・・気軽に話しかけないでよ、人間風情が」
楓が屯所から忽然と消え、故郷である信濃で本当の一族の姿を目の当たりにしてから3日後。
丁度、こちらでは少しばかり張り詰めた雰囲気の中、朝餉の時間に皆が集まっていた。
沖田「ちょっと、楓ちゃん。遅くないですか?土方さん」
土方「俺に言うんじゃねぇよ!文句ならあいつに言いやがれ!!」
楓ちゃんから送られてきた手紙を見てから丸3日ぐらいは経ってるのに、なかなか帰って来ない彼女への不満を土方さんに八つ当たりする。
てゆーか、何で京の屯所にいたはずなのに、いつの間にか信濃の(しかも、故郷だよ?)暁犬家って言う屋敷にいるわけ?ますます意味が分からないんですけど。
ものすごく不機嫌な顔をしているのか、左之さんが僕に「落ち着け、総司」って言ってきた。
沖田「左之さん、これでも僕は落ち着いてますけど?」
左之「いや、そう見えねぇからな。・・・とにかく、あいつの手紙にはそろそろ着くってあっただろ?」
平助「でもさぁ、左之さん。俺まだ信じられねぇよ・・・・・・楓が故郷でもある信濃にいるなんて」
平助の言う通りなんだよね。
だってあの子。僕達がいる目の前で倒れ込んだと思ったら、いつの間にか消えちゃっているんだから。
それを土方さんと近藤さんに聞かれ、幹部総出で捜したってのに見つからないし。
すると暫くして、本人からの文が来た。文は千鶴ちゃんが受け取ったらしく、それを土方さんが読んでみたらなんのって。
『私もかなりビックリしてますが、何故か信濃の暁犬家の屋敷にいるみたいです。
多分、私が消えたことでお騒がせしているだろうと思うので手紙を書いて貰うことにしました。
・・・・・・多分、帰ったら切腹します』
とか何とか書いてあって、ものすごく呆れるほど、ビックリしたよ。あり得ないことばかりで頭が痛くなってきた・・・・・・。
沖田(いきなり消えたんだから、楓ちゃんにはお仕置きだね・・・・・・)
広間で楓ちゃんの帰りを待っていると、スッと障子が開いて千鶴ちゃんが慌てて入ってきた。
千鶴「アキさんが帰ってきました!!」
皆「本当か!?」
沖田「・・・・・・ッッ!!」
咄嗟に駆け出した僕に続いて、みんなも広間から出て門へ向かった。
* * * * * *
沖田「・・・・・・何、これ?」
楓「それはこっちのセリフなんですけど。つーか、おい千代。いつまでくっついていやがる」
千代「いいじゃない、ねぇ凪」
僕の見間違いじゃなければ、楓ちゃんなんだろうけど。何故か見知らぬ子供まで連れて帰ってきた。
ぎゅうっと彼女の腕に抱きつきながら従者であろう青年に同意を求めている女の子に、楓ちゃんが「いい加減しやがれよ、お前ら・・・」と眉をひくつかせているのが、案外面白かった。
土方「・・・・・・おい、暁犬。何してやがる」
楓「あー…もー…、クソめんどくせえなぁ……!」
そんな騒ぎを聞きつけたのか、土方さんが鬼の形相で楓ちゃんを睨み付けていた。
それに対抗する楓ちゃんは「どうもこうもないっての・・・・・・」と睨み返す。
楓「見りゃわかるでしょ。こいつが、この世界の暁犬家の次期当主のお姫様で、俺のご先祖様っスよ」
千代「……もう、そんなに嫌がらなくたっていいのに」
楓「どうでもいいから、さっさと挨拶しろ。バカ姫」
嫌々に振りほどく楓ちゃんに苦笑しながらも、彼女から離れ、僕らの前に歩み寄ってきた。
見た感じ、楓ちゃんに瓜二つだったけれど、人ではない何かを纏った赤い髪の少女だった。
千代「新選組の皆さん、お初にお目にかかります。
信濃氏暁犬一族が当主の娘、千代と申します。こちらは私の従者の凪です。」
凪「…………」
礼儀正しい………なんというか、お姫様らしい仕草を僕らにする千代という少女と従者の彼から、ただ者ではないそんな気配が感じ取れた。
楓「……………」
千代「我が一族の子がお世話になっていたそうで、是非ともお礼とお願いをしに参りました。」
深々と頭を下げる彼女に、近藤さんはとんでもないと首を振り、土方さんはただひたすらに顔をしかめている。
にっこりと笑いながら楓ちゃんの腰に抱きつく少女は不気味な笑みを浮かべ、僕らに向かってこう言った。
土方「………それで、お願いってのはなんだ」
千代「彼女を貴方達のもとへ帰しても、貴方達では手におえないので、この子は我が一族が引き取ります」
楓「なっ!?」
突然のことに、その場にいた誰もが目を見開き、動揺を隠しきれずにいた。
それは楓ちゃんも同じだったようで、抱きついたままの彼女に目を向ける。
沖田(……………は?)
平助「なぁ、お前………楓を返さないってどういうことだよ!?」
千鶴「そうですっ、アキさんを返してください!!」
千鶴ちゃんや平助が彼女にそう言うと、楓ちゃんにへばりついている彼女の雰囲気が一瞬変わった。
千代「・・・気軽に話しかけないでよ、人間風情が」