第参章・時を渡る者
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
彼女達は僕の一言で憤慨したのか、さっさと風呂へと行ってしまった。
所詮は木の板一枚だけだから、声なんて筒抜けだし、聞こえてきてもしょうがないんだけど。
沖田(………でも、確かにあの子は、痩せているよねー………)
普通なら餓死している、というか彼女の場合、餓死になりかけている のほうが正しいのかもしれない。
たとえそうだとしても、生きているのが、とてもじゃないけど不思議なくらいだ。
沖田(………まあ、僕に剣を向けてかかってきた時点で、信じられる事じゃないわけだけど)
初めて見た時は、本当に人なのかと、内心ビックリしていた。
だってあんなに痩せ細った身体をしているわけだし、背中を斬りつけられただけでも重傷なのに、当の本人は一日でけろりとしてるんだから。
………月明かりに照らされ、今にも倒れそうな、ぼんやりと浮かぶ楓ちゃんが………一瞬だけ、僕はなぜだか、綺麗だと感じた。
儚く散っていきそうな何かを 全身に纏い、死ぬことを許されなかった彼女を………本当、自分でも訳が分からなかった。
とにかく、あの時の楓ちゃんが綺麗だと思っていた………なんて事は、口が裂けてでも絶対に言わない。
沖田(だからこそ、本気で殺気をぶつけたんだけど………)
そんな殺気でさえ、届かなかったのか………彼女から何も伝わっては来なかった。
恐怖も、敵意も、何もかも………。
まるで、ただ全てを受け入れるような危うさと、自暴自棄に陥っているような、そんな気配が感じ取れた。
しかも彼女の話を聞けば聞くほど、信じられない話 だと思う。けど、僕はそれが本当の話なんだと思った。
だってあの時、楓ちゃんは話している間、平気そうに皮肉っていたけど、細かく震えていて泣きそうだったから。
………本人は気付いていないだろうけどね。
でも、それが本当の話だとしたら、どんなに酷いことなんだろう………って、人斬り集団が憐れむようなことじゃないのは分かってる。
僕らだってむしろ、酷いこと………なんて数え切れないくらいしているわけだし。
それでも、あの獄火のような火の海で、足枷を付けられていても、あんな痩せ細っていても死ぬことも出来ないなんて、ね………。
沖田(ある意味………恐ろしいったら、この上ないよ………本当に)
そんなもの、本当の化け物でしかない。
所詮は木の板一枚だけだから、声なんて筒抜けだし、聞こえてきてもしょうがないんだけど。
沖田(………でも、確かにあの子は、痩せているよねー………)
普通なら餓死している、というか彼女の場合、餓死に
たとえそうだとしても、生きているのが、とてもじゃないけど不思議なくらいだ。
沖田(………まあ、僕に剣を向けてかかってきた時点で、信じられる事じゃないわけだけど)
初めて見た時は、本当に人なのかと、内心ビックリしていた。
だってあんなに痩せ細った身体をしているわけだし、背中を斬りつけられただけでも重傷なのに、当の本人は一日でけろりとしてるんだから。
………月明かりに照らされ、今にも倒れそうな、ぼんやりと浮かぶ楓ちゃんが………一瞬だけ、僕はなぜだか、綺麗だと感じた。
儚く散っていきそうな
とにかく、あの時の楓ちゃんが綺麗だと思っていた………なんて事は、口が裂けてでも絶対に言わない。
沖田(だからこそ、本気で殺気をぶつけたんだけど………)
そんな殺気でさえ、届かなかったのか………彼女から何も伝わっては来なかった。
恐怖も、敵意も、何もかも………。
まるで、ただ全てを受け入れるような危うさと、自暴自棄に陥っているような、そんな気配が感じ取れた。
しかも彼女の話を聞けば聞くほど、信じられない
だってあの時、楓ちゃんは話している間、平気そうに皮肉っていたけど、細かく震えていて泣きそうだったから。
………本人は気付いていないだろうけどね。
でも、それが本当の話だとしたら、どんなに酷いことなんだろう………って、人斬り集団が憐れむようなことじゃないのは分かってる。
僕らだってむしろ、酷いこと………なんて数え切れないくらいしているわけだし。
それでも、あの獄火のような火の海で、足枷を付けられていても、あんな痩せ細っていても死ぬことも出来ないなんて、ね………。
沖田(ある意味………恐ろしいったら、この上ないよ………本当に)
そんなもの、本当の化け物でしかない。