第四章・忌まわしき血と力
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ってなわけで。
左之さんが繰り出してきた剣を、ふっと身を屈めて避ける。
全員・左之「「────なっ………!?」」
打ち合うことを予想していた左之さん含め、周りの彼らは、私がした行動に驚いて息を呑む。
といっても、やっぱさすがだよ、左之さん。
運動神経で素早く空振りした木刀を構え直そうとした彼よりも、速く、木刀を放つ。
楓(……………あれ、軽……………?)
自分の身体が、羽がついて軽くなったかのような感覚になりながらも低い体勢のまま、左之さんの木刀に打ち込んだ。
バキィッ!!!
……………ついでに、嫌な音も響かせて。
左之「ぐ………っ!!」
楓「ぁ………(やべ………っ)」
木刀ごと、左之さんの胸辺りに突きを入れた。
だが、胸の前で構えてかけていた左之さんの木刀は案の定真っ二つに折れ、先端部分がはじけ飛んだ。
そこまではよかった……………。
左之さんの身体が、胸を突かれたその勢いのまま吹き飛ばされ、道場の床にたたきつけられたのだ。
─────シン………
流れるような、そんな一瞬の出来事に、静まりかえる道場。
それを見ていた群衆の誰もが、顔を青くしてこの光景を見ていた。モチのロン、私もだけど。
楓「…………………ぁ。えと、お疲れっス………?」
唖然として立っていた私は、床に倒れた左之に礼をする。
けれど、全然状況が追い付いてこない。一体何があったのかもさっぱりでひどく困惑していた。
近藤「………しょ、勝者。
………暁犬銀!!」
楓「……………って、左之さん!!大丈夫か!?」
恐ろしいほど静まりかえっていた道場が、空前と沸き立った中、楓は左之の元へと駆け寄る。
平助「う、うそだろ………左之が、」
新八「……………ああ。療養してたから一度も稽古してねえってのに………やべーな」
沖田「……………へぇ。やっぱり面白い子だ、銀くんって」
平助もぱっつあんも、みんながみんな、顔に複雑な表情を浮かべていた。
楓「おい大丈夫か!?流石に死んでねぇと思うけどもッ」
左之「ああ……………生きてるよ」
平助「左之、大丈夫か!?」
私と同じ様に駆け寄ってくる平助を、倒れた状態で苦笑いする左之は「お前らは心配性だな………」と言っていた。
左之「俺の身体を舐めんなよ。大丈夫だ、しばらくは動けねぇが……………」
打ち付けられた衝撃で生じた痛みが退くまでは動けないのだろう。苦々しい表情で呻いていた左之さんに、私は「悪ぃ………」と謝る。
楓「本当はこうじゃなかったんだけど……………」
左之「気にすんなって。近藤さんも言ってただろ?」
楓「いやそうなんだけどよ。………何かいつもと違ったような気がすんだよな」
平助「おいおい。いつもと違うって、今のじゃなかったってことかよ!?」
うーん、と唸るように考え込む私に、仰天した平助がそう言ってきた。
楓「………考えても訳分かんねーけど、多分。………骨には異常ないと思うし、念のために冷やしとけよ、左之さん」
左之「ああ、ありがとよ、銀」
そう言ってくる左之にニカッと笑ってから「今度また手合わせ願うぜ!!」というと「………それはちょっと勘弁な」と苦笑気味に言われてしまった。
近藤「お疲れ様、暁犬くん。原田くんもご苦労だった」
楓「………あっ、近藤さん……………じゃなかった、近藤局長」
「ご拝見、ありがとうございました」と深々と頭を下げると「頭を上げなさい」と笑いながら言われ、彼の目を見る。
近藤「原田くんは、大丈夫か?」
楓「恐らくは大丈夫だと思いますけど、俺は医療の心得なんて無いので、念のため医者に診てもらった方が良いかと」
顔をしかめながらそう言うと「そうか」とちょっぴり心配そうな表情になった近藤さんは「キミが気にする事ではないよ」と頭を撫でてくれた。
楓(うわぁ、近藤さんに撫でられてるっ!!)
おかげで、心ン中でものすっごく躍りまくっているのだが。
楓「……………あっ、そうだ。木刀、すみません」
撫でられて気分を良くさせられた私は、ハッと我に返るように、そう叫ぶ。
それに近藤さんは苦笑いをしていたところに、千鶴がパタパタと駆け寄ってきた。
……………なんだろう、めちゃくちゃ可愛くて心が和みかけるんだけど。
楓(………これでも一応、女なんだけど、めっちゃ可愛い。小動物みたい)
そんな事を思っているとは知らない千鶴が、私に手拭いを手渡してきた。
左之さんが繰り出してきた剣を、ふっと身を屈めて避ける。
全員・左之「「────なっ………!?」」
打ち合うことを予想していた左之さん含め、周りの彼らは、私がした行動に驚いて息を呑む。
といっても、やっぱさすがだよ、左之さん。
運動神経で素早く空振りした木刀を構え直そうとした彼よりも、速く、木刀を放つ。
楓(……………あれ、軽……………?)
自分の身体が、羽がついて軽くなったかのような感覚になりながらも低い体勢のまま、左之さんの木刀に打ち込んだ。
バキィッ!!!
……………ついでに、嫌な音も響かせて。
左之「ぐ………っ!!」
楓「ぁ………(やべ………っ)」
木刀ごと、左之さんの胸辺りに突きを入れた。
だが、胸の前で構えてかけていた左之さんの木刀は案の定真っ二つに折れ、先端部分がはじけ飛んだ。
そこまではよかった……………。
左之さんの身体が、胸を突かれたその勢いのまま吹き飛ばされ、道場の床にたたきつけられたのだ。
─────シン………
流れるような、そんな一瞬の出来事に、静まりかえる道場。
それを見ていた群衆の誰もが、顔を青くしてこの光景を見ていた。モチのロン、私もだけど。
楓「…………………ぁ。えと、お疲れっス………?」
唖然として立っていた私は、床に倒れた左之に礼をする。
けれど、全然状況が追い付いてこない。一体何があったのかもさっぱりでひどく困惑していた。
近藤「………しょ、勝者。
………暁犬銀!!」
楓「……………って、左之さん!!大丈夫か!?」
恐ろしいほど静まりかえっていた道場が、空前と沸き立った中、楓は左之の元へと駆け寄る。
平助「う、うそだろ………左之が、」
新八「……………ああ。療養してたから一度も稽古してねえってのに………やべーな」
沖田「……………へぇ。やっぱり面白い子だ、銀くんって」
平助もぱっつあんも、みんながみんな、顔に複雑な表情を浮かべていた。
楓「おい大丈夫か!?流石に死んでねぇと思うけどもッ」
左之「ああ……………生きてるよ」
平助「左之、大丈夫か!?」
私と同じ様に駆け寄ってくる平助を、倒れた状態で苦笑いする左之は「お前らは心配性だな………」と言っていた。
左之「俺の身体を舐めんなよ。大丈夫だ、しばらくは動けねぇが……………」
打ち付けられた衝撃で生じた痛みが退くまでは動けないのだろう。苦々しい表情で呻いていた左之さんに、私は「悪ぃ………」と謝る。
楓「本当はこうじゃなかったんだけど……………」
左之「気にすんなって。近藤さんも言ってただろ?」
楓「いやそうなんだけどよ。………何かいつもと違ったような気がすんだよな」
平助「おいおい。いつもと違うって、今のじゃなかったってことかよ!?」
うーん、と唸るように考え込む私に、仰天した平助がそう言ってきた。
楓「………考えても訳分かんねーけど、多分。………骨には異常ないと思うし、念のために冷やしとけよ、左之さん」
左之「ああ、ありがとよ、銀」
そう言ってくる左之にニカッと笑ってから「今度また手合わせ願うぜ!!」というと「………それはちょっと勘弁な」と苦笑気味に言われてしまった。
近藤「お疲れ様、暁犬くん。原田くんもご苦労だった」
楓「………あっ、近藤さん……………じゃなかった、近藤局長」
「ご拝見、ありがとうございました」と深々と頭を下げると「頭を上げなさい」と笑いながら言われ、彼の目を見る。
近藤「原田くんは、大丈夫か?」
楓「恐らくは大丈夫だと思いますけど、俺は医療の心得なんて無いので、念のため医者に診てもらった方が良いかと」
顔をしかめながらそう言うと「そうか」とちょっぴり心配そうな表情になった近藤さんは「キミが気にする事ではないよ」と頭を撫でてくれた。
楓(うわぁ、近藤さんに撫でられてるっ!!)
おかげで、心ン中でものすっごく躍りまくっているのだが。
楓「……………あっ、そうだ。木刀、すみません」
撫でられて気分を良くさせられた私は、ハッと我に返るように、そう叫ぶ。
それに近藤さんは苦笑いをしていたところに、千鶴がパタパタと駆け寄ってきた。
……………なんだろう、めちゃくちゃ可愛くて心が和みかけるんだけど。
楓(………これでも一応、女なんだけど、めっちゃ可愛い。小動物みたい)
そんな事を思っているとは知らない千鶴が、私に手拭いを手渡してきた。