第四章・忌まわしき血と力
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千鶴「アキさん、お疲れ様です」
楓「あ、ありがと、千鶴。
……………それじゃ、俺の処遇等々が決まったら、連絡お願いします」
そう言って千鶴と共に部屋に戻ろうと踵を返しかけた時、パシッと腕を掴まれた。
沖田「……………待ちなよ、銀くん」
楓「………なんスか、沖田さん」
沖田「僕と、打ち合おうっか」
楓「絶対、嫌です」
目が笑っていない状態で、ニコニコと笑っている彼から逃れるべく、即答しながら腕を引き抜こうとしていた。
いや、呼び止められても無理。絶対に嫌だし。
疲れたし……あれだけ打ち合っていたけど、一応、病人だからね!?
分かってて言ってるでしょ!?やめてほんとに!!
楓「打ち合うって言われても、今やりましたよね?つかなんでそんなに強く掴んでるんですか、ものすっごく痛いんスッけど!?」
必死になって引き抜こうとすると「キミが逃げようとするからだよ」と低い声で笑われた。
え、ちょ、マジで怖いって。
沖田「それにキミ、手加減したでしょ。左之さんの胸辺りを突いた時に」
「近藤さんは、手加減なしって言ったのに」と肩をすくめた彼はにっこにっこの笑顔を見せている。
楓「いや………左之さん同様、早く終わらせようと……………」
沖田「それじゃ駄目だよ。判断の基準にならない。僕相手なら、手加減しなくてすむよ?」
楓「だから嫌ですってば!!」
沖田さんから来る論破に、くじけそうになるものの、沖田さんの実力は知っているのだ。
彼は組で一番各々自意識が強い隊士達を束ねる組長でありながら、新選組唯一の天才剣豪で、前にも言ったように天然理心流の師範。
確かに左之さんよりは張り合いがあるってもんだけど、久しぶりにやったから俺、疲れてんスッけど。
楓「…………………結局、こうなるんかよ」
あれから有無を言わせないように、沖田さんが土方さんに正論を言い始め、今私は真剣で彼とやり合おうとしている。
沖田「いいじゃない。本気できなよ、銀くん」
楓「……………俺、すっごく嫌だったんだけど」
にっこりと笑った沖田さんを睨む。
私は彼と対峙してから、返してもらった刀を抜いた。
近藤「………では、始めッ!!」
近藤さんの声に、走り込んだのはほぼ同時だった。
楓「………っ」
沖田「どうしたの、本気でって言ったよね?」
楓「………ッ。んなこたぁ、分かってるよ」
沖田さんのような的確に打ってくる相手(隙もないような相手)に、遅れをとれば、こっちが不利。
楓(逆に、長期戦になればなるほど、相手が不利になり、こっちが有利)
キィン、キィン、と激しくなる金属音。
長期戦になれば、沖田さんの体力は消耗される。その隙を狙えば、後はこっちのもの。
楓「(けど、そんな素振り無いんだよね。ややこしいったらありゃしない)
………どう、したんスか、沖田さん。疲れて………きてないっスか?」
沖田「……………く………ッ!!キミもねッ!!」
最初に攻めてきていたはずの彼が、段々必死になって私の剣を受け止めている。
(と言っても私もだんだん疲れてきたかな)と思いきや、左之さんの時と同じ感覚が舞い戻ってきた。
楓(─────ッ)
鎖骨の中心辺りにもわっと熱が上がってきたような熱さに堪えつつ、彼に打ち込んでいく。
やがて、沖田さんの刀から力が抜け始めた。
楓「(───ッ今……)………はああっ!!」
沖田「…………っつ!?」
かけ声と共に彼に向かって、思いっきり踏み込んでっから、素早い突きを放つ。
それは、彼の剣を見てきたものにとって、私が放った剣の型が重なって見えたことだっただろう。
──────沖田総司の十八番・三段突き、と。
近藤「────そこまでッ!!」
近藤さんの叫びに、ピタリと刀を止める。後もう少しで判断が遅れてたら、沖田さんを斬っていたかもしれない。
近藤「……………勝者、暁犬銀ッ」
沖田「…………………」
楓「…………ッ、はぁ……ッは……ッあり、がとう……ございました……………」
刀を鞘に収め、沖田さんに向かって一礼をする。
驚きすぎて、声が出なかったのか、呆然としてたっている彼に「俺の勝ちっスね」と苦笑する。
………………けど。
楓「………う、ぁ……………」
沖田「!、銀くん!?」
千鶴「っ、アキさん!!」
また気を失って、倒れ込んでしまったのは、言うまでもなかった。
楓「あ、ありがと、千鶴。
……………それじゃ、俺の処遇等々が決まったら、連絡お願いします」
そう言って千鶴と共に部屋に戻ろうと踵を返しかけた時、パシッと腕を掴まれた。
沖田「……………待ちなよ、銀くん」
楓「………なんスか、沖田さん」
沖田「僕と、打ち合おうっか」
楓「絶対、嫌です」
目が笑っていない状態で、ニコニコと笑っている彼から逃れるべく、即答しながら腕を引き抜こうとしていた。
いや、呼び止められても無理。絶対に嫌だし。
疲れたし……あれだけ打ち合っていたけど、一応、病人だからね!?
