第参章・時を渡る者
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沖田「………っ」
さっきっから気まぐれな猫っていうか・・・可愛げな欠片なんて微塵にもないような、貧相で痩せ細ったこんな猫にも、素直なところもあるんだ………と少しだけ驚く。
………僕ほどじゃないけど、案外捻くれているようだし。
楓「………あの、じろじろと見ないでもらいたいんですけど?」
気にでも障ったのか、不機嫌そうにそう言う彼女に「キミって本当、可愛くないよね………」というと「そりゃどうも」とつんけんしたような言葉が出てきた。
………ほんと、黙ってさえいれば、可愛いのに。
沖田(………って、あれ………?)
僕………今、なんて思った?
可愛い?あの子が?
……………いやまさか、あんな跳ねっ返りの自虐女を可愛いと思うはずがない。
あれだ、さっきまで警戒していた野良猫が、ほんの少しだけ近寄ってきたみたいなものだ、きっと。
でも、正直言って彼女の雰囲気は、そこら辺の女の子達とまるで違う雰囲気だった。
沖田(………気のせいだよ、うん。絶対)
心の中で自分に言い聞かせるかのようにそう思っていた。
それから僕は二人を部屋に送ってから、怪我の手当を千鶴に任せて、朝餉に向かった。
* * * * * *
千鶴「………さて………ひっく………ぅ、アキさん。怪我、見せてください」
楓「………千鶴。
泣きたくなるんだったら、やらなくていいよ(汗」
部屋に着いて、救急箱を貰い受けた千鶴は何かを決意したかのように言うけれど、私から見れば、ものすごく泣きそうで辛そうに見える。
千鶴「っち、違いますっ!!早く服を脱いでください!!」
楓「………はいはい」
それから、千鶴に手当をして貰った私は、盛大に溜め息付いた。
そんなに泣くんだったら、やらならければいいのに、とは言っても彼女のことだ。
また大声で泣き叫ぶのだろう。
そんなことを考えていると、急に頭がズキリと痛み出した。
楓(っ…なに、偏頭痛……?)
けれど、あいにく今日は晴天。
これと言って変な天気でもなければ、外に出ているわけでもないので、偏頭痛ではないとは思うのだが……。
頭痛に加え、ここに来てからと言うものの、耳鳴りがひどくなっていき、幻聴までも聞こえてくる始末。
寝ているときまでも、悪夢のような夢が続いているので、おかげで精神的にも参ってしまいかけている。
キーーー…ン…
楓(っ……また……っ)
千鶴「………あ、そういえば………」
楓「……ん?なに」
あまりの痛みに手で押さえつけていると、ふと、何かを思い出したのか、千鶴が話しかけてきた。
さっきっから気まぐれな猫っていうか・・・可愛げな欠片なんて微塵にもないような、貧相で痩せ細ったこんな猫にも、素直なところもあるんだ………と少しだけ驚く。
………僕ほどじゃないけど、案外捻くれているようだし。
楓「………あの、じろじろと見ないでもらいたいんですけど?」
気にでも障ったのか、不機嫌そうにそう言う彼女に「キミって本当、可愛くないよね………」というと「そりゃどうも」とつんけんしたような言葉が出てきた。
………ほんと、黙ってさえいれば、可愛いのに。
沖田(………って、あれ………?)
僕………今、なんて思った?
可愛い?あの子が?
……………いやまさか、あんな跳ねっ返りの自虐女を可愛いと思うはずがない。
あれだ、さっきまで警戒していた野良猫が、ほんの少しだけ近寄ってきたみたいなものだ、きっと。
でも、正直言って彼女の雰囲気は、そこら辺の女の子達とまるで違う雰囲気だった。
沖田(………気のせいだよ、うん。絶対)
心の中で自分に言い聞かせるかのようにそう思っていた。
それから僕は二人を部屋に送ってから、怪我の手当を千鶴に任せて、朝餉に向かった。
* * * * * *
千鶴「………さて………ひっく………ぅ、アキさん。怪我、見せてください」
楓「………千鶴。
泣きたくなるんだったら、やらなくていいよ(汗」
部屋に着いて、救急箱を貰い受けた千鶴は何かを決意したかのように言うけれど、私から見れば、ものすごく泣きそうで辛そうに見える。
千鶴「っち、違いますっ!!早く服を脱いでください!!」
楓「………はいはい」
それから、千鶴に手当をして貰った私は、盛大に溜め息付いた。
そんなに泣くんだったら、やらならければいいのに、とは言っても彼女のことだ。
また大声で泣き叫ぶのだろう。
そんなことを考えていると、急に頭がズキリと痛み出した。
楓(っ…なに、偏頭痛……?)
けれど、あいにく今日は晴天。
これと言って変な天気でもなければ、外に出ているわけでもないので、偏頭痛ではないとは思うのだが……。
頭痛に加え、ここに来てからと言うものの、耳鳴りがひどくなっていき、幻聴までも聞こえてくる始末。
寝ているときまでも、悪夢のような夢が続いているので、おかげで精神的にも参ってしまいかけている。
キーーー…ン…
楓(っ……また……っ)
千鶴「………あ、そういえば………」
楓「……ん?なに」
あまりの痛みに手で押さえつけていると、ふと、何かを思い出したのか、千鶴が話しかけてきた。