第参章・時を渡る者
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
両手で横幅約四十センチぐらいの長さを表しながら、「まあ、笛といっても、龍笛 なんだけどね」と苦笑するも、彼らの反応は困惑と同情と……様々だ。
左之「・・・・・・形見って、楓。お前……両親のこと、憎んでたんじゃなかったのか?」
楓「……違う。そいつらなんかじゃないよ。
というか、そいつらの遺品なんて貰ったところで、売り飛ばすか…ぶっ壊すかのどちらかでしょ」
ぴくっと僅かながらに反応してしまった己を恨んだけれど、それとは関係がないのも事実なので、顰 めた顔でそっぽを向いてしまった。
新八「……もしかして、楓。あれか?お前の恋人 だった奴のか!?」
楓「・・・・・・ぱっつぁん。一発、殴っていいか?」
失礼なことを言ってくるぱっつぁんに、満面の笑顔で拳を作りながらそう言って脅す。
勘違いしているだろうなとは思っていたが、まさかそこまでとは思いもしなかった。
新八「…わ、悪かったって。
そんなに怒んなくたっていいじゃねぇか」
左乃「……ってェ、ことは…」
私の一言が気になった左之さんに、そう聞かれた私は苦笑しつつ「まったく、勘の鋭い奴らだ」と答えた。
楓「……幼馴染のものでね。
当時、神社の子供だった子の……私が手に入れれる、唯一の遺品なんだ」
沖田「……。遺品、ねぇ。確かに、楓ちゃんは、巫女には見えないよねー」
楓「まあ、やれないことはないけどね。
……あの子は、疎まれていたはずの私を、実の妹のように接してくれていたから」
少しだけ間を取ってから、再度、土方さんに顔を向ける。
なーんか、シリアス的な流れになってきちゃったから、彼にずいっと顔を寄せつつ、再三 頼みかける。
楓「・・・・・・つーわけで、見てませんか?笛。
・・・・・・あ、あと、巫女衣装が欲しいです」
土方「笛は、残念だが見てねぇけどな。
何で、そこで巫女衣装が欲しいだのとかが出てくるんだよ!!」
楓「だって、必要最低限な物はそっちで何とかしてくれるって……」
口を尖らせながら文句言うと、「それはそれ、これはこれだ!!」と怒られた。
なにが『それはそれ、これはこれ』、だ。
ただただ、バレてしまったときの反応がしづらいだけじゃないか。
別に男装用の巫女衣装でも買えばいいだけの話なのだが、それを言ったところで、どのみち結果は同じなのが目に見えてしまった。
楓「ちっ……クソ鬼土方」
土方「何か言ったか、クソガキが」
楓「いいえ。何も?」
平助「おいおい、こんなところで喧嘩は止めろって!!千鶴が怯えてんだろ!!」
そう言う平助を尻目に、楓と土方はお互い睨み合いながら、直感に分かっていた。
―――――――こいつは嫌いだ 。と―――――――
土方「ともかく、巫女衣装は駄目だからな。
大人しく療養しやがれ」
そう言って乱暴に部屋から出て行く土方さんに向かって、私は舌打ちをする。
沖田「・・・・・・さて、と」
楓「・・・・・・沖田さんは帰らないんですか」
何故か腰を下ろす彼に、そう聞くと「だって、何か面白そうだし?」と言われ、「はあ?」と声をあげてしまった。
沖田「平助達となんか面白そうな話をしてるみたいでさ、僕も加えて貰いたかったんだよねー・・・?」
その冷ややかな笑みでそう言ってくる彼に、平助達は青ざめた表情をしていた。
左之「あっ・・・俺、もうそろそろ巡察があったっけなー、つーことで、悪ぃな」
新八「あっ・・・左之・・・っと、俺も稽古があったんだ。悪ぃ、抜けるわ」
平助「え!?ちょ、新八っつぁんに左之さん!?」
口が笑っていても、目が笑っていないことに気付いた左之と新八は、平助を残してそそくさと逃げようとしていた。
沖田「誰が逃すとでも?」
楓「あれ・・・・・・何をしようとしてるんですか、沖田さん?」
チャキリ、と刀に手を出しながら黒い笑顔で彼らを見る沖田の前に、楓が遮った。
左之「・・・・・・形見って、楓。お前……両親のこと、憎んでたんじゃなかったのか?」
楓「……違う。そいつらなんかじゃないよ。
というか、そいつらの遺品なんて貰ったところで、売り飛ばすか…ぶっ壊すかのどちらかでしょ」
ぴくっと僅かながらに反応してしまった己を恨んだけれど、それとは関係がないのも事実なので、
新八「……もしかして、楓。あれか?お前の
楓「・・・・・・ぱっつぁん。一発、殴っていいか?」
失礼なことを言ってくるぱっつぁんに、満面の笑顔で拳を作りながらそう言って脅す。
勘違いしているだろうなとは思っていたが、まさかそこまでとは思いもしなかった。
新八「…わ、悪かったって。
そんなに怒んなくたっていいじゃねぇか」
左乃「……ってェ、ことは…」
私の一言が気になった左之さんに、そう聞かれた私は苦笑しつつ「まったく、勘の鋭い奴らだ」と答えた。
楓「……幼馴染のものでね。
当時、神社の子供だった子の……私が手に入れれる、唯一の遺品なんだ」
沖田「……。遺品、ねぇ。確かに、楓ちゃんは、巫女には見えないよねー」
楓「まあ、やれないことはないけどね。
……あの子は、疎まれていたはずの私を、実の妹のように接してくれていたから」
少しだけ間を取ってから、再度、土方さんに顔を向ける。
なーんか、シリアス的な流れになってきちゃったから、彼にずいっと顔を寄せつつ、
楓「・・・・・・つーわけで、見てませんか?笛。
・・・・・・あ、あと、巫女衣装が欲しいです」
土方「笛は、残念だが見てねぇけどな。
何で、そこで巫女衣装が欲しいだのとかが出てくるんだよ!!」
楓「だって、必要最低限な物はそっちで何とかしてくれるって……」
口を尖らせながら文句言うと、「それはそれ、これはこれだ!!」と怒られた。
なにが『それはそれ、これはこれ』、だ。
ただただ、バレてしまったときの反応がしづらいだけじゃないか。
別に男装用の巫女衣装でも買えばいいだけの話なのだが、それを言ったところで、どのみち結果は同じなのが目に見えてしまった。
楓「ちっ……クソ鬼土方」
土方「何か言ったか、クソガキが」
楓「いいえ。何も?」
平助「おいおい、こんなところで喧嘩は止めろって!!千鶴が怯えてんだろ!!」
そう言う平助を尻目に、楓と土方はお互い睨み合いながら、直感に分かっていた。
―――――――
土方「ともかく、巫女衣装は駄目だからな。
大人しく療養しやがれ」
そう言って乱暴に部屋から出て行く土方さんに向かって、私は舌打ちをする。
沖田「・・・・・・さて、と」
楓「・・・・・・沖田さんは帰らないんですか」
何故か腰を下ろす彼に、そう聞くと「だって、何か面白そうだし?」と言われ、「はあ?」と声をあげてしまった。
沖田「平助達となんか面白そうな話をしてるみたいでさ、僕も加えて貰いたかったんだよねー・・・?」
その冷ややかな笑みでそう言ってくる彼に、平助達は青ざめた表情をしていた。
左之「あっ・・・俺、もうそろそろ巡察があったっけなー、つーことで、悪ぃな」
新八「あっ・・・左之・・・っと、俺も稽古があったんだ。悪ぃ、抜けるわ」
平助「え!?ちょ、新八っつぁんに左之さん!?」
口が笑っていても、目が笑っていないことに気付いた左之と新八は、平助を残してそそくさと逃げようとしていた。
沖田「誰が逃すとでも?」
楓「あれ・・・・・・何をしようとしてるんですか、沖田さん?」
チャキリ、と刀に手を出しながら黒い笑顔で彼らを見る沖田の前に、楓が遮った。