分かってて言ってるでしょ!?やめてほんとに!!
楓「打ち合うって言われても、今やりましたよね?つかなんでそんなに強く掴んでるんですか、ものすっごく痛いんスッけど!?」
必死になって引き抜こうとすると「キミが逃げようとするからだよ」と低い声で笑われた。
え、ちょ、マジで怖いって。
沖田「それにキミ、手加減したでしょ。左之さんの胸辺りを突いた時に」
「近藤さんは、手加減なしって言ったのに」と肩をすくめた彼はにっこにっこの笑顔を見せている。
楓「いや………左之さん同様、早く終わらせようと……………」
沖田「それじゃ駄目だよ。判断の基準にならない。僕相手なら、手加減しなくてすむよ?」
楓「だから嫌ですってば!!」
沖田さんから来る論破に、くじけそうになるものの、沖田さんの実力は知っているのだ。
彼は組で一番各々自意識が強い隊士達を束ねる組長でありながら、新選組唯一の天才剣豪で、前にも言ったように天然理心流の師範。
確かに左之さんよりは張り合いがあるってもんだけど、久しぶりにやったから俺、疲れてんスッけど。
楓「…………………結局、こうなるんかよ」
あれから有無を言わせないように、沖田さんが土方さんに正論を言い始め、今私は真剣で彼とやり合おうとしている。
沖田「いいじゃない。本気できなよ、銀くん」
楓「……………俺、すっごく嫌だったんだけど」
にっこりと笑った沖田さんを睨む。
私は彼と対峙してから、返してもらった刀を抜いた。
近藤「………では、始めッ!!」
近藤さんの声に、走り込んだのはほぼ同時だった。
楓「………っ」
沖田「どうしたの、本気でって言ったよね?」
楓「………ッ。んなこたぁ、分かってるよ」
沖田さんのような的確に打ってくる相手(隙もないような相手)に、遅れをとれば、こっちが不利。
楓(逆に、長期戦になればなるほど、相手が不利になり、こっちが有利)
キィン、キィン、と激しくなる金属音。
長期戦になれば、沖田さんの体力は消耗される。その隙を狙えば、後はこっちのもの。
楓「(けど、そんな素振り無いんだよね。ややこしいったらありゃしない)
………どう、したんスか、沖田さん。疲れて………きてないっスか?」
沖田「……………く………ッ!!キミもねッ!!」
最初に攻めてきていたはずの彼が、段々必死になって私の剣を受け止めている。
(と言っても私もだんだん疲れてきたかな)と思いきや、左之さんの時と同じ感覚が舞い戻ってきた。
楓(─────ッ)
鎖骨の中心辺りにもわっと熱が上がってきたような熱さに堪えつつ、彼に打ち込んでいく。
やがて、沖田さんの刀から力が抜け始めた。
楓「(───ッ今……)………はああっ!!」
沖田「…………っつ!?」
かけ声と共に彼に向かって、思いっきり踏み込んでっから、素早い突きを放つ。
それは、彼の剣を見てきたものにとって、私が放った剣の型が重なって見えたことだっただろう。
──────沖田総司の十八番・三段突き、と。
近藤「────そこまでッ!!」
近藤さんの叫びに、ピタリと刀を止める。後もう少しで判断が遅れてたら、沖田さんを斬っていたかもしれない。
近藤「……………勝者、暁犬銀ッ」
沖田「…………………」
楓「…………ッ、はぁ……ッは……ッあり、がとう……ございました……………」
刀を鞘に収め、沖田さんに向かって一礼をする。
驚きすぎて、声が出なかったのか、呆然としてたっている彼に「俺の勝ちっスね」と苦笑する。
………………けど。
楓「………う、ぁ……………」
沖田「!、銀くん!?」
千鶴「っ、アキさん!!」
また気を失って、倒れ込んでしまったのは、言うまでもなかった